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厚労省「データヘルス改革」の工程表を発表 2019年までにシステム構築

 厚生労働省は「データヘルス改革」の推進計画・工程表を公表した。2019年度までにシステム基盤を構築し、保険者への支援や、個人情報保護のためのセキュリティ対策を実現し、2020年度の本格稼働を目指している。
データヘルス改革 部局横断的に推進
 厚生労働省は、超高齢社会の問題解決に向けて、国民の医療や介護、それに健康診断のデータを一元化したうえで、ICT=情報通信技術を活用して、健康管理の研究などに役立てようと計画。データヘルス改革推進本部では、その具体策を部局横断的に検討している。

 日本のこれまでの健康・医療・介護の施策は、さまざまな縦割り構造のもと、データが分散し、つながらないかたちで進められてきた。その結果、患者や国民が過去の健診データや治療履歴をふまえた最適な診断や治療を受けるためには、個人がデータ収集などを行う必要があるなど、社会保障制度のメリットを十分実感できるものとはなっていない。

 厚労省が進める「データヘルス改革」は、こうした状況を打開するため、データヘルスの推進をこれまでの「供給者目線」から、需要者である「国民、患者、利用者目線」に切り替えるものとしている。

 具体的には、健康・ 医療・介護のデータの有機的な連結に向けた「ICT インフラの抜本改革」や、「ゲノム解析やAIなどの最先端技術の医療への導入」の実現化を始める。これにより、国民が世界最高水準の質の保健医療サービスを受けられる環境を整備するという。

2020年度に健康・医療・介護ICTを本格稼働
 厚労省がこのほど発表したビッグデータ活用を推進するための「データヘルス改革推進計画・工程表」は、保健医療データプラットフォームを活用するサービスのなかで、国民の健康確保に向けた健康・医療・介護のビッグデータ活用に関する施策について、その具体的な活用方策、運用・管理の在り方を提示するものだ。

 それによると、2019年度までに「データヘルス分野におけるインターフェースシステム基盤の構築」「支払基金・中央会等による体制整備」「保険者のデータヘルス支援」(PHRサービスのシステム基盤や健康スコアリングのシステム基盤の構築)を実現し、個人情報保護を含めたセキュリティ対策を実現する。さらに、2020年度に健康・医療・介護ICTを本格稼働する。
審査支払機関もビッグデータを活用
 個人情報の確実な保護を前提に、健康・医療・介護の縦割り構造を排除し、「データを有機的に連結可能にするICT環境の整備」「保健医療データプラットフォームの構築」「ゲノム解析やAIなどの最先端技術の医療への導入」などに向けた体制を整備する。この改革を主導することで、世界最高水準の保健医療サービスを実現できるとしている。

 膨大な保健医療データを取り扱う審査支払機関の在り方も変わる。現行法では「審査支払」の実施自体を存在意義とする「業務集団」にとどまっているが、今後は保険者の信頼を得るチェック機能を効果的・効率的に果たすことだけにとどまらず、その保有するビッグデータを十分に活用した役割を果たすことが期待される。

 支払基金については厚労省が改革を監督していく。2016年6月に支払基金について、ICTを最大限活用した簡素、効率、高品質、公平・公正、透明な審査支払プロセスを見直すための具体的な提案を公表したが、2019年度からはさまざまな形式で実施されている健康診断の記録を統合・集約し、審査支払機関に運営させる方針を示した。データは大学などにも公開し、研究開発にも活用する。

 厚労省は「データヘルス改革」のメリットとして、次の点を挙げている。
・ 国民一人ひとりが、自らの健康データの変化を把握し、自ら予防行動をしやすくする。
・ 経営者は、データ活用による健康経営の取組により、健康増進に伴う職員の活力向上による生産性向上が実現できる。
・ 予想外の災害や事故などに遭遇しても、安心して確かな医療を受けられる。
・ 科学的根拠ある介護サービスで、自立支援介護を実現し、本人・家族の不安を軽減する。
・ ゲノム(遺伝子)医療により、がんの個別化医療が大幅に進み、がんの克服に近づく。
・ 認知症の要因を分析し、最適なキュアとケアを実現する。革新的創薬の研究を進めるとともに、認知症に伴う課題の克服を目指す。

「国民の健康確保のためのビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革推進計画・工程表」及び「支払基金業務効率化・高度化計画・工程表」について(厚生労働省 2017年7月4日) データヘルス改革推進本部(厚生労働省)
[Terahata]

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