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「介護職員が不足」が6割 3年連続で悪化 介護労働実態調査

 「介護職員が足りない」と考えている介護保険事業所は6割に上ることが、介護労働安定センターの調査で明らかになった。
 介護報酬改定で、マンパワーの確保に向けて「処遇改善加算」を拡充しているが、十分な効果が出ていない現状が浮き彫りになった。
「介護職員が足りない」が6割 人手不足が常態化
 厚生労働省所管の公益財団法人「介護労働安定センター」は、2016年度介護労働実態調査の結果を発表した。

 調査は介護保険事業所1万7,641ヵ所に16年10月1日の現況を尋ね、8,993ヵ所から回答を得た(回答率51%)。

 それによると、「介護職員が足りない」と考えている事業所は62.6%に上り、前年度より1.3ポイント増えた。3年連続で悪化している。

 介護職員が「大いに不足している」と答えたのは8.6%。「不足」は23.1%、「やや不足」は30.9%で、いずれも前年度を上回った。
 同センターは「高齢化が進み介護サービスの利用者は増えているが、多くの事業所で職員の確保が追いついていない」と説明している。
介護労働者の離職率は16.7%
 マンパワーの不足の理由は「採用困難」が73.1%で突出して多かった。採用が難しい原因には「賃金が低い」(57.3%)、「仕事がきつい」(49.6%)、「社会的評価が低い」(41.1%)などが挙がった。

 サービスを運営するうえでの問題点でも、「良質な人材の確保が難しい(55.3%)」や「十分な賃金を払えない(50.9%)」などが上位を占めた。

 1年間の介護職員、訪問介護員の離職率は16.7%で、前年度に比べて0.2ポイント上がった。
 仕事を辞めた理由を職員に聞いたところ、「職場の人間関係」(23.9%)でトップ。以下、「結婚・出産・妊娠・育児のため」(20.5%)、「職場の理念や運営のあり方に不満があった」(18.6%)が続き、「収入が少なかった」(16.5%)は6番目だった。

 回答した事業所の介護労働者7万9,796人(施設長除く)の平均年齢は46.8歳。役職手当や交通費などを含めて毎月決まって支給される税込賃金(所定内賃金)は平均22万4,848円。15年度より7,095円上がった。

 一方、人材育成の取り組みでは「教育・研修計画を立てている」「自治体や業界団体が主催する教育・研修には積極的に参加させている」が多く、早期離職防止や定着促進の方策では「希望に応じた労働条件の改善に取り組んでいる」「職場内のコミュニケーションを円滑にする」が目立った。

 厚生労働省は2015年度の介護報酬改定で、マンパワーの確保に向けて「処遇改善加算」を拡充している。加算の拡充は今年度も実施されたが、十分な効果が出ていない現状が浮き彫りになった。

介護労働安定センター
  平成28年度「介護労働実態調査」の結果
[Terahata]
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