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塩分控えめの「かるしおレシピ」 「S-1g」第2回大会の優勝者を発表

 国立循環器病研究センター(国循)が推進している「ご当地かるしおレシピプロジェクト」の「S-1g」(エス・ワン・グランプリ)の第2回大会が、3月に大阪で開催された。
心臓病や高血圧の予防に役立つ特産品を活用した減塩食
 国循は、塩を軽く使ってうまみを引き出し、1食当たり塩分を2g未満、カロリーを500kcal台にコントロールした「かるしお」を推奨している。

 「S-1g」では、(1)おいしい、(2)塩分控えめ・栄養バランスが優れる、(3)地域ぐるみで食生活改善に取り組んでいる、という条件に該当するレシピを全国から公募。減塩調味料を使用して減塩するのではなく、だしに漬け込んだり、レモンやハーブ、スパイスなどを効果的に使用するなど、工夫を凝らしたレシピを募集した。

 昨年8~11月に公募を行ったところ、北海道から沖縄まで全国各地から137点の応募があり、1月に国循にて実施した一次審査で、20点のレシピ(定食部門9点、惣菜部門6点、単品部門5点)が選定された。

 「S-1g」(エス・ワン・グランプリ)は、以下の3つの部門がある――
(1)定食部門(一汁三菜を基本としたセットメニュ―)
 1食あたり500Kcal台、タンパク質25~30g、脂肪エネルギー比25%以下、塩分2g未満、野菜(海藻・きのこを含む)使用量150g以上
(2)惣菜部門
 小鉢1つ(1人前)当たり塩分0.5g以下
(3)単品部門
 平均的市販品より30%以上塩分カット

 第2回大会のグランプリには、三重県松阪市の松阪市民病院のチームの、三重県のタイやアオサを使った彩り鮮やかな「春色ハレの日定食」が輝いた。

 減塩により高血圧を改善することで、心筋梗塞や脳卒中などの循環器病の発症を抑えられる。2012年の人口動態統計によると、循環器病での死亡者数は32万127人(心疾患 19万8,622人、脳血管疾患 12万1,505人)。国循によると、食塩を1食1g減らすと、循環器病での死亡者数を6~9%(2~3万人)減らせるという。

「S-1g第2回大会」受賞作品

グランプリ
春色ハレの日定食

三重県 松阪市民病院
三重の海、山の幸を使った洋風定食。減塩であっても特製の塩レモン、ハーブ、スパイスを使い香りや旨みがしっかりと感じられる。野菜をたくさん使用し、満足感の得られるボリュームも出した。食感が単調にならないように工夫してあり、彩り、味、変化を楽しめる。

金賞
お塩減らしていいあんべえ うっとーのまごたちはやさしい定食

大分県 別府大学食物栄養科学部食物栄養学科
大分県の名産品である、カボス・しいたけ・ひじきを使い、旨味や酸味、香りを効かせ、薄味でもまろやかな味の定食に仕上げた。ご飯にしらたきを入れたり、マフィンにおからを使うことでカロリーを抑えた。

健康の恵賞
佐賀づくし海苔めしヘルシーバージョン

佐賀県 鳥栖・三養基地区 食の環境整備に関する検討会
米、有明産海苔、玉ねぎ、ありた鶏、れんこんチップスなど、佐賀県産の食材を多く使用。しょうがを入れたり、海苔の風味にだしを加えることで、塩分を控えた。れんこんチップスを加えることで食感も楽しむことができる。

郷土の誉賞
汐風!さんまロール

岩手県 洋野町食生活改善推進員協議会
地元で採れた新鮮な魚と、岩手を代表する小岩井のチーズを使用。だし汁に漬けカレー粉を使い魚の生臭みをとり、塩分を全く使用しないでも満足できる味に仕上げた。魚嫌いな子どもにも喜ばれるメニュー。

匠の技賞
水都仏跳檣(スイトファッテューション)

大阪府 花田洋平(ANAクラウンプラザホテル大阪・調理師
地産地消はもちろん、大阪らしく「だし」にこだわり、水に山海の旨みを移し、調味料を一切使用せず仕上げた。薬膳料理としての効能も取り入れ、おこげを加える事で中華雑炊としても楽しめる。使用材料に制限はなく、全国各地の地方色を活かした材料を組み込んだオンリーワンのレシピも試せる。

審査員特別賞
まるでたこ焼き!? 和風オムライス

大阪府 大阪府立園芸高等学校 食品製造部
人参、グリーンピース、コーンの3種類のオムライス。たこ焼きの形にした大阪らしい1品。1口サイズで食べられるので子どもも食べやすい。

国立循環器病研究センター
[Terahata]
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