ニュース

特定保健指導が医療費適正化に効果 「リスクあり」では医療費が2倍に

 特定健診で「リスクあり」と判定された人は医療費が上昇する傾向があり、もっとも医療費に差があるのは、男性では「血糖」、女性では「メタボ」。また、特定保健指導を受けていない人は、受けている人に比べて医療費が高い傾向にある――特定保健指導には医療費の抑制効果があることが健康保険組合連合会(健保連)の調査で示された。
受診疾病の上位は「その他の内分泌、栄養及び代謝疾患」「高血圧性疾患」「糖尿病」
 調査は、健保連が280の健康保険組合の加入者について、レセプトデータ(2014年5月診療分、103万5,835件)と特定健診・特定保健指導データ(2013年度実施分、218万2,744件)を突き合わせ、特定健診などの受診の有無と医療費との関係などを分析したもの。

 特定健診対象者のうち、特定健診受診者(213万6,287人)と、特定健診非受診者(14万6,457人)について、生活習慣病レセプトの有無を調査。▽健診レベル判定別の生活習慣病の医療受診状況、▽特定健診受診者の医療受診疾病名、▽健診検査値のリスク(メタボ、腹囲、血圧、血糖、脂質)有無別の1人当たり医療費、▽リスク有無別の総医療費に占める生活習慣病医療費の割合、▽特定保健指導実施有無別の1人当たり医療費――について調査した。

 健診レベル判定別に特定健診受診者の生活習慣病に関するレセプトの有無を調査したところ、「受診勧奨基準値以上」では全体の12.40%がレセプトのない人で、早期治療のための受診勧奨対象者だった。また、逆に、全体の1.75%がレセプトのある人で重症化予防対象者だった。

 また、健診レベル判定が「肥満」で「受診勧奨基準値以上」の人の医療受診疾病名(119分類)では、男性・女性ともに「その他の内分泌、栄養及び代謝疾患」「高血圧性疾患」「糖尿病」が上位を占めた。
健診で「リスクあり」と判定 医療費の差は男性で2倍、女性で2倍以上
 特定健診で「リスクあり」と判定された人の医療費は、検査項目によって差があることが明らかになった。どの検査にターゲットを絞って特定保健指導をすれば、医療費抑制の効果を得やすいかが示唆されている。

 健診検査値のリスク(メタボ、腹囲、血圧、血糖、脂質)の有無別に1人当たり医療費を比較すると、リスクのある人のほうが医療費が高く、また、リスクがある人とない人でもっとも医療費に差があるのは、男性では「血糖」、女性では「メタボ」であることが判明した。

 下記のグラフは、「メタボ」「腹囲」「血圧」「血糖」「脂質」のリスク有無別に医科入院外の1人当たり医療費を比較したもの。男性では、もっとも医療費に差があるのは(1)「血糖」で、男性では、リスクあり1万4,064円、リスクなし6,449円と2倍以上の開きがあり、次いで、(2)「メタボ」、(3)「脂質」、(4)「血圧」、(5)「腹囲」の順となっている。

 一方、女性では、もっとも医療費に差があるのは、(1)「メタボ」で、リスクあり1万5,734円、リスクなし7,138円と2倍以上の開きがあり、次いで、(2)「血糖」、(3)「脂質」、(4)「血圧」、(5)「腹囲」の順となっている。
図 健診検査値のリスク有無別の1人当たり医療費(医科入院外)
血糖・脂質・メタボのリスクあると、生活習慣病医療費の割合が高い
 また、リスク有無別に総医療費に占める生活習慣病医療費の割合をみると、「リスクあり」の方が生活習慣病医療費の割合が高く、医科入院では「虚血性心疾患」「脳血管障害」、医科入院外では「高血圧症」「糖尿病」が高い割合を示した。

 「メタボ」「腹囲」「血圧」「血糖」「脂質」のリスク有無別に総医療費に占める生活習慣病医療費の医科入院における割合では、男女ともに「リスクあり」のほうが総医療費に占める生活習慣病医療費の割合が高く、男性では(1)「血糖」、(2)「メタボ」、(3)「脂質」の順に高い。また、女性では(1)「メタボ」が最も高く、次いで、(2)「血糖」、(3)「脂質」の順となっている。

 なお、ここで言う生活習慣病は、▽糖尿病、▽脳血管障害、▽虚血性心疾患、▽高血圧症、▽高尿酸血症、▽高脂血症、▽肝機能障害、▽高血圧性腎臓障害、▽人工透析をさす。
図 リスク有無別の総医療費に占める生活習慣病医療費の割合(医科入院外)
特定保健指導を受けた人の方が、受けていない人に比べて医療費が低い
 保健指導を受けた人と受けていない人で1人当たり医療費を比較すると、「特定保健指導を受けた人の方が、受けていない人に比べて医療費が低い」傾向にあることが判明した。

 下のグラフは、特定保健指導実施の有無による医科入院外の1人当たり医療費を比較したもの。男性では、特定保健指導実施者 4,985円に対して、未実施者 7,798円となっており、未実施者のほうが高い。また、各年齢階層を比較しても未実施者のほうが高い傾向がみられる。

 女性でも、特定保健指導実施者 6,910円に対して、未実施者 7,488円となっており、やはり未実施者のほうが高い傾向にある。
図 特定保健指導実施有無別の1人当たり医療費(医科入院外)
 医療保険者には、特定健診と診療報酬明細書(レセプト)のデータを突き合わせて分析し、被保険者の健康リスクを層別化することを通じて、効率的で効果的な保健事業につなげる「データヘルス」の実行が求められている。

 厚生労働省が推進するデータヘルス計画の第1期は2015年度にはじまり、すべての健康保険組合がその実施を求められている。2016年度の予算案では「データヘルスの効果的な取り組みの推進」のために8億7,000万円が計上された。健保連の今回の調査分析は、特定健診・特定保健指導と医療費との関連を探る上で有益だ。

健康保険組合連合会(健保連)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2017年10月23日
10代でも"スマホ老眼"が増加?―養護教諭対象のアンケートで明らかに
2017年10月19日
【追加募集決定!】「糖をはかる日」クッキングセミナー
2017年10月18日
「買物弱者」問題は深刻 700万人に増加 対策事業の半数以上が赤字
2017年10月18日
脳の健康を保つための「ライフ シンプル 7」 認知症は予防できる
2017年10月18日
結婚生活が安定すると男性の肥満や健康状態は改善 夫婦仲が健康に影響
2017年10月18日
心・脳血管疾患に注意 3人に1人が「発症前に知っていたら」と後悔
2017年10月18日
1回の採血で「4年以内の糖尿病発症リスク」を判定 アミノ酸バランスに着目
2017年10月18日
在宅介護高齢者の4人に1人が睡眠薬を使用 ケアマネジャー「見直し必要」
2017年10月17日
【アンケート協力のお願い】第3期特定健診・特定保健指導の改正内容について(保健指導従事者実態調査)
2017年10月12日
30代後半女性の体力が最低に 高齢者は過去最高 体力・運動能力調査

最新ニュース

2017年10月23日
10代でも"スマホ老眼"が増加?―養護教諭対象のアンケートで明らかに
2017年10月20日
【健やか21】養護教諭225名へのアンケート「生徒の"スマホ老眼"が増加」
2017年10月19日
【追加募集決定!】「糖をはかる日」クッキングセミナー
2017年10月19日
賞金5万円「全国生活習慣病予防月間2018」川柳とイラストを募集
2017年10月18日
「買物弱者」問題は深刻 700万人に増加 対策事業の半数以上が赤字
2017年10月18日
脳の健康を保つための「ライフ シンプル 7」 認知症は予防できる
2017年10月18日
結婚生活が安定すると男性の肥満や健康状態は改善 夫婦仲が健康に影響
2017年10月18日
心・脳血管疾患に注意 3人に1人が「発症前に知っていたら」と後悔
2017年10月18日
1回の採血で「4年以内の糖尿病発症リスク」を判定 アミノ酸バランスに着目
2017年10月18日
在宅介護高齢者の4人に1人が睡眠薬を使用 ケアマネジャー「見直し必要」
2017年10月17日
【アンケート協力のお願い】第3期特定健診・特定保健指導の改正内容について(保健指導従事者実態調査)
2017年10月17日
【生活習慣病予防月間2018】インスタグラムキャンペーン 「少食ごはん」 募集中!
2017年10月16日
【HAMIQ】医療機関・介護機関の皆様へ~会員募集中~
2017年10月13日
【連載更新】高齢者の外出、移動の問題を考える No.3
2017年10月12日
30代後半女性の体力が最低に 高齢者は過去最高 体力・運動能力調査
2017年10月12日
「薬剤耐性」(AMR)問題を知ろう AMR対策アクションプランで啓発を開始
2017年10月12日
【健やか21】孫育てのススメ(祖父母手帳)の発行(鳥取県)
2017年10月12日
禁煙治療のアプリを開発 空白期間をフォロー 日本初の治験を開始
2017年10月12日
妊娠中うつ症状の発症に食事パターンが影響 「日本型」では発症が少ない
2017年10月11日
厚労省が過労死等防止対策白書を公表~現状や調査研究結果を報告
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を食事と運動で改善 「糖をはかる日」講演会(1)
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を薬物療法で改善 「糖をはかる日」講演会(2)
2017年10月06日
【健やか21】0歳児身長が伸びやすい季節は夏(育児ビッグデータ解析より)
2017年10月05日
【連載更新】心とからだにかかわる専門職の人材育成/スーパー売り場での気づきから開業保健師へ
2017年10月04日
10月は「乳がん啓発月間」 定期的なマンモグラフィ検診は効果的
2017年10月03日
妻が肥満だと夫は糖尿病になりやすい 家族対象の保健指導が効果的
2017年10月03日
「低カロリー食」で老化を防げて寿命も延びる 腹八分目で若返ろう
2017年10月03日
うつ病のリスクは魚を食べると減少 「n-3系脂肪酸」の予防効果
2017年10月03日
医療費抑制 27%が「患者の負担増」に理解 65歳以上でも3割 健保連調査
2017年10月03日
スニーカー通勤でウォーキング スポーツ庁「FUN+WALK PROJECT」
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,501 人(2017年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶