ニュース
1回の採血で「4年以内の糖尿病発症リスク」を判定 アミノ酸バランスに着目
2017年10月18日
味の素は、1回の採血で現在がんである可能性を評価する従来の「AICS」に、「4年以内の糖尿病発症リスク」と「血液中の必須・準必須アミノ酸濃度に基づく栄養状態」の評価を行う「アミノインデックス 生活習慣病リスクスクリーニング」(AILS)を追加した「アミノインデックス リスクスクリーニング」(AIRS)を11月に発売する。
病気になるとアミノ酸バランスが変動
厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる患者は約1,000万人、糖尿病の可能性が否定できない予備群は約1,000万人と推定されている。糖尿病を予防するために、発症の前段階で食生活や運動習慣を見直すことが必要だ。
一方で、日本人の食習慣が欧米型に変化したことで、タンパク質と脂質の摂取量は増加したが、とくに高齢者で、食べる機能の低下に起因する食欲低下による不足栄養やダイエットなどにより、タンパク質摂取量が減少している。タンパク質の不足はロコモティブシンドロームや貧血、免疫力低下と関連がある。日本人の2015年のタンパク質の平均摂取量は、2000年比で男女共に約11%減少しているという。
血液中のアミノ酸濃度バランスは、健康な人では一定に保たれているが、病気になるとそのバランスが変動する。同社は、さまざまな疾患で特徴的な変動を示す血液中のアミノ酸濃度バランスに着目し、健康状態や病気の可能性を明らかにする「アミノインデックス技術」を開発した。このほど、この技術を応用し、「AILS」(糖尿病リスク)と「AILS」(アミノ酸レベル)を開発した。
「アミノインデックス がんリスクスクリーニング」(AICS)は、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析することで、現在がんである可能性を評価する検査。同社は2011年よりサービスを開始し、2017年8月末時点で、人間ドックを中心に全国で約1,300の医療施設で採用されているという。
アミノ酸で4年以内の糖尿病発症リスクを評価
「AILS」(糖尿病リスク)は、「4年以内の糖尿病発症リスク」を評価する。人間ドック受診者7,703名の血液中のアミノ酸濃度バランスを測定し、4年以内に糖尿病を発症した人と発症しなかった人との違いをリスク評価に応用している。
がんリスク検査「アミノインデックスがんリスクスクリーニング」医療機関サーチ
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2023年08月09日
-
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より - 2023年08月08日
- 若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
- 2023年07月28日
- 2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
- 2023年07月24日
- 標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
- 2023年07月11日
- 自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
- 2023年06月20日
- 肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
- 2023年06月12日
- 自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
- 2023年06月05日
- 要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
- 2023年05月19日
- 令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
- 2023年05月18日
-
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-