「間食指導」で考える生活習慣改善アセスメント

支援のポイント

 従来の保健指導では、「健康行動にはメリットがある」ことが大前提でした。しかし、仕事や人間関係の方が優先で「自分の健康は二の次」と考えている人は少なくありません。いきなり、指導者の価値観や常識を押しつけるのではなく、相談者の生活ポリシーを認めた上で、疾病の予防や健康行動について、どのように考えているのかを確認します。次に、本人の持っている情報を整理しながら、よい方向へ傾くように働きかけを行います。

 支援のポイントを、以下にまとめてみました。

1)対象者の間食の捉え方や現状況を理解する

 対象者の考え方や言い訳に対し、いきなり生活改善の必要性を説いても、対象者の抵抗や支援者への不信が募るだけです。
 ⇒まずは、対象者の捉え方や言い訳を否定せずに聞き、現状を理解します。

2)対象者に、生活改善に対する不安や、抵抗の要因に気づいてもらう

 ⇒一方的に聞き出すのではなく、対象者を主体に経過を振り返りながら現在の状況を整理します。

3)現在の状況が判断できる情報提供を行う

 気づきのきっかけになれば...と、指導者が一方的に沢山の情報提供を行うと対象者の反発心が高まります。
 ⇒データの見方などの科学的事実を伝えたり、残念にも合併症に至った例や成功例を紹介し、今がチャンスであることに気づいてもらいます。

まとめ

 特定保健指導では「効果を出すこと」が求められています。しかしこの段階(関心期)では、まず本人の状況を確認し、迷っている段階であることを理解します。「効果」を急ぎ過ぎると、負担感を感じて前に一歩を踏み出すことができません。人の気持ちの変化には、振り返りやきっかけが足がかりになります。経過をたどりながら、本人と共に状況を整理していくことで、抵抗する気持ちの要因に気づいてもらったり、生活改善の必要性を感じ、前向きな気持ちになってもらうことを優先します。その合間に、現在の状況が判断できる情報提供を行うことで、生活改善への動機づけを進めていきます。

 次回は、やっとやる気になり、これからがんばろう!という「準備期」の人に対するアプローチを検証していきます。

2013年11月 公開

日本医療・健康情報研究所
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