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公衆衛生医、骨折で入院しました


(2016/12/21)
No.4 病院食についての率直な感想
 病院食


 毎日、毎食の食べることは人間にとって単に生きるためだけではない楽しみの一つです。

 急性期の医療では必要に応じて提供される食事に制限があるのは当然です。病院の食事はかつてのように冷たくなっている、食事時間が早すぎるなどには改善が認められました。今回の経験からお話しします。

 入院したN病院の病棟は4人室7、個室4、計32人です。患者の食事は食堂・談話室で供しました。4人用7、2人用1卓、全部座席指定。他に食堂外のサロンのカウンターと4人用卓をときに使用し、重症(移動不能)者はベットのまま連れ出していました。

 私は、かつて埼玉県でがんセンター増改築時に同じ趣旨を提案したのですが、当時は職員に反対され実現しませんでした。詳しい理由は忘れましたが面会用サロンとして用意したことを思い出しました。今回はM病院に用意されていました。

 今回の約2か月入院中想定外の経験をしました。4人は入退院しない限り同じメンバーです。

 食べ物は天気の良し悪しと同じに療養仲間の会話の入り口に最適です。私の斜め前に座る彼は毎食おおよそ最後に着席しますが、その時も食事中も食後に立つときも一言も口を開かないのです。そのくせ見舞いにくる彼女や病院職員とはめちゃくちゃ楽しそうに話をするのだそうです。彼の向かいになる僕の隣の人はあいつの顔を見ると飯がまずいと3人の時に言います。そんなエピソードも反対理由の一つだったかなーと考えたりもしました。

 N病院の食事

 転院時の診察で血圧が高いこと、血液検査値にやや気をつける値があることが指摘されました。医師との会話の中で血圧値は遺伝的なものであり、過去40年にわたって留意していること、特に最近は近くの循環器の専門医(葉山ハートセンター)に受診し治療中であることを伝えました。

 さて食堂の実際の献立です。各盆に米飯(大ぶりの椀に蓋付)、その向こうに主菜(主として焼き魚切り身)、右側には小鉢(例えばヒジキと大豆の煮ものやきんぴらなどごくまれに2鉢)、その向こうに果物のジュース、牛乳のパック、プリンなど、そしてごくまれにすまし汁。そして献立カードには常食、減塩食とありました。

 私の現在は60歳頃までと異なり食が細くなっています。旅館の食事も食堂の定食も少しずつ残すようになりました。それにもかかわらず、今回の入院中の52日間、150食すべて完食しました。

 もちろん食べることが楽しみだったこともありますが各食の量がすくないことによると思っています。特に、主菜は小さかった。例えば厚み7~8ミリの焼き魚の切り身は10×5センチ程度のものがあり、大根おろしが白いまま薄くかかっているだけで醤油はかけてなかったなど、薄味で文字通り味けなく全体として貧弱と言いたくなるものでした。また、汁物はほとんど出ませんでした。

 そのことに気がついたのは入院後ひと月程してからです。食事の献立は日~土の7日分3食に喫食者の条件2種類ごと3食の内容を食堂に張り出します。A4版で小さなもので読む患者はほとんどいません。


汁ものについてメモしました。予定通り提供されたものは「〇」、献立にあったのに実際は出なかったものに「×」をしています。



 献立上汁ものの記載は16回、予定なしは16回。実際の供食は7回で献立上の半分は供食されませんでした。これは減塩食の指示によるものかどうかは不明です。

 また、実際の汁のお椀は直径6×高さ8センチほどの蓋つきですが汁の量は2~3センチほどです。食べ物に関しては患者の不満は大きいと思われました。

 10年間栄養士教育に携わった身では健康、療養上の栄養の重要性について学生に語ってきましたが、調理の現業とともに供食の現場に立ち喫食者の反応を見ることも大切と教えました。残念ながら150食の間、栄養士の影は感じられませんでした。私の教え子でないことを念じています。

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