ニュース

肥満は心血管疾患のリスク要因 死亡リスクが低いのはBMI22.4

 日本を含む東アジアと南アジアの112万人以上を対象とした前向きコホート研究で、体格指数(BMI)が高い肥満の人では、心血管疾患などの死亡リスクが高まる傾向があることが判明した。心血管疾患は世界中で主な死亡原因のひとつであり、毎年1,700万人以上が心血管疾患が原因で死亡している。

 この研究は、ニューヨーク大学ランゴーン医療センターとフレッド ハッチンソンがん研究センターなどの研究チームによるもので、日本で行われた大規模コホート研究「JPHC研究」などの成果がいかされている。英国医師会雑誌「BMJ」に発表された。
「肥満」と「やせ」で心疾患リスクは上昇
 研究チームは、南・東アジアの112万4,897人(東アジア 83万5,082人、南アジア 28万9,815人)を対象に、平均10年間にわたり追跡した国際共同研究である「アジアコホート連合」(Asia Cohort Consortium)のデータを解析した。対象となったのは、東アジア(日本・韓国・中国・台湾・シンガポール)、南アジア(バングラデシュ・インド)の7ヵ国。

 BMIと心血管疾患(CVD)による死亡との関連を調べたところ、日本を含む東アジアでは、BMIが20.0~22.4のときに死亡リスクはもっとも低くなり、やせ(BMI 15未満)や肥満(BMI 27.5以上)では死亡リスクが高くなるという「U字型」の相関が示された。

 脳卒中でも同様の傾向がみられ、BMIが20.0~22.4のときに死亡リスクはもっとも低くなった。

 BMIは、2011年の全死亡リスクとの関連で示されたデータをもとに、22.5〜24.9を対照とし、10段階に設定した(15.0未満、15.0〜17.4、17.5〜19.9、20.0〜22.4、22.5〜24.9、25.0〜27.4、27.5〜29.9、30.0〜32.4、32.5〜34.9、35.0以上)。全体のBMIの平均は22.8(東アジア23.1、南アジア22.0)だった。

 平均9.7年の追跡期間中に,心血管疾患による死亡数は4万9,184人。地域別では,東アジアが4万791人,南アジアが8,393人だった。

心血管疾患と脳卒中の死亡率 BMI(体格指数)階層別
 「日本・韓国・中国・台湾・シンガポールなどの東アジア人は、体重変動がわずかであっても、心血管疾患や脳卒中のリスクが上昇することが分かりました。BMIが低い"やせ"や、BMIが高い"肥満"で、死亡リスクは上昇します」と、米ニューヨーク医科大学公衆衛生学部のユー チェン氏は述べている。
南アジア人と東アジア人の間では異なる結果に
 もう一つの重要な発見は、BMIと心血管疾患による死亡との関連は、53歳未満の東アジア人では強かったことだ。

 BMIの増加による心血管疾患の死亡リスクの上昇は、東アジアでは53歳以上(HR 1.17、95%信頼区間 1.10〜1.25))と比べ53歳未満(HR 1.38、同1.20〜1.58)でより高かった。

 「これは欧米の集団での観察結果と一致しています。中年期ではBMIの高い肥満が心血管疾患の重要なリスク要因となりますが、老年期では死亡リスクは上昇しませんでした。高齢になると体脂肪が多い方が生存利益がもたらされる可能性があります」と、チェン氏は述べている。

 一方、南アジアでは、BMIが高い方が心血管疾患のリスクは上昇傾向を示したが、いずれのBMIでも有意なリスクの変動は確認されなかった。脳卒中に関しては、BMI 35.0以上でのみ死亡リスクの有意な上昇が確認された。

 「南アジア人の心血管疾患のリスクを評価するため、今後の研究でウエストサイズ・太もも周り・ウエストとヒップ比率などを調べる必要があります」と、チェン氏は述べている。

Association between body mass index and cardiovascular disease mortality in east Asians and south Asians: pooled analysis of prospective data from the Asia Cohort Consortium(BMJ 2013年10月1日)
アジアコホート連合(国立がん研究センター がん予防・検診研究センター)

[Terahata]

「データヘルス計画」に関するニュース

2019年07月17日
産官学連携で「糖尿病性腎症」に対策 AIでリスク要因を分析 保健事業に発展 大分県
2019年04月08日
日本健康会議「健康スコアリング(2018年度版)の効果検証結果」を発表
2018年10月23日
生活習慣病リスクを予測するAIを開発 100万人の健診データを解析
2018年10月18日
帝京大学産業保健プログラム 受講生募集
2018年10月15日
パートナー企業とヘルスケア分野でオープンプラットフォーム構築―タニタヘルスリンク
2018年10月05日
「健康なまち・職場づくり宣言2020」2018年の達成状況を報告~日本健康会議
2018年08月21日
「データヘルス改革」第2期の工程表を公表 2020年度に本格稼働 厚労省
2018年06月04日
健康スコアリングの詳細設計に関する報告書を公表―日本健康会議
2018年05月24日
2018年度東京CDE・CDS受験者用講習会7月より募集開始
2018年05月22日
【報告】産保PCのこれまで活動内容をポスター発表しました(第91回日本産業衛生学会)
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 8,441 人(2019年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶