ニュース

災害時の心のケアをする専門家チーム「DMORT」 被災者の悲嘆に対応

 大規模災害時に遺族の心のケアをする専門家チーム「DMORT」(ディモート)の訓練マニュアルを、日本集団災害医学会が作成した。
災害被害者の心のケアが必要
 「DMORT」は「Disaster Mortuary Operational Response Team」の略語で「災害死亡者家族支援チーム」と訳されている。

 災害を想定したシナリオにもとづいて医師や看護師、遺族の役を演じながらケアの方法を学ぶ内容だ。チームは「自治体や病院などで、遺族への連絡と心のケアの訓練で活用してほしい」としている。

 DMORTは、医師や看護師などで構成。犠牲者と対面する遺族らに付き添い、悲嘆を和らげる。災害現場では発災早期より家族(遺族)への組織的支援が必要となる。

 多数の死傷者が生じる災害(大事故)における遺族・遺体に関わるさまざまな問題についての検討が必要なり、2006年に「日本DMORT研究会」が発足した。

 2005年のJR福知山線脱線事故では、現場でトリアージが行なわれ、黒タッグをつけられた犠牲者(黒タッグ患者)は現場で死亡確認され病院に搬送されず、それが病院の混乱を回避したと報告されている。

 しかし、この黒タッグ患者の扱いについて、あるいは遺族の心のケアや遺体に接する救援者のメンタルヘルスなどにおいては、さまざまな課題が残された。
災害直後から家族支援を始めることは重要
 同研究会が作成したマニュアルでは、親しい人を失った時に起きる悲嘆の反応や心理、ケアのポイントなどを紹介。

 災害直後から災害死亡者の家族支援を始めることはもっとも重要な活動だ。災害直後にケアを受ける機会のない家族は長く心の問題を残すことになるという。

 訓練は、実際の災害を想定したシナリオに基づき、参加者が「DMORT役」と「遺族役」を演じる。DMORT役は、遺族役のさまざまな反応に合わせてケアを進める。

 急性期の遺族によくみられる心理状態としては、親しい人や大切なものを喪失した時におこるさまざまな心理的・身体的・社会的な反応である「悲嘆反応」がある。

 悲嘆反応には、(1)呆然自失、ショック、(2)感覚鈍磨、(3)怒り、(4)罪悪感と自責感、(5)不安感、(6)孤独感、(7)無力感、(8)思慕、(9)混乱や幻覚などがある。マニュアルではそれぞれの対応の仕方を解説している。

 災害急性期のグリーフケアのポイントとしては、(1)悲嘆の反応は個人差がある、(2)遺族の「語り」(ナラティブ)の尊重、(3)抑圧された悲嘆にはふみこまない、(4)そっと「寄り添うこと」、(5)相手のニーズに合わせる、(6)スピリチュアルな苦痛を理解する、(7)ケアする側(ケアギバー)の限界を知る――とったことが必要だという。
「気持ち分かります」「頑張って」...遺族を傷つける可能性のある言葉
 遺族を傷つける可能性のある言葉としては、「気持ちはわかりますよ」は、遺族の簡単にわかってほしくないという心理を引き出すおそれがある。決して「禁句」ではないが、言葉を発する際に気をつける必要がある。「黙ってうなずくくらいの方がいいこともある」と解説している。

 「楽になったんですよ」(単なる気休めに聞こえる)、「これからがんばってください」(遺族は既に十分にがんばっている)、「そのうち楽になりますよ」(その場限りの気休めに聞こえる)、「泣いた方がいいですよ」(泣けない場合もある)、「あなたが生きていてよかった」(自身を責めている場合にはそれを増長する)といった言葉にも注意が必要だ。

 マニュアルは、同学会のホームページで公開されている。

日本集団災害医学会
  DMORT 訓練マニュアル(日本集団災害医学会DMORT検討委員会編)
[Terahata]

「保健指導リソースガイド」に関するニュース

2017年07月19日
解説「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」
2017年07月19日
「糖尿病性腎症の重症化予防」 課題が浮き彫りに 地域連携の整備が必要
2017年07月19日
ウォーキングで下半身を強くすると運動を続けやすい 「老化は足から」
2017年07月19日
うつ病を簡単な血液検査で早期発見 血液診断マーカーを発見 徳島大
2017年07月19日
乳がんの新たな治療薬の開発に道 ホルモン療法の問題を回避できる可能性
2017年07月19日
熱中症を防ぐための5ヵ条 熱中症は軽症のうちに対処すれば怖くない
2017年07月14日
健診・検診/保健指導実施機関 集計結果と解説(2016年度版)
2017年07月13日
座ったままの時間が長いと血液がドロドロに 立ち上がって運動すると改善
2017年07月13日
災害時の心のケアをする専門家チーム「DMORT」 被災者の悲嘆に対応
2017年07月13日
大腸がんを人工知能(AI)で検査 見逃しやすいがんを98%の精度で発見

最新ニュース

2017年07月21日
【新連載】高齢者の外出、移動の問題を考える
2017年07月20日
【申込受付中】東京糖尿病療養指導士(東京CDE)「受験者用講習会」
2017年07月20日
【健やか21】ヒアリに刺された場合の留意事項について
2017年07月19日
解説「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」
2017年07月19日
ウォーキングで下半身を強くすると運動を続けやすい 「老化は足から」
2017年07月19日
「糖尿病性腎症の重症化予防」 課題が浮き彫りに 地域連携の整備が必要
2017年07月19日
うつ病を簡単な血液検査で早期発見 血液診断マーカーを発見 徳島大
2017年07月19日
乳がんの新たな治療薬の開発に道 ホルモン療法の問題を回避できる可能性
2017年07月19日
熱中症を防ぐための5ヵ条 熱中症は軽症のうちに対処すれば怖くない
2017年07月18日
衛生行政報告例の結果を公表 -人口10万あたりの保健師数は長野が最多
2017年07月14日
【健やか親子21】妊産婦メンタルヘルスケアマニュアルの掲載について
2017年07月14日
集中治療における急性腎障害バイオマーカー~L-FABPの可能性~
2017年07月14日
【連載更新】No.3 開業に向けて ‐開業準備や時期について ‐
2017年07月14日
健診・検診/保健指導実施機関 集計結果と解説(2016年度版)
2017年07月13日
特定健診72.8%、特定保健指導15.2% 実施率は横ばい 健保連調査
2017年07月13日
座ったままの時間が長いと血液がドロドロに 立ち上がって運動すると改善
2017年07月13日
カフェインの過剰摂取は危険 厚労省が注意「健康リスクを知って」
2017年07月13日
災害時の心のケアをする専門家チーム「DMORT」 被災者の悲嘆に対応
2017年07月13日
大腸がんを人工知能(AI)で検査 見逃しやすいがんを98%の精度で発見
2017年07月12日
蚊意外にキケンあり?-厚労省が夏の海外旅行での感染症予防を呼び掛け
2017年07月10日
【情報提供のお願い】健診・検診/保健指導機関リスト掲載について
2017年07月10日
「第6回健康寿命をのばそう!アワード(母子保健分野)」応募受付中!
2017年07月07日
産業保健師のキャリアとして必要なものとは?【産保PC第1回レポート】
2017年07月07日
【連載更新】No.2 保健師は開業できるのか?
2017年07月06日
厚労省「データヘルス改革」の工程表を発表 2019年までにシステム構築
2017年07月06日
「人工知能」(AI)を保健分野に活用 6分野で開発、安全対策も 厚労省
2017年07月06日
フライドポテトを週に2回以上食べると死亡リスクが上昇 揚げ物に注意
2017年07月06日
歯を20本以上を残すための4つの対策 セルフケアが決め手に
2017年07月06日
水虫に対策するための8つの方法 しっかりケアして水虫に対処
2017年07月05日
【連載更新】No.10 治療前の画像検査とがんの臨床試験
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,237 人(2017年07月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶