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高齢者が運転をやめると健康状態が低下 抑うつリスクが2倍に上昇
2016.02.24
 高齢者が車の運転をやめると、抑うつ症状になったり、身体能力が低下するリスクが高くなる――そんな調査結果を米国のコロンビア大学などの研究チームが発表した。
高齢者が運転をやめると精神・身体状態が悪化
 高齢者が車の運転をやめると、健康状態が低下する可能性があることが、新たな研究で明らかにされた。精神・身体の健康状態が悪化し、運転がさらに難しくなるという悪循環に陥るおそれがあるという。

 米コロンビア大学などの研究チームは、高齢者が運転を中止したときの健康状態の変化について調査した16件の論文を分析。12件が米国、2件がオーストラリア、2件がフィンランドとクウェートの研究だった。14件の論文は65~75歳以上のドライバーを対象に、2件は55歳以上を対象に調査された。

 その結果、高齢者が運転をやめると、抑うつ症状になるリスクが1.9倍に上昇することが判明した。運転をやめた高齢者は、社会的な孤立を感じて気分が落ち込んだり、運動量が低下して身体の健康状態が悪化しやすくなるという。

 運動をやめた高齢者では、家族や知人との間の社会的ネットワークが51%縮小し、療養施設や介護施設などに引きこもるリスクが5倍に上昇することも示された。

 「多くの高齢者にとって車の運転は生活をコントロールする手段になっています。運転により可動性を確保することは、考えられている以上に重要です」と、コロンビア大学公衆衛生学部のグオユア リー氏は言う。

 「多くの高齢者にとって車の運転は日常生活に必要なだけでなく、独立心や自由を象徴する行為です。高齢者が運転を制限されると、車で遠出する代わりに屋内や家の近くで活動するようになり、社会的な活動やボランティア活動への参加が制限され、身体活動にも悪影響が出てきます」と、同学部のセルマ ミレンズ氏は言う。
高齢者が自立的に生活できるよう個別化された配慮が必要
 欧米では65歳以上の高齢者の8割以上が運転ライセンスをもち、運転を続けている。しかし、年齢が上昇するにつれて認知機能や身体機能が低下し、運転が困難になっている高齢者も多い。結果として、多くの高齢者が運転する頻度を減らすか、運転をやめることになる。

 日本でも昨年6月に道路交通法が改正され、認知症のおそれのある75歳以上のドライバーを対象に医師の診察が義務付けた。記憶力や判断力が低下していると判定された高齢者は免許が取り消されることがある。

 一方で、地方では鉄道やバスなど公共交通機関が少なく、車での移動が欠かせない。免許取り消しによって高齢者が外出の手段を失うおそれがあり、移動手段を確保する対策が求められている。

 「高齢者が自立的に運転できる期間を延ばすための対策が必要です。高齢者が運転をできなくなった場合にも、社会的な可動性と機能性が低下しないように個別化された十分な配慮をする必要があります」とリー氏は指摘している。

 研究は米国老年医学会が発行する医学誌「Journal of the American Geriatrics Society」オンライン版に発表された。

Health Goes Downhill When Older Adults Stop Driving(コロンビア大学 2016年1月26日)
Driving Cessation and Health Outcomes in Older Adults(Journal of the American Geriatrics Society 2016年2月)
(Terahata)
©2017 日本医療・健康情報研究所. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

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