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膵臓がんを早期発見する検査法を発見 検査キットも開発 がんセンター
2015年11月10日
がんの中でも早期発見が難しい膵臓がんを、血液を調べるだけで高い確率で見つけ出せる検査キットを国立がん研究センターなどのチームが開発した。3年後をめどに実用化を目指すという。
研究は、国立がん研究センター研究所 創薬臨床研究分野 ユニット長の本田一文氏らが、厚生労働省や日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて実施したもので、科学誌「サイエンティフィック リポーツ」に発表された。
膵臓がんを早期にスクリーニング
検診で活用できる検査キットも開発
apoA2アイソフォームを単独またはCA19-9と組み合わせて検診を行えば、早期の膵臓がんやそのリスクとなる疾患をスクリーニングできるという。コンピューター断層撮影装置(CT)などの画像診断へつなげることで、膵臓がんによる死亡率を減少できる可能性がある。
研究チームは検査キットの開発にも成功した。apoA2アイソフォームの血中濃度を測る手法としては質量分析が一般的だが、高価な機器を必要となるので、一般の臨床検査としては実用的ではない。そこで今回、簡便に検査できるキット「Human APOA2 C-terminal ELISA kit」の開発に成功した。
apoA2アイソフォームとCA19-9を組み合わせ、膵臓がんを含む消化器疾患患者と健常者の血液検体を合わせて904例の血液を調べたところ、早期の膵臓がんを97%以上の高い確率で発見できることを確かめた。
研究チームは今後、神戸大学などと協力し、「apoA2 アイソフォームを用いた膵臓がん模擬検診」を開始する予定だ。5,000人分の血液で検査の有効性を確認し、3年後をめどに実用化を目指すとしている。
国立がん研究センター
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