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議論の整理案を提示 ~子どもの医療制度の在り方等に関する検討会
2016.03.10
 厚生労働省の「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」第4回会合がこのほど開かれ「これまでの議論の整理」(案)などを提示。子どもの医療費助成を行う市町村に対して実施されている国保の国庫負担金減額調整を廃止するかどうか、といった点などについて議論が深められた。

 同検討会は受診状況や提供体制など「子どもの医療に関する現状」をふまえながら、子どもの医療のかかり方や医療提供体制、医療の自己負担の在り方、国保の国庫負担の在り方などを審議するために設置されている。

 今回の会合で提示された「議論の整理」(案)は「子どもの医療のかかり方」、「子どもの医療の提供体制」、「子どもの医療に関わる制度」の3項目に分けてこれまでの意見を集約したもの。

 医療保険各法における自己負担割合(70歳未満)は原則3割だが、義務教育就学前は2割と軽減されている。一方ですべての自治体では、乳幼児を中心に子どもを対象とした医療費助成制度を独自に設定。対象年齢や一部負担の有無などで制度の違いがみられ、子どもの医療費減免を子育て世帯の人口減少対策につなげている自治体も多い。

 このような子どもの医療費負担減免に関する地方単独事業について、「議論の整理」(案)では「自治体間で拡大競争がなされている」との指摘に伴い「国として一定の線を引くべきできではないか」、「せめて未就学児については全国一律の制度としてどこに住んでいても同じであるべき」といった意見が列記されている。

 また一部自治体で行われている医療費無償化については「過剰診断などモラルハザードを生じうる」可能性があるとして、一部負担を徴収したり償還払いにしたりすべきだと指摘。一方で無償になっても、院内で感染症に罹患するリスクを考えれば安易な受診を控える保護者が多い、といった意見や、過剰受診にならないよう保護者を啓発・教育すればある程度は防げるのではないか、という声も紹介している。

 一般的には医療保険制度の給付率が低くなり、患者負担が増加すると受診日数が減少するため医療費の伸びが抑えられることが知られている。このような制度的な給付率の変更に伴い、医療費の水準が変化することを「長瀬効果」と呼んでいる。

 そのため地方単独事業で小児に対する医療費助成が行われていると、一般的に医療費は増加。この波及増分は広く国民全体で補うのではなく、制度を実施している地方自治体の負担とすべき、という観点から、子どもの医療給付費には自己負担の割合に応じた調整率で国庫負担額を算出し、減額調整を行っている。

 たとえば未就学児で通常2割の自己負担額を1割にした場合は0.9349、無償化にしている場合は0.8611という調整率が給付費に乗じられ、平成25年度の未就学児に対する減額調整額は1,395市町村で約79億円であった。

 このような制度の仕組みは、限られた財源を公平に配分するためには「適切である」という意見がある一方、地方自治体が行っている子どもの医療費助成は本来、国がやるべき少子化対策の一環であり、減額調整措置の廃止を求める声もある。

 そのため「議論の整理」(案)でも、「国として推し進める少子化対策に逆行」や「地方の取り組みに二重の負担を強いている」といった指摘に加え、「財政力の有無に関わらず全国的に子どもの医療費助成が行われていることから、減額調整措置を廃止すべき」といった意見を列記。一方で、国が進めている財政再建計画全体と整合性を図りながら減額調整措置の在り方について考えていく必要がある、ともしている。

 ほかにも会合では、子どもの医療費助成を償還払いで実施している8県と現物給付都道府県との受診率の比較や、高校卒業まで無償化にした場合の医療保険の給付費は最大で8400億円の増加になる、との試算結果などもふまえ、さまざまな議論を行った。同検討会ではさらに議論を深め、今春の取りまとめを目指していく方針。

第4回子どもの医療制度の在り方等に関する検討会

(yoshioka)
©2017 日本医療・健康情報研究所. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

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