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ヘルスケア領域のソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集を作成~日本総研

 日本総合研究所(東京都品川区)はこのほど、ヘルスケア領域において、地方公共団体がソーシャルインパクトボンド(Social Impact Bond、以下「SIB」)を導入するポイントをまとめ、『地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集』として公表した。国内での先行事例である神戸市と八王子市の経験をふまえ、実務に即した内容でSIB導入のノウハウを伝えている。

 SIBとは、民間資金を活用して実施する成果連動型の民間委託事業。民間の資金やノウハウを活用して革新的な社会課題解決型の事業を実施し、行政はその事業成果(社会的コストの効率化部分)などを原資に成果報酬を支払う。2010年に英国で世界初のSIB案件が組成されて以降、同国を中心に世界各国でその活用が進んでいる。


(『地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集』より)

 日本では平成27年度に初めてSIBが試験的に導入され、平成29年度に神戸市糖尿病性腎症重症化予防事業、八王子市大腸がん検診受診率・精密検査受診率向上事業が実施された。ノウハウ集は、経済産業省から受託している「平成29年度健康寿命延伸産業創出推進事業(健康経営普及推進・環境整備等事業)」の一環として作成されたもの。地方公共団体を対象に、SIB導入手順や導入のポイントを解説し、神戸市と八王子市の事例もふまえながら、マニュアルとして活用できるよう構成されている。

 具体的には、事業の特徴からSIB導入の適格性を診断するチェック項目、事業費の積算方法や予算折衝をスムーズに進めるポイント、現実的な契約スキームの解説など、実務に即した内容が盛り込まれている。

 ノウハウ集によると、SIBは「糖尿病性腎症重症化予防」や「がん検診受診率向上事業」など、効果がまだ証明されていない事業を実施する際に有効とされる。SIB事業終了後、成果の達成度や事業内容を評価した上で、継続して実施するかを検討。改善策として有効であり継続して実施する意向があれば、委託事業等(仕様発注)にて実施する。仕様発注によって、コスト縮減効果が創出される。

 また、地方公共団体がSIBを導入する意義として、
(1)より高い成果の創出が期待される
(2)行政コストの削減が見込まれる
(3)社会的課題を解決する手法を把握・検証できる
(4)成果志向の普及が期待される
―などが挙げられている。

 SIB事業の目的は「長期アウトカム」で、神戸市における「糖尿病性腎症等の重症化予防事業」では、市民のQOLの向上▼治療にかかる医療費の適正化▼死亡したり、通院・入院したりすることで、労働ができないことによる逸失所得の削減―が目指す成果として掲げられている。同様に、八王子市における「大腸がん検診受診率・精密検査受診率向上事業」では、がんによる死亡率の減少▼がんの5年生存率向上▼がんの医療費の適正化▼がん患者のQOLの向上―を目指す。


(『地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集』より)

 マニュアルはホームページ(https://www.jri.co.jp/company/release/2017/1207/)からダウンロードできる。

日本総研プレスリリース「地方公共団体向けヘルスケア領域におけるソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集を公表~平成29年度健康寿命延伸産業創出推進事業(健康経営普及推進・環境整備等事業)~」
ソーシャル・インパクト・ボンド総合サイト(ケイスリー株式会社)
コラム:日本初のSIB導入事例「八王子市」及び「神戸市」の共通点・相違点と課題(ソーシャル・インパクト・ボンド総合サイト)

[yoshioka]

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