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アルコール健康障害対策推進基本計画案を了承 ~全都道府県でも策定へ

 内閣府の第14回アルコール健康障害対策関係者会議が2月10日、東京都内で開かれ、アルコール健康障害対策推進基本計画案を了承した。地域における着実な推進を図るため、全都道府県において都道府県計画が策定されることも促していく。

 多量のアルコールを飲み続けることは健康障害だけでなく、社会的にもさまざまな問題を引き起こす可能性があることから、社会全体の問題ととらえて必要な知識や医療、回復のための支援を講じる必要がある。そのため2014年6月には「アルコール健康障害対策基本法」が施行され、同法を総合的かつ計画的に推進するために「アルコール健康障害対策推進基本計画」を策定することとして同会議が検討を重ねていた。

 アルコール健康障害対策基本計画は、「第1期アルコール健康障害対策推進基本計画」とし、平成28年度から32年度まで概ね5年間を対象としている。

 基本的な方向性は以下の通り。

・正しい知識の普及及び不適切な飲酒を防止する社会づくり
・誰もが相談できる相談場所と、必要な支援につなげる相談支援体制づくり
・医療における質の向上と連携の促進
・アルコール依存症者が円滑に回復、社会復帰するための社会づくり

重点課題
 第1期基本計画で取り組むべき重点課題として2点を挙げ、まず「飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底し、将来にわたるアルコール健康障害の発生を予防」では、未成年者や妊産婦、若い世代といった特に配慮を要するものに対する教育や啓発に力を入れる。

 これは、▽未成年者の飲酒が法律で禁止されているにも関わらずゼロにはなっていない▽妊娠中の飲酒は胎児性アルコール症候群や発達障害を引き起こすことが指摘されているのに、妊娠判明時点で飲酒していた者の約半数が妊娠中も飲酒を継続している▽急性アルコール中毒による救急搬送は20代~30代に集中しており、飲酒量の限界が分からないことなどからリスクが高い―といった背景がある。

 同時に、アルコール依存症の初期症状や兆候についての知識も広く普及させ、特に近年、増えているとされる女性や高齢者の依存症対策や支援にも力を入れる。

具体的な目標としては、
(1)生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合を、男性13.0%、女性6.4%まで減少させる
(2)未成年者の飲酒をなくす
(3)妊娠中の飲酒をなくす
を設定する。

 もう一つの重点課題は「アルコール健康障害に関する予防及び相談から治療、回復支援に至る切れ目のない支援体制の整備」で、以下の項目を挙げている。

(1)アルコール健康障害への早期介入
(2)地域における相談拠点の明確化
(3)アルコール健康障害を有している者とその家族を、相談、治療、回復支援につなぐための連携体制の推進
(4)アルコール依存症の治療等の拠点となる専門医療機関の整備

 第1期基本計画中の目標としては、すべての都道府県に「地域における相談拠点」と「アルコール依存症に対する適切な医療を提供することができる専門医療機関」がそれぞれ1か所以上定められることと設定した。

基本的施策
(1)教育の振興等:飲酒に伴うリスクに関する知識およびアルコール依存症は精神疾患であり、治療によって回復するという認識を学校教育や職場教育の推進などで普及させる

(2)不適切な飲酒の誘引の防止:国、地方公共団体及び酒類関係事業者が連携し、社会全体で、未成年者や妊産婦など飲酒すべきではない人への不適切な飲酒の誘因を防止する

(3)健康診断及び保健指導:アルコール健康障害に関する調査研究や地域におけるアルコール健康障害への早期介入の推進などを行う

(4)アルコール健康障害に係る医療の充実等:アルコール依存症の当事者が、その居住する地域に関わらず質の高い医療を受けられるよう、専門医療機関の機能を明確化する。また地域において必要な専門医療機関の整備、医療機関の連携が推進できる基盤の構築を行う

(5)アルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等:精神保健福祉センターや保健所等を中心とした地域の関係機関の連携で、飲酒運転などをした者やその家族を適切に支援する体制を構築する

(6)相談支援等:相談から治療、回復支援に関係する機関の情報共有と連携の促進を図ることにより地域において、アルコール健康障害を有している者とその家族が適切な支援を受けられる体制を構築する

(7)社会復帰の支援:アルコール依存症が回復する病気であること等のアルコール依存症者に対する理解を進め、就労や復職における必要な支援を行うこととともに、地域における自助グループや回復施設と情報共有や必要な連携を行うことで円滑な社会復帰を促進する

(8)民間間団体の活動に関する支援

(9)人材の確保等

(10)調査研究の推進等

都道府県における都道府県アルコール健康障害対策推進計画の策定等
 第1期基本計画は政府として基本的な取り組みを定める計画だが、地域におけるアルコール健康障害対策の着実な推進を図るには地域としての一体的なアルコール健康障害対策への取り組みが必要となる。このため第1期基本計画の期間中に、全都道府県において都道府県計画が策定されることを目標としていく。都道府県計画の策定にあたっては専門的知識を有する人や、アルコール健康障害を有している本人や家族などから意見を聞いて地域における課題を把握し、解決に向けた施策を明示することが求められている。

第14回アルコール健康障害対策関係者会議

[yoshioka]

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