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身長が低い妊婦ほど「妊娠高血圧症候群」のリスクが上昇 成育センター

 国立成育医療研究センターは、妊婦の身長と「妊娠高血圧症候群発症」のリスクとの間には関連があり、身長が低いほど発症リスクが高いことを日本産科婦人科学会のデータベースを使用した解析で明らかにしたと発表した。
日本産科婦人科学会のデータベースを使用
20万人超の妊娠データを解析
 「妊娠高血圧症候群」は、妊娠20週以降、産後12週までに発症する高血圧で、35歳以上で発症率が高くなり、40歳以上になるとさらに危険度が高まる。時に早産や胎児死亡の原因となる重篤な病態だ。

 これまで、妊娠高血圧症候群のリスク因子として、初産・多胎妊娠・肥満・妊娠高血圧症候群の既往など、さまざまな因子が報告されてきたが、妊婦の身長と妊娠高血圧の関連を調査した報告は少ない。

 国立成育医療研究センターの研究グループは、日本産科婦人科学会のデータベースを解析した結果、身長が低い妊婦ほど、妊娠高血圧症候群の発症頻度、分娩前に胎盤が剥離する「常位胎盤早期剥離」の発症頻度、そして分娩週数の平均体重よりも著しく小さい胎児が出生する「SGA」の発症頻度が高いことを突き止めた。

 一方、一般成人では低身長が将来の高血圧のリスクになることが知られており、同様の機序で、低身長が妊娠高血圧のリスクになる可能性があると研究グループは推測している。

 一般成人においては、低身長では将来の虚血性心疾患のリスクが高いとされていることから、妊婦においては虚血性胎盤疾患として分類される常位胎盤早期剥離とSGAのリスクも同様に高いのではないかと考えた。

 そこで研究グループは、日本産科婦人科学会のデータベースを利用。20万人超のデータを解析して関係を調査した。

妊婦へのリスクベネフィットを考えた取り組みを
 その結果、低身長の妊婦は妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、SGAのリスクが高いという仮説が実証された。この結果はさまざまな交絡因子の影響を除外しても同様で、初産婦でも経産婦でも、身長と妊娠高血圧症候群のリスクは有意な相関関係が認められた。

 さらにこの結果は、肥満体型でもやせ体型でも身長と妊娠高血圧症候群のリスクは有意な相関関係があるなど、妊娠歴・肥満度・年齢によらず同様の傾向を示すことも判明した。

 妊娠高血圧症候群のハイリスクを抱える妊婦には、低容量アスピリンの内服で発症が一部予防できることが知られているため、この治療を検討するなどの対策も考えられるという。

 「これらの疾患の発症は時に重篤な状態につながるため、低身長の妊婦には高次的な周産期医療を提供できる施設での出産を推奨すべきかもしれない」と、研究グループは指摘している。

 なお、この研究は疫学的に妊婦の身長と妊娠合併症とを検討したもので、すべての低身長妊婦が合併症を発症するわけではないという。

 これらの臨床的な取り組みはこれからの課題であり、妊婦自身へのリスクベネフィットを考えて今後議論していかなければならないと、研究グループは述べている。

 研究は、国立成育医療研究センター社会医学研究部の森崎菜穂室長、同産科の小川浩平医員らのグループによるもので、産科系雑誌「Pediatric Perinatal Epidemiology」に発表された。

国立成育医療研究センター
Association of shorter height with increased risk of Ischaemic Placental Disease(Paediatric and Perinatal Epidemiology 2017年3月20日)
[Terahata]

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