ニュース

科学的根拠に基づく「産業保健における復職ガイダンス2017」を公開

 EBM普及推進事業Minds(マインズ)はこのほど、『科学的根拠に基づく「産業保健における復職ガイダンス2017」』(編集/発行:日本産業衛生学会 関東地方会)をホームページで公開した。同ガイダンスは、がんや筋骨格系障害、メンタル不調などからの復職を総論的に取り上げ、エビデンス評価と推奨作成を行うことで、休職、復職に関する産業保健活動介入について推奨を提示する国内では初めての試み。

 近年は休職者数が急激に増加し、特にメンタルヘルス疾患による休職期間の長期化が顕著になっている。そのため、健保組合における傷病手当金の負担増加や、職場における不公平感が社会問題になっているが、日本の主治医や産業医は休職者に復職を急がせない風潮にある。

 一方、海外では早期の復職を推奨することが一般的。そこで日本でも可能な限り休職期間を短くするための介入と、適正な復職判断、復職時の合理的配慮についてエビデンスをまとめ、科学的根拠に基づく推奨を提示しようと、2017年5月、同ガイダンスが作成、発行された。対象は産業医はもちろん、産業医が未選任または十分に機能していない中小事業場を含めた、衛生管理者、保健職、人事担当者などの産業保健スタッフ。

 内容によると、会社の産業保健スタッフなどが休職開始から4週間をめどに最初の照会を行う。主治医からの診断書で医療的ケアの見通しを確認し、合意が得られた場合は、産業医などの医療スタッフの協力を得て、以下のような介入を行うよう推奨している。

リワークなど、認知行動療法(CBT)などを活用した復職支援プログラム
 リハビリテーションを含む通常の医療措置に加えて、復職支援プログラム(リワーク)を条件付きで推奨する。特に、筋骨格系障害、メンタルヘルス不調による休職者に対して推奨。
 復職支援プログラムは、リワークとして医療機関が医療保険で提供する医療リワーク、障害者職業センターの作業リワーク、民間Employee Assistance Program (EAP)や会社独自のプログラムなど民間で行われるもの、の3種類が提供されている。産業医や会社はこれらへの参加を強制することはできないが、積極的に休職者に情報を提供し、医療機関などと連携しながら、復職支援プログラムで段階的に復職準備性を確認することが推奨される。

主治医など臨床との連携
 メンタルヘルス不調において、臨床との連携強化は早期復職に関して効果がある可能性が高い。筋骨格系障害において、臨床との連携強化は、特に休業が長期化した場合の早期復職に関して効果のある可能性がある。本人の同意があれば、産業医等が不在な中小企業においても人事労務担当者が主治医などと連携することが可能。

ソーシャルサポートによる介入
 休職中の労働者に対して、ソーシャルサポートはBest practiceとして提案する。本人の希望と会社の風土によっては、上司・同僚による介入も選択肢となる。ただし家族関係、職場の人間関係によって有用性が異なるため、関わる人の人選、実施の時期、頻度は、慎重に考慮する必要がある。

時短勤務など復職時の配慮
 軽減作業や時短勤務など復職時の配慮についても推奨。

 ガイダンスでは、エビデンスに基づく推奨に至った経緯や、各推奨の費用対効果や実行可能性について詳しく解説。画一的な産業保健活動を強制するものではないが、働き方の多様性への柔軟な対応が求められる中、「復職時の就業の合理的配慮について、社内の規則等を見直す良い機会と捉えていただきたい」としている。

科学的根拠に基づく「産業保健における復職ガイダンス2017」(EBM普及推進事業Minds)

[yoshioka]

「産業保健」に関するニュース

2018年04月18日
糖尿病の原因は「酸化ストレス」 肝臓の脂肪蓄積を防ぐ治療
2018年04月18日
「サルコペニア」を容易に評価 CKD患者の心疾患リスクを予測
2018年04月18日
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」
2018年04月18日
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化
2018年04月17日
建設業で働く女性の妊娠や出産をサポート~『女性にやさしい職場づくりナビ』
2018年04月13日
厚労省がGWの海外渡航に感染症予防注意を呼びかけ
2018年04月11日
「2時間の飲み会」の危険 アルコールのイッキ飲み・アルハラを防止
2018年04月11日
ご存知ですか?「紫外線」 紫外線に打ち勝つ4つの方法
2018年04月11日
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を
2018年04月11日
「甘酒」を飲んでコレステロールを低減、便通を改善 プロラミンが作用

最新ニュース

2018年04月19日
【健やか21】パンフレット「住まいの中のアレルゲン対策」ご活用下さい
2018年04月19日
【新連載】女性のライフステージと、体と心の健康運動
2018年04月18日
糖尿病の原因は「酸化ストレス」 肝臓の脂肪蓄積を防ぐ治療
2018年04月18日
「サルコペニア」を容易に評価 CKD患者の心疾患リスクを予測
2018年04月18日
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」
2018年04月18日
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化
2018年04月17日
建設業で働く女性の妊娠や出産をサポート~『女性にやさしい職場づくりナビ』
2018年04月16日
くるみを食べると腸内フローラが改善 くるみが善玉菌を増やす
2018年04月13日
厚労省がGWの海外渡航に感染症予防注意を呼びかけ
2018年04月12日
【健やか21】「母子保健指導部」の会員募集と30年度研修会一覧の掲載
2018年04月11日
子宮頸がんとHPVワクチン 日本産科婦人科学会が「接種は必要」と強調
2018年04月11日
「2時間の飲み会」の危険 アルコールのイッキ飲み・アルハラを防止
2018年04月11日
ご存知ですか?「紫外線」 紫外線に打ち勝つ4つの方法
2018年04月11日
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を
2018年04月11日
「甘酒」を飲んでコレステロールを低減、便通を改善 プロラミンが作用
2018年04月09日
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋"
2018年04月06日
【健やか21】「ふくおか子育てマイスター活動事例集」のご紹介
2018年04月06日
東京都が福祉保健基礎調査「東京の子どもと家庭」(速報版)を公表
2018年04月05日
糖尿病患者の痛風リスクがフェノフィブラートで半減 FIELD試験
2018年04月05日
栄養を効率よく摂取するには? くるみ病態別レシピ申し込み受付中
2018年04月04日
女性の「痩せ」志向は不健康 スポーツを通じて女性の活躍を促進
2018年04月04日
働きながら「不妊治療」を受ける人へのサポート 仕事の両立支援が課題に
2018年04月04日
魚の「オメガ3脂肪酸」が死亡リスクを低下 「食後高脂血症」に注意
2018年04月04日
体重増加の犯人は果物や野菜のジュースかも 毎日飲み続けるとどうなる?
2018年04月03日
【連載更新】ナースがおうちで産後ケア/私は踊る保健師!ワクワクを届ける
2018年04月02日
【健やか21】公開フォーラム 「多職種による母子保健の推進~歯科からの提案~」
2018年04月02日
驚きのコラボが実現!『健やか親子21と鷹の爪団のみんなで子育て大作戦』
2018年04月01日
「健康行動の壁 行動を後押しするヒント」へるすあっぷ21 4月号
2018年03月30日
【ちらし配布ご協力お願い】女性特有のがんコミュニティ型SNS「Peer Ring」
2018年03月28日
収入や教育年数が「健康格差」に影響 年収低いほど肥満リスクは上昇
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,045 人(2018年04月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶