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日本で未承認の「抗がん剤」は65種類 8割が100万円超 患者の負担が重い

 欧米で承認されているが日本では未承認の抗がん剤が65種類あり、薬剤費がわかっている45種類の1ヵ月の薬剤費は100万円を超えることが、国立がん研究センターの調査で分かった。うち3種は月額1,000万円を超えている。
 新しいタイプの抗がん剤が開発されており、治療の選択肢は増えているが、医療費の高騰は課題になっている。国内での開発が進められているものもあり、ドラッグ・ラグの解消が待たれる。
日本未承認の抗がん剤は65剤
 調査は、米国FDAおよび欧州EMAが承認した医薬品のうち、がん領域において日本では未承認あるいは適応外の医薬品とその1ヵ月あたりの薬剤費の試算を提示したもの。今回は4月4日時点で集計した。

 それによると、日本未承認の抗がん剤はのべ65剤(55薬剤65適応症)だった。うち18剤は、FDAが開発および審査を迅速化したものだった。

 適応症の内訳は、血液がん30剤、泌尿器がん(前立腺がんなど)11剤、乳がん5剤、皮膚がん(悪性黒色腫など)4剤、骨軟部腫瘍(肉腫)3剤、肺がん(非小細胞肺がん)3剤、卵巣がん2剤、小児がん2剤が主なものだった。

 5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝がんあるいは子宮がん)のうち上記の乳がん、肺がん以外のがんでは未承認薬はなかった。
薬剤費が1,000万円を超える抗がん剤も
 FDAがすでに承認した新有効成分が含まれる抗がん剤20剤のなかで、2015年以降に承認されたものは12剤あった。うち、8剤は国内での開発が進められており、「ドラッグ・ラグ」の解消が待たれる。

 ドラッグ・ラグとは、欧米で薬事承認されている医薬品が日本で承認され使えるようになるまでの時間差で、内訳には開発ラグと審査ラグがある。開発ラグは、「治験の開始時期」「治験にかかった期間」「承認申請の時期」が国によって異なることから生じる。

 薬剤費が分かっている45種類の抗がん剤の月額の薬剤費は100万円を超していた。また、1ヵ月当たりの薬剤費が1,000万円を超える抗がん剤は3剤あり、血液領域の「CAR-T細胞療法」が2剤、骨軟部腫瘍(肉腫)の「免疫賦活薬」が1剤だった。

 「CAR-T細胞療法」とは、自身の免疫細胞に遺伝子操作をしてがんを攻撃する力を高めて体内に戻すという治療法。もっとも高額な薬は、米国で2017年8月に承認された急性リンパ性白血病向けの「キムリア」で、1ヵ月あたり約4,700万円。国内でも4月に承認申請されている。
「患者申出療養」とは
 保険診療にない未承認薬(まだ標準治療として認められていない段階のもの)を使う場合、患者の申出を起点に国へ申請し、安全性や有効性を確認する臨床試験として実施する「患者申出療養」という制度がある。公的医療保険は適用されないが、治療に伴う検査や入院料などに保険が適用される場合がある。

 国立がん研究センター先進医療評価室では「国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品について」(国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品について)のページで「国内で薬事法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト」を公開している。

 同センターでは「ドラッグ・ラグを解消して必要な薬を国内でも使えるようにしていくことが大切だ。高騰する経済的な負担にどう対応するのか、制度のあり方も考えていく必要がある」と述べている。

国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品について(国立がん研究センター先進医療評価室)
患者申出療養の概要について(厚生労働省)
[Terahata]

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