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睡眠時無呼吸を治療しても体重が増える 保健指導を行わないと効果なし

 肥満により睡眠時無呼吸症候群になりやすくなることが知られているが、治療によってさらに体重が増えやすくなることが京都大学の研究で分かった。保健指導を併せて実施する必要性が示された。

睡眠時無呼吸を治療しても体重コントロールに悩む患者が多い
 睡眠時無呼吸症候群には、持続性陽圧気道(CPAP)による治療が有効とされている。現在、日本には300~500万人の睡眠時無呼吸症候群患者がいると推定されており、CPAP治療患者は約40万人。そのうち6~7割は肥満あるいは過体重だ。

 体重を適正に管理する必要があることは明らかだが、最近の研究では、睡眠時無呼吸がCPAPで良くなった後も体重のコントロールに悩む患者が少なくないことが分かってきた。

 そこで、京都大学の研究チームは、睡眠時無呼吸症候群と診断された63人(平均年齢60.8歳)の患者を対象にCPAP治療を行った後、3ヵ月間追跡して調査した。

 治療前後でのエネルギーバランスの変化と、それに関係する因子について総合的な検討を行なった。その結果、交感神経活動の低下などにより、治療後に基礎代謝が約5%低下し、エネルギー消費量が減る、つまり「省エネ体質」になることが判明した。

 基礎代謝量が減っているにもかかわらず、治療後の身体活動量が変わらない場合、食事で同じエネルギー量を摂取していると、容易に体重が増えてしまう。
食生活についての保健指導を治療前に実施することが重要
 研究チームが食行動を7つのカテゴリーで評価し、体重が増える患者と増えない患者とを比較したところ、食行動が乱れている人は過食から体重増加を起こしやすく、食生活・食行動の改善を伴っていた人では体重が増えないことが判明した。
 こうした体重増加は禁煙治療後にもあらわれる。禁煙後に体重が増える原因は、ニコチンを絶つことにより食欲が亢進し、基礎代謝が5~10%低下することだ。

 「"体が楽になった分だけ余分なエネルギー消費がなくなった"という見方をすれば、CPAP後の体重増加を必ずしもネガティブに捉える必要はありません」と、研究チームは述べている。

 「CPAP治療前に、患者に体重が増える場合があることを伝え、生活習慣の改善指導を併せて行うことが必要です。体重増加を防ぐために、特に食生活に気を配ることが大切です」と指摘している。

 今回の研究は、京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の立川良氏と同研究科呼吸管理睡眠制御学講座の陳和夫特定教授らが、同研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学の池田香織特定助教が共同で行ったもので、医学誌「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」オンライン版に発表された。

京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
Changes in Energy Metabolism After Continuous Positive Airway Pressure for Obstructive Sleep Apnea(American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(2016年3月1日)
[Terahata]

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