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がん治療と仕事の両立 60%超が「環境が整っていない」 内閣府調査

 がんの治療をしながら働く人が約33万人に上る中、64.5%が「治療と仕事が両立できる環境が整っていない」と考えていることが、内閣府の世論調査で明らかになった。
 半数以上が「病気の治療や通院のために短時間勤務を活用できること」を望んでいる。
がん治療と仕事の両立は困難 2週間に1度の通院は難しい
 内閣府は「がん対策に関する世論調査」を発表した。調査は2016年11月に全国の18歳以上の男女3,000人を対象に面接で実施。回収率は60.5%だった。

 がんの治療や検査のために2週間に1度程度医療機関に通う必要がある場合、現在の日本は働きつづけられる環境になっているかという質問に対して、「そう思わない」とした人の割合は64.5%で、「そう思う」(27.9%)を大幅に上回った。特に女性は66.9%が「そう思わない」と回答している。

 2015年の前回調査より1.2ポイント減ったものの、がん治療と仕事の両立が依然困難とみられている実情が浮き彫りとなった。

 働き続けることを難しくさせているもっとも大きな理由は、「代わりに仕事をする人がいない、またはいても頼みにくい」(21.7%)、「職場が休むことを許してくれるかどうかわからない」(21.3%)、「がんの治療・検査と仕事の両立が体力的に困難」(19.9%)、「休むと収入が減ってしまう」(15.9%)、「がんの治療・検査と仕事の両立が精神的に困難」(12.8%)、「休むと職場での評価が下がる」(6.0%)の順に多かった。
 性別にみると、男性では「代わりに仕事する人がいない、またはいても頼みにくい」(24.8%)という回答が、女性では「がんの治療・検査と仕事の両立が精神的に困難」(15.3%)が多かった。

「短時間勤務」「柔軟な休暇制度」を望む声が多い
 働くことが可能で、働く意欲のあるがん患者が働き続けるようにするために、どのような取り組みが必要かという質問に対しては、「病気の治療や通院のために短時間勤務が活用できること」(52.6%)、「1時間単位の休暇や長期の休暇が取れるなど柔軟な休暇制度」(46.0%)、「在宅勤務を取り入れること」(38.6%)、「がん患者と産業医と主治医の連携」(35.3%)という回答が寄せられた(複数回答)。
 都市規模別にみると「短時間勤務を活用」は中都市で、「柔軟な休暇制度」は大都市で多く、女性では「柔軟な休暇制度」(50.2%)を望む声が多かった。
6割が「医療機関の整備」を望んでいる
 政府に望むがん対策としては、「がん医療に関わる医療機関の整備(拠点病院の充実など)」(61.5%)、「がんの早期発見(がん検診)」(56.3%)、「仕事を続けられるための相談・支援体制の整備」(49.6%)、「がんに関する専門的医療従事者の育成」(48.3%)を挙げる人が多かった(複数回答)。

 女性では「相談・支援体制の整備」(53.5%)、「がんに関する相談やその支援」(46.9%)、「緩和ケア」(44.3%)を望む声が多かった。
がん相談支援センターの認知は拡がっている
 がんと診断されたときに、どこで情報を入手しようと思うかという質問に対しては、「病院・診療所の医師・看護師や、がん相談支援センター以外の相談窓口」(68.6%)、「インターネット」(35.5%)、「家族・友人・知人」(33.4%)、「がん相談支援センター」(26.6%)という回答が多かった(複数回答)

 「がん相談支援センター」(がん診療連携拠点病院の相談窓口)について、どのようなことを聞きたいか聞いたところ、「治療費・保険など経済面について」(75.4%)、「がんの治療内容に関する一般的な情報」(74.3%)、「他の専門的な医療機関の情報」(40.2%)、「退院後の生活などの療養上の注意点」(39.5%)という回答が多かった(複数回答)。

 がん医療における緩和ケアとは、がんに伴う体と心の痛みを和らげること。緩和ケアについては「知っている」(65.3%)という回答が3分の2以上に上った。また、自身ががんと診断され場合に家族や友人など身近な人にがんのことを「自由に話せる」と考えている人が大多数に及んだ(88.0%)。

がん対策に関する世論調査(内閣府 2017年1月30日)
第64回がん対策推進協議会(厚生労働省 2017年1月19日)
[Terahata]

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