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糖尿病の都道府県別ランキング ワーストは徳島、ベストは神奈川

 厚生労働省はこのほど、2013年人口動態統計(概数)の結果を発表した。糖尿病や高血圧症が深く関わる心疾患や脳血管疾患で亡くなる人の数は年々増えている。
自然増減数は7年連続のマイナス
 出生数は102万9,800人で、前年より7,431人減少した。合計特殊出生率は1.43で、前年より0.02ポイント増加した。35歳以上の出産が増えているが、女性全体の数が減っているため、出生数は過去最少だった。

 また、死亡数は126万8,432人で、前年より1万2,073人増加した。出生と死亡数の差である自然増減数はマイナス23万8,632人で、前年より1万9,504人減少し、7年連続のマイナスとなった。

 出生数が死亡数を上回った県は、神奈川県、愛知県、滋賀県、沖縄県の4県のみで、43都道府県は出生数が死亡数を下回っている。

 死因の順位をみると、悪性新生物(がん)が36万4,721人(28.8%)と最多。死亡者のおよそ3.5人に1人はがんが原因で死亡したことになる。第2位は心疾患で19万6,547人(15.5%)、第3位は肺炎の12万2,880(9.7%)、第4位は脳血管疾患で11万8,286人(9.3%)となっている。

糖尿病死亡率 全国ワーストは徳島県 ベストは神奈川県
 年齢別に死因をみると、年齢が高くなるにしたがい割合が増えるのは心疾患と脳血管疾患、肺炎。がんで亡くなる人の割合も、男性では60歳代、女性では50歳代までは高いが、それ以降は年齢が上がるにつれ心疾患や脳血管疾患の割合が男女とも高くなる。

 一方で、糖尿病が原因の死亡数は1万3,783人と多くないが、実際には糖尿病(高血糖)や高血圧が悪影響をもたらし、心疾患や脳血管疾患が進展するケースが多い。

 人口10万人に対する糖尿病による死亡率を都道府県別にみると、徳島県が17.6人と、全国平均の11.0人を大きく上回り、6年連続で全国ワースト1位だったことが明らかになった。

 徳島県の糖尿病死亡率は、1993年から去年までの20年間で、ワースト1位を脱したのは2007年の1度だけ。ワースト2位は香川県の17.4人、3位福島県の16.1人だった。

 一方、全国ベスト1位は神奈川県の7.1人だった。全国平均を大きく下回り、ワーストの徳島県の半分以下にとどまっている。ベスト2位は滋賀県の7.3人、3位は愛知県の8.2人だった。

 徳島県はこれまで、健康とくしま県民会議を設立し、運動不足の解消や野菜の摂取を呼びかけてきたが、「早期発見や治療につながる対策も検討したい」としている。

 神奈川県は、早い時期から「糖尿病連携手帳」の普及や、糖尿病の地域医療連携の拡充をはかり、糖尿病予備群と指摘された人に早い時期で食生活指導を行うなど、対策を重ねてきた成果といえる。

 日本人の死因の上位を占める生活習慣病の発症に、食事や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が深く関わっている。また、糖尿病、高血圧症、脂質異常症は心疾患や脳血管疾患の危険因子となる。

 良好な血糖コントロールを維持することで、これらの病気の多くは予防・改善が可能なので、糖尿病療養への取り組みはとりわけ重要となる。血糖値の高い人ではそうでない人に比べ、心疾患の危険性が3~4倍に高まるとの調査結果が報告されている。

平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚生労働省)

[Terahata]
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