維持期にある実践行動に対して、支援者はその管理を相談者に任せてしまうところがあります。特に、面接の現場では時間的な制限もあるので、準備期などに他の「課題」がある場合には、そちらの展開に時間をかけたいところです。しかし、自分の生活習慣を軸に他人と話をするチャンスは年に1度あるかないかです。ここ近年の間に、チャレンジした実践行動がある場合、そのモチベーションアップのためにも下記2点における振り返りや確認を行う価値は高いと考えます。
1)実践行動へのきっかけやプロセスの振り返り
【1】過去の望ましくない行動を、どのような行動に替えたのか(行動置換 代替行動)を整理する。
例:お菓子を目にしたり、食べたくなると、欲しいままに食べていた。
→買い置きのおやつを1種類にし、1回量を決めた。
→食べたくなったら、買い物に行くようにした。
【2】実践行動の継続によって、どのようなメリットがあったのかを再度評価する。
例:計画的に食べるものや種類を決めると食後に後悔することがなくなり、
間食に対して後ろめたい気持ちが薄れた。
3カ月後の検査で、今まで下がったことがなかった中性脂肪が減った。
※こうした振り返り【1】【2】を話してもらうことで、今後の継続に対するさらなる自信(自己効力感)を高めます。
2)強化マネージメント
相談者の努力に対する支援者の賞賛は、実践行動へのさらなる正の強化となります。
このように、維持期の人には、その行動によって自分の生活にどのようなメリットをもたらしたかを、再度自己評価していただく機会をもってもらうことが大切です。目標を達成したから終わりではなく、無意識な行動習慣とならない限り完結ではないことを肝に銘じ、支援者は対象者の話を聞き、心の声(本心)を探りながら適宜、提案やアドバイスを送り、見守り続けていきましょう。
2014年08月 公開