トピックス・レポート

第30回 日本産業ストレス学会「産業ストレスの研究と実践の新たな幕開け」

30周年記念シンポジウム 日本産業ストレス学会の歩み


 本シンポジウムには、本学会の歴代理事長が登壇し、それぞれが理事長を担った時代の社会的背景や、今後の学会への期待などを語った。

 当日欠席のため手紙の代読となった初代理事長の齋藤和雄先生(北海道大学)から始まり、永田頌史先生(産業医科大学)、夏目 誠先生(読売テレビ、夏目こころのコンサルティング)、川上憲人(東京大学)が順に登壇し、最後は現理事長・堤 明純氏(北里大学)が指定発言を行った。
 当時の理事長自らが解説することで、学会の歩みと日本社会、そして産業ストレスの歴史が俯瞰できる、第30回という節目の大会ならではのリレーが繰り広げられた。

 最後に永田氏、夏目氏、川上氏、堤氏が登壇したディスカッションも行われ、歴代理事長らは「若い人を周りがサポートする」など次世代への希望を語った。
 また、実態が伴わない名ばかりの「健康経営」が広まることへの警鐘も鳴らし、本学会が産業ストレスの現場をよりよい方向へ導いていく役割を担うことを期待した。

さまざまな角度で討議された産業ストレスの実践

 日本産業保健法学会との合同シンポジウム「裁判所は産業ストレスをどう考えたか-国・京都上労基署長(島津エンジニアリング)事件をめぐって」では、業務上のトラブルで負った心理的負荷の強度について、一審・二審で判断が分かれた事例を巡り、弁護士や臨床医、心理職といったさまざまな立場の登壇者から意見が述べられた。

 その他にも、労災認定や小規模事業所でのメンタルヘルス対策など、産業ストレスの現在の問題をさまざまな角度・視点で取り上げるプログラムが行われ、第30回 日本産業ストレス学会は盛会裡に幕を下ろした。

 なお、来年開催される、第31回 日本産業ストレス学会は「産業ストレスとキャリア、ライフの統合的視座~働き方のリデザインへ向けて~」をテーマに、本年と同会場で開催される予定である。

第31回 日本産業ストレス学会

■テーマ:産業ストレスとキャリア、ライフの統合的視座~働き方のリデザインへ向けて~
■日 程:2023年12月8日(金)~ 12月9日(土)
■会 場:一橋大学 一橋講堂(東京都千代田区)
■大会長:廣川 進(法政大学キャリアデザイン学部)、東川麻子(株式会社OHコンセルジュ)

日本産業ストレス学会
第31回 日本産業ストレス学会のご案内

参考情報

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