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長時間労働を減らし過労死防止へ 「過重労働解消キャンペーン」開始
2015年10月06日
厚生労働省は、長時間労働や過重労働などをなくすための取組を推進する「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施することを明らかにした。
長時間労働対策の強化が課題に
同キャンペーンは、「過労死等防止啓発月間」の一環として2014年から開始したもので、実施期間は11月1~30日。主な取り組み内容は、「著しい過重労働および悪質な賃金不払い残業などの撲滅に向けた監督指導」「全国一斉の電話相談」「リーフレット、広報誌、ホームページなどによる周知・啓発」など。
さらに、企業の労務担当責任者などを対象に、「過重労働解消のためのセミナー」を全国26か所で計33回実施する。
電話相談では、無料の「過重労働解消相談ダイヤル」を全国で実施。相談内容は過重労働をはじめとした労働条件全般にわたり、都道府県労働局の担当官が指導・助言を行うという。対応日時は11月7日の9~17時。「過重労働解消相談ダイヤル」以外にも、最寄りの都道府県労働局または労働基準監督署などで情報提供や相談を受け付ける。
今年6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」には、「働き過ぎ防止の取組強化」が盛り込まれた。また、昨年11月に施行された「過労死等防止対策推進法」にもとづき、今年7月に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定された。長時間労働対策の強化は喫緊の課題となっている。
長時間の過重労働をなくし健康管理を
厚生労働省は、2015年4月から6月までに長時間労働が疑われる2,362の事業場に対し労働基準監督署による調査を実施し、そのうち63%に当たる1,479事業場で時間外労働を確認し、是正・改善に向けて指導監督を行ったことを公表した。
調査によると、1ヵ月当たりの時間外労働が100時間を超えている事業所は62.3%、150時間を超えている事業所は13.7%、200時間を超えている事業所は2.4%だった。
長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらす重要な要因となり、脳・心臓疾患の発症との関連性が強いという医学的知見がある。働くことにより労働者が健康を損なうことがないよう、労働者が疲労を回復できないような長時間の過重労働をなくし、健康管理に係る措置を適切に実施することを求めている。
「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置」では、事業者には産業医による健康管理についての助言指導を行うことを求め、産業医が必要と認める場合は、臨時の健康診断の実施とその結果にもとづく事後措置を実施することが定められている。
この数年で労働関係法規が改正される動きがあり、今後、担当官庁および監督署による指導・監督がいっそう強化されることが予想される。また、育児や介護への参加などを理由として働き方の多様性が生まれるなかで、就業時間を弾力的に調整したいという労働者のニーズが高まっている。
「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施します(厚生労働省 2015年9月16日)長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します(厚生労働省 2015年9月29日)
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