ニュース

腹囲が基準未満でも特定保健指導の対象に 「非肥満保健指導」を検討

 厚生労働省は5月17日に、「第7回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」(座長:永井良三・自治医科大学長)を開催した。腹囲が基準値未満でも高血圧や脂質異常などで心血管疾患を発症するリスクの高い、いわゆる「隠れメタボ」の人を、新たに設ける「非肥満保健指導」の対象とすることを決めた。
腹囲が基準値以下でも脳卒中や心筋梗塞のリスクは上昇
 厚労省研究班(研究代表者:門脇孝・東京大大学院教授)による調査では、高血圧や脂質異常、高血糖値などのリスク要因が多いと、腹囲が基準値以下でも脳卒中や心筋梗塞を発症する確率が高くなることが判明。このため腹囲でまず選別するのではなく、リスク要因の有無で判断することの必要性が指摘された。

 新しい特定健診では、「血圧高値」「脂質異常」「耐糖能異常」のリスクが集積しており、腹囲が基準値未満の人を「非肥満保健指導」の対象とする。2018年度から実施される見通しだ。

 尿検査や肝機能検査など、保健指導対象者の選定に用いられない項目や、導入が見送られている血清尿酸や血清クレアチニンなどの項目についても検討する。
内臓脂肪に着目した保健指導の効果は認める
 あわせて開催されている「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」では、腹囲について、肥満者では内臓脂肪の蓄積が危険因子を増加させる主たる原因であり、腹囲は内臓脂肪の減少をはかる特定保健指導の対象者を効率的に抽出する簡易な手法であることが確認されている。

 ただし、腹囲が基準以上であれば必ず内臓脂肪の蓄積があるわけではなく、また、腹囲が基準以下であっても内臓脂肪の蓄積がある場合がある。非肥満者で危険因子を保有する人に対しても、危険因子を増大させている原因を特定し、介入可能な方法を検討する必要があることが示された。

 さらに、検討会では具体的な検査項目について、主に次のことが検討されている。

脂質について
・ 中性脂肪は随時採血であっても虚血性心疾患や脳血管疾患の発症予測能があり、健診項目として活用可能である。
・ non-HDLコレステロールを保健指導対象者の選定に用いる(空腹時採血であればフリードワルド式で算出される LDL コレステロールも使用可)。
・ LDLコレステロール直接測定法を健診項目から廃止し、総コレステロールを健診項目へ追加する。

肝機能について
・ 肝機能検査は肝機能障害の重症化を早期に評価するための検査である。
・ 特に、虚血性心疾患や脳血管疾患等の発症予測能の低い AST(GOT)は、特定健康診査の健診項目からは廃止することも可能とする。
・ 肝機能検査を実施すべき対象者、検査間隔等は改めて検討する。

代謝系について
・ 随時血糖でも虚血性心疾患や脳血管疾患の発症予測能があり、健診項目として活用可能である。
・ 尿糖は健診項目から廃止することも可能とする。

尿腎機能について
・ 尿腎機能検査は腎機能障害の重症化を早期に評価するための検査である。
・ 尿腎機能検査は「基本的な項目」から「詳細な健診の項目」へと位置づけを整理し、検査の対象者を明確とした上で実施することとする。
・ 尿腎機能検査の検査項目、実施すべき対象者、検査間隔等は改めて検討する。

第7回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会(厚生労働省 2016年5月11日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2018年02月15日
「たばこ規制」をどうする? 多方面で厚労省の法改正素案に反対の声
2018年02月15日
「足の冷え」「むくみ」は血管の老化が原因 足の動脈硬化を改善
2018年02月15日
人工知能(AI)で「胃がん」を早期発見 98%の精度で「熟練医に匹敵」
2018年02月15日
日本発のバイオマーカー 尿中L-FABPを活用した腎疾患管理
2018年02月14日
【全国生活習慣病予防月間講演会レポート】「生活習慣病」と「がん」その予防に共通するキーワードは?
2018年02月09日
花粉症予防アプリ「アレルサーチ」で発症要因解明と予防の啓もうを(順天堂大学)
2018年02月07日
気温差が大きいと「脳卒中」のリスクが上昇 季節の変わり目に注意
2018年02月07日
「時間栄養学」の新たな発見 食事のタンパク質が「体内時計」を調整
2018年02月07日
アルツハイマー病を簡単に検査できる技術を開発 わずか0.5ccの血液で判別
2018年01月31日
子宮頸がんワクチンの有効性を強調「理解と判断を」 厚労省がリーフレット

最新ニュース

2018年02月19日
妊娠子育て期の女性に医師・管理栄養士伴走による遠隔指導研究を開始
2018年02月19日
【健やか21】約100名の女子大生・女子高生と"女性の健康"を考えるイベント
2018年02月15日
「たばこ規制」をどうする? 多方面で厚労省の法改正素案に反対の声
2018年02月15日
「足の冷え」「むくみ」は血管の老化が原因 足の動脈硬化を改善
2018年02月15日
人工知能(AI)で「胃がん」を早期発見 98%の精度で「熟練医に匹敵」
2018年02月15日
喫煙と飲酒が口腔・咽頭がんのリスクを上昇 たばこ、お酒でリスクは4倍に
2018年02月15日
日本発のバイオマーカー 尿中L-FABPを活用した腎疾患管理
2018年02月14日
【全国生活習慣病予防月間講演会レポート】「生活習慣病」と「がん」その予防に共通するキーワードは?
2018年02月11日
【健やか21】平成29年度「子ども予防接種週間」の実施について
2018年02月09日
花粉症予防アプリ「アレルサーチ」で発症要因解明と予防の啓もうを(順天堂大学)
2018年02月08日
「おにぎりダイエット」で体重が減少 ご飯と運動で腹囲は減らせる
2018年02月07日
いま知っておきたい「花粉症」対策 最新の治療で上手に乗り切ろう
2018年02月07日
気温差が大きいと「脳卒中」のリスクが上昇 季節の変わり目に注意
2018年02月07日
「時間栄養学」の新たな発見 食事のタンパク質が「体内時計」を調整
2018年02月07日
アルツハイマー病を簡単に検査できる技術を開発 わずか0.5ccの血液で判別
2018年02月06日
「働く女性の健康~今日的な課題への対応~」へるすあっぷ21 2月号
2018年02月05日
【健やか21】平成30年度「児童福祉週間」の標語が決定しました!
2018年02月05日
健康寿命日本一を目指す大分県、県民総ぐるみの健康づくりを軌道に
2018年01月31日
子宮頸がんワクチンの有効性を強調「理解と判断を」 厚労省がリーフレット
2018年01月31日
特定保健指導の効果を「ビッグデータ」で検証 3年後にメタボが31%減少
2018年01月31日
国立がん研究センターとヤフーが連携 検索で「がん情報サービス」を表示
2018年01月31日
楽しくできる「インターバル運動」で脳を活性化 体力が低下した人にも有用
2018年01月31日
大豆イソフラボンが「サルコペニア」を軽減 筋肉細胞の減少を抑える効果
2018年01月29日
【健やか21】 自治体・企業・NPO「子育て支援連携事業」全国会議開催
2018年01月29日
糖尿病予備群にIoT活用による健康改善の介入研究を開始~国立国際医療研究センターなど
2018年01月26日
野菜から食べて30回噛む~長野市「ベジライフ宣言」で生活習慣病予防
2018年01月25日
自殺予防を地域で強化 自治体向け「自殺対策計画」ガイドライン策定
2018年01月25日
妊娠期に魚を食べた女性で「抑うつ」が減少 DHAとEPAは女性に有用
2018年01月25日
「男のストレス」ががんリスクを高める 肝臓がんは33%上昇
2018年01月25日
乳がんの死亡率が半分に減少 専門家は「乳がん検診」の重要さを強調
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,852 人(2018年02月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶