ニュース

高齢者が運転をやめると健康状態が低下 抑うつリスクが2倍に上昇

 高齢者が車の運転をやめると、抑うつ症状になったり、身体能力が低下するリスクが高くなる――そんな調査結果を米国のコロンビア大学などの研究チームが発表した。
高齢者が運転をやめると精神・身体状態が悪化
 高齢者が車の運転をやめると、健康状態が低下する可能性があることが、新たな研究で明らかにされた。精神・身体の健康状態が悪化し、運転がさらに難しくなるという悪循環に陥るおそれがあるという。

 米コロンビア大学などの研究チームは、高齢者が運転を中止したときの健康状態の変化について調査した16件の論文を分析。12件が米国、2件がオーストラリア、2件がフィンランドとクウェートの研究だった。14件の論文は65~75歳以上のドライバーを対象に、2件は55歳以上を対象に調査された。

 その結果、高齢者が運転をやめると、抑うつ症状になるリスクが1.9倍に上昇することが判明した。運転をやめた高齢者は、社会的な孤立を感じて気分が落ち込んだり、運動量が低下して身体の健康状態が悪化しやすくなるという。

 運動をやめた高齢者では、家族や知人との間の社会的ネットワークが51%縮小し、療養施設や介護施設などに引きこもるリスクが5倍に上昇することも示された。

 「多くの高齢者にとって車の運転は生活をコントロールする手段になっています。運転により可動性を確保することは、考えられている以上に重要です」と、コロンビア大学公衆衛生学部のグオユア リー氏は言う。

 「多くの高齢者にとって車の運転は日常生活に必要なだけでなく、独立心や自由を象徴する行為です。高齢者が運転を制限されると、車で遠出する代わりに屋内や家の近くで活動するようになり、社会的な活動やボランティア活動への参加が制限され、身体活動にも悪影響が出てきます」と、同学部のセルマ ミレンズ氏は言う。
高齢者が自立的に生活できるよう個別化された配慮が必要
 欧米では65歳以上の高齢者の8割以上が運転ライセンスをもち、運転を続けている。しかし、年齢が上昇するにつれて認知機能や身体機能が低下し、運転が困難になっている高齢者も多い。結果として、多くの高齢者が運転する頻度を減らすか、運転をやめることになる。

 日本でも昨年6月に道路交通法が改正され、認知症のおそれのある75歳以上のドライバーを対象に医師の診察が義務付けた。記憶力や判断力が低下していると判定された高齢者は免許が取り消されることがある。

 一方で、地方では鉄道やバスなど公共交通機関が少なく、車での移動が欠かせない。免許取り消しによって高齢者が外出の手段を失うおそれがあり、移動手段を確保する対策が求められている。

 「高齢者が自立的に運転できる期間を延ばすための対策が必要です。高齢者が運転をできなくなった場合にも、社会的な可動性と機能性が低下しないように個別化された十分な配慮をする必要があります」とリー氏は指摘している。

 研究は米国老年医学会が発行する医学誌「Journal of the American Geriatrics Society」オンライン版に発表された。

Health Goes Downhill When Older Adults Stop Driving(コロンビア大学 2016年1月26日)
Driving Cessation and Health Outcomes in Older Adults(Journal of the American Geriatrics Society 2016年2月)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2018年01月18日
「社会的つながり」が多いと認知症リスクが46%低下 国立長寿センター
2018年01月18日
たばこが原因で103万人が病気に 医療費は1.5兆円 受動喫煙では3200億円
2018年01月18日
犬・猫からの感染症「コリネバクテリウム・ウルセランス」 死亡例も
2018年01月17日
ヘルスケア領域のソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集を作成~日本総研
2018年01月11日
糖尿病3分間ラーニング、いま話題の〈血糖トレンド編〉公開
2018年01月11日
「特定保健指導」を受けると医療費が2割安く 全ての年齢階級で有意差
2018年01月11日
乳児には大人との身体接触が必要 社会的な絆を強め脳の発達に影響
2018年01月11日
腕帯の要らない「カフレス」血圧測定を開発 血圧変化を「見える化」
2018年01月11日
管理栄養士の9割が「おやつを食べる」 食べたときは次の食事で調整
2018年01月10日
【参加者募集】 乳がんサバイバーの婚活セミナー@横浜「この経験を、恋愛・婚活・結婚生活にどう活かすか?」

最新ニュース

2018年01月19日
災害時の栄養バランスを考える「大震災を生き抜くための食事学」(第23回日本災害医学会ランチョンセミナー)
2018年01月18日
高齢者独居が4人に1人に 進む未婚・少子化 日本の世帯数の将来推計
2018年01月18日
「社会的つながり」が多いと認知症リスクが46%低下 国立長寿センター
2018年01月18日
たばこが原因で103万人が病気に 医療費は1.5兆円 受動喫煙では3200億円
2018年01月18日
ネットゲーム依存は「ゲーム障害」 WHO「国際疾病分類」に掲載
2018年01月18日
犬・猫からの感染症「コリネバクテリウム・ウルセランス」 死亡例も
2018年01月17日
【書籍プレゼント】『「はたらく」を支える!女性のメンタルヘルス』を2名様にプレゼント
2018年01月17日
ヘルスケア領域のソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集を作成~日本総研
2018年01月16日
コンビニの食品選びを伝授! 「コンビニごはんガイド」4種
2018年01月15日
東京都が「感染症対応力向上プロジェクト」の参加企業を募集
2018年01月12日
【健やか21】母子保健に関する活動をしている応援メンバー募集中!
2018年01月11日
糖尿病3分間ラーニング、いま話題の〈血糖トレンド編〉公開
2018年01月11日
「特定保健指導」を受けると医療費が2割安く 全ての年齢階級で有意差
2018年01月11日
緑色の葉物野菜を毎日食べると認知能力の衰えを抑えられる
2018年01月11日
乳児には大人との身体接触が必要 社会的な絆を強め脳の発達に影響
2018年01月11日
腕帯の要らない「カフレス」血圧測定を開発 血圧変化を「見える化」
2018年01月11日
管理栄養士の9割が「おやつを食べる」 食べたときは次の食事で調整
2018年01月10日
【参加者募集】 乳がんサバイバーの婚活セミナー@横浜「この経験を、恋愛・婚活・結婚生活にどう活かすか?」
2018年01月09日
大人の風しん抗体検査とワクチン接種を呼びかけ~東京都福祉保健局
2018年01月05日
[ 2/7 市民公開講演会参加者募集中!] 全国生活習慣病予防月間2018
2018年01月05日
産業保健に特化 「働く人のための健康づくりシリーズ」10教材を紹介
2018年01月04日
オピニオン 2017年にスタートした連載まとめ
2018年01月04日
2017年ニュース記事 Top10
2018年01月04日
「第2期データヘルスに向けて 今求められるコラボヘルス」へるすあっぷ21 1月号
2017年12月28日
【健やか21】7言語による動画『外国人住民のための日本の子育てシリーズ』
2017年12月27日
【健康啓発4コマ漫画】サンプル「スルフォラファン」「男性の乳がん」
2017年12月25日
年末年始の海外旅行前や帰国後に活用を!東京都の感染症予防ガイド
2017年12月21日
特定健診の実施率は50.1% 保健指導は17.5% ともに目標達成は困難
2017年12月21日
産業医の8割が「メンタルヘルス不調・過労対応に自信がない」
2017年12月21日
「電子たばこ」は禁煙の成功率を低下させる 禁煙治療を遠ざけるおそれ
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,740 人(2018年01月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶