ニュース

妊娠11週以下の妊娠届出率が過去最高に ~地域保健・健康増進事業報告

 厚生労働省はこのほど、平成26年度「地域保健・健康増進事業報告」の結果を取りまとめ、公表した。全国の保健所および市区町村から報告のあった保険施策の状況が明らかにされ、妊娠11週以下の妊娠届出率が集計以来、最も高い値となるなど特筆すべき部分もみられた。

 「地域保健・健康増進事業報告」は地域住民の健康の保持や増進のため、保健所や市区町村が行う保険施策について把握した情報を掲載したもの。国や地方公共団体が地域保健施策を効率的・効果的に推進するための基礎資料を得ることを目的に毎年、とりまとめられている。

 主な報告事項は母子保健、健康増進、歯科保健などの「地域保健事業」と、健康手帳の交付や健康診査などの「健康増進事業」。

 このうち、「地域保健」編の母子保健分野では「妊娠届出の状況」で、「満11週(第3月)以内」に届出をした人が989,201人(91.9%)と平成15年度の集計以来、最も高くなった。


*画像をクリックすると大きいサイズでご覧いただけます。

 国の母子保健推進のための国民運動「健やか親子21」でも、「妊娠11週以下での妊娠届出率」を参考指標として取り上げており、さらなる届け出数の向上が期待されている。

 また「常勤保健師の配置状況」では、平成26年度末の保健所及び市区町村における人口10万人あたりの常勤保健師数は「全国」では19.5人。都道府県別にみると「島根県」が40.2人と最も多く、次いで「高知県」37.5人、「山梨県」35.0人となっている。一方で、最少だったのは「東京都」で10.5人となり、最大の島根県とは4倍近い格差がみられた。いずれの自治体でも保健師の需要は高まっており、厚生労働省は継続的に保健師を確保し、適切に配置するよう求めていく。

 一方、「健康推進」編では、健康診査の受信者の状況や健康教育や相談の普及状況、がん検診や肝炎検診の状況などについての調査結果を掲載。

 このうち、平成26年度に市区町村が実施した肝炎ウイルス検診の受診者数は、「B型肝炎ウイルス検診」919,362人、「C型肝炎ウイルス検診」917,794人。B型肝炎ウイルス検診で「陽性」と判定された人は6,817人、C型肝炎ウイルス健診において「現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高い」と判定された人は3,687人だった。肝炎対策で導入された個別勧奨メニューなどが影響し、受診率の向上や早期発見につながっている。

厚生労働省 平成26年度地域保健・健康増進事業報告の概況
[yoshioka]
side_メルマガバナー

「地域保健」に関するニュース

2023年08月28日
極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
2023年08月28日
カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
2023年08月28日
わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発
2023年08月28日
週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
2023年08月28日
高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
2023年08月21日
肥満やメタボが「腰痛」を引き起こす コロナ禍でさらに増加 「腰痛」を改善する運動は?
2023年08月21日
朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
2023年08月21日
アルコールが高血圧の原因に 飲酒量が少ない人も血圧が上昇 2万人弱を調査
2023年08月21日
ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
2023年08月21日
「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶