「間食指導」で考える生活習慣改善アセスメント

健康行動を実践するために

 人が健康行動を実践するためには、その行動の妨げに対し、行うメリットが勝ることが必要です。現代人の多くは、情報の多様化により「健康行動を行うメリット」についてはよく熟知しています。ですから、健康行動を実践するためには、 健康行動の「妨げ」になる要因を減らす必要があります。

健康行動を実践するために

健康行動の「妨げ」とは?

 「妨げ」の要因には、個人的要因と環境的要因の2種があります。間食に関する妨げの個人的要因には、「我慢するとイライラする」、「楽しみがなくなる」、「甘いものが大好き」などがあげられます。環境的要因としては、「会社で配られると断れない」、「自分だけ断る勇気がない」、「家の前がコンビニ」等があげられます。

「妨げ」を減らすアプローチ

 面接では、相談者と共に「妨げ」の要因を減らす作業を行います。ただし、相談者の気持ちは、それぞれの健康行動に対して各ステージ*に分かれていて複雑です。そこで、間食指導に限らず保健指導では相談者との会話の中から、まず健康行動に対するステージを確認します。

 次に、相談者との信頼を構築するために、短い時間でお互いが少しでも分かり合うために、筋道を立てて論理的に話すことが求められます。対象者の個性や生活状況はもちろんですが、ステージのどこにいるかで説明のしかた、納得してもらえる言葉、行動変容へ導くアプローチ方法は変わってきます。

おわりに

 このシリーズでは、各ステージの特徴や相談者の立場をくみ取り、アプローチのきっかけとなる問いかけを示してきました。たかが言葉、されど言葉。言葉が人の心に届けば、意識が変わります。意識が変われば、行動が変わります。ちょっと意識した言葉掛けの展開を、実践の中で活かしていただけたらと願っております。


・無関心期:現在の自分には健康行動の必要性を感じない。
・関心期:現在の自分には健康行動より重要なこと(仕事や育児、介護、断ると人間関係に影響する、自分のストレスが増すなど)があったり、うまく生活に組み入れる自信がないので、実践できない。
・準備期:「健康行動のメリット」は理解しており、できるときに自分なりに努力しているが、続かないので良い結果に結び付いていない。
・実行期:望ましいセルフケアは進められているが、充分に身についていないため、逆戻りする可能性が大きい。

2014年08月 公開

日本医療・健康情報研究所
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