ニュース

血栓症を防ぐ7つの方法 簡単な対策で血栓リスクが4割低下

 生活習慣に関する7つの簡単なことを守れば、死亡率の高い血栓症のリスクを低減できるという研究が、米国心臓協会(AHA)集会で発表された。
血栓ができにくい生活スタイル 運動と体重コントロール
 血栓とは、血管の中にできる血液の塊のこと。「血液が固まりやすい」、「血管壁に傷がつく」、「血流が遅くなる」といった要因が重なり合うと、血栓ができやすくなる。

 血栓は動脈だけでなく静脈にもできることがある。脚の静脈に血栓ができると、血流が妨げられ、脚に血液がたまる(深部静脈血栓症)。脚の静脈の血栓は、何らかの拍子に血管の壁からはがれることがある。はがれた血栓は血流に乗って心臓に運ばれ、さらには肺に入って血管を詰まらせることがある(肺塞栓症)。

 米国心臓学会によると、米国では5分に1人が深部静脈血栓症や肺塞栓症により死亡しているという。

 また、心臓の中でできた血栓が、血液を通して脳へ運ばれ、脳動脈を詰まらせ脳梗塞を引き起こす「心原性脳梗塞」は突然発症し、麻痺や意識障害が起こり、死に至る場合もある危険な病気だ。

 60歳以上の人に発症しやすく、心房細動(脈拍が不規則に乱れる不整脈)などの心疾患により不整脈が起こると、心臓の働きが悪くなり、血流がよどみ、心臓内の血液が固まって血栓ができやすくなる。

 研究では、45歳以上の男女3万239万人を対象に、4.6年の追跡調査を行った。米国心臓学会が提唱している7つの簡単な方法「ライフ シンプル 7」の実行の程度にもとづいて、参加者の心臓の健康状態を評価した。

 研究チームは、参加者を心臓の健康状態で不適切群、平均群、最適群の3群に分け、血栓発生率を比較した。その結果、不適切群に比べ、最適群では血栓リスクが44%低く、平均群では38%低かった。運動をして標準体重を維持することが、血栓リスク低減におけるもっとも重要な2つの因子であることが判明した。

心臓病を防ぐ7つの簡単な方法(ライフ シンプル 7)
(1)運動をする
 運動をすれば、血圧値・血糖値が下がり、善玉のHDLコレステロールが増えます。骨粗しょう症の予防にもなり、ストレス解消にもつながり夜は良く眠れるようになります。
 健康のための運動を、週に2.5時間行うのが目標です。1日20分のウォーキングを毎日続ければ、合計すれば週に2時間になります。
 スポーツジムに加入する、毎日5km走るといったことをしなくても、身体活動を増やすことができます。エレベーターの代わりに階段を使う、駐車場の奥の方に車をとめて歩く、昼休みに早足で散歩するといったことも効果的です。

(2)コレステロールを管理する
 コレステロールの異常は、死因の上位を占める狭心症や心筋梗塞などの心臓病や、脳出血や脳梗塞などの脳卒中の原因になります。
 コレステロールには善玉のHDLコレステロールと、悪玉のLDLコレステロールがあります。コレステロール値によっては、薬物療法が必要になります。ご自分のコレステロール値が気になるときは、医師に相談しましょう。
 運動を習慣化し、赤身肉などの動物性の食品を控え、低脂肪の乳製品や植物油を選び、食生活を改善すれば、コレステロール値を改善できます。

(3)健康的な食事
 健康的な食事が、体重や血圧値、血糖値、コレステロール値を改善します。低カロリーであれば体に良いと思い込んでいる人が多くいますが、必要な栄養素はしっかりととることが大切です。
 そのために、1日3食をしっかりと食べ、お皿の半分に野菜や果物、大豆など豆類をのせることが勧められます。野菜を1日に4皿以上、魚を週に2回以上食べるのが目標です。
 ごはんやパンは玄米や全粒粉を選べば、食物繊維の摂取量を増やせ、体重コントロールにも役立ちます。塩分は1日3gに抑えるのが理想的ですが、それが無理な場合は6g以下を目指しましょう。
 糖分の多い清涼飲料や缶コーヒーを飲むときは、週に400kcalを目安にしましょう。コップ1杯のコーラのカロリーは90kcalぐらいです。

(4)血圧を管理する
 40歳以上の男性の6割以上が高血圧で、一生のうちに9割の人が血圧が高くなるという調査結果もあります。高血圧は自覚症状が乏しいので、自分が高血圧だと気づいていない人も多くいます。家庭用血圧計を入手して、朝と夜寝る前に血圧を測ってみましょう。
 健康な体重を維持すること、塩分の摂取量を減らすこと、医師に処方してもらった薬をきちんと飲むことが大切です。

(5)標準体重を維持する
 脂肪が一定以上に多くなり、心臓の負担が増えている状態が肥満です。肥満に脂質異常や、高血圧、高血糖などが重なると、心臓の負担はさらに増えます。体重を落としただけでも、これらの検査値は改善します。
 1日の食事で必要なカロリーを確かめて、それを超えて食べ過ぎないようにし、有酸素運動を心がければ、体重を減らすことができます。

(6)血糖値を下げる
 糖尿病のある人では、心臓病や脳卒中の危険性が4倍以上に高まります。血糖値をコントロールすれば、これらの合併症を防ぐことができます。糖尿病は食事や運動の影響を受けやすい病気です。生活習慣を少しずつでも改善していき、医師から処方された薬をしっかり飲むことで、糖尿病を改善できます。

(7)たばこを吸わない
 たばこを吸う人は禁煙することが、心臓病や脳卒中だけでなく、がんや、慢性肺疾患、呼吸器疾患などの予防につながります。禁煙のもたらすメリットは明らかなので、考えている余地はありません。いますぐ禁煙してださい。そうすれば、数年で心臓病の発症リスクを、非喫煙者と同程度に下げることができます。

Seven simple lifestyle steps may decrease risk of blood clots(米国心臓学会 2013年5月2日)
Getting Heart Healthy One Simple Step at a Time(米国心臓学会 2013年9月20日)

[Terahata]

「特定保健指導」に関するニュース

2019年07月17日
産官学連携で「糖尿病性腎症」に対策 AIでリスク要因を分析 保健事業に発展 大分県
2019年07月17日
産業医500人に聞いた「従業員のメンタル不調の原因」 1位は「上司との人間関係」
2019年07月17日
玄米への健康食としての期待が上昇 食べやすい新タイプの玄米も登場
2019年07月17日
コーヒーに脂肪燃焼を促す効果 体重減少や​​エネルギー消費の増加を促進
2019年07月17日
厚労省、国保保険者インセンティブ評価指標の変更案を通知
2019年07月09日
【認知症施策推進大綱】どんな具体策が盛り込まれたか? 認知症バリアフリー推進で「共生と予防」
2019年07月09日
運動が寿命を延ばす 中高年になってから運動をはじめても十分な効果が
2019年07月09日
高齢者の難聴は「外出活動制限」「心理的苦痛」「もの忘れ」を増やす 13万人強を調査
2019年07月09日
肥満が「聴力低下」のリスクを上昇させる 5万人の職域コホート研究「J-ECOH」で明らかに
2019年07月09日
「乳がん」はストレスにさらされると悪化 自律神経が深く関与 新しい治療法に道
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 8,441 人(2019年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶