ニュース

禁煙後の体重増加で糖尿病リスクが上昇 でも禁煙のメリットは大きい

 たばこをやめたくてもやめられないという人は多い。その理由のひとつは、禁煙後の体重増加だ。
 禁煙に成功した後の数年間は、体重増に気を付けていないと、糖尿病リスクが20%以上上昇することが、米国の17万人以上を対象とした研究で明らかになった。
 ただし、たとえ体重が増えたとしても禁煙によるメリットは大きく、心血管疾患やがんなどのリスクが低下、早死リスクも半減するという。
体重増加を抑えられれば、糖尿病リスクを抑えられる
 禁煙した人は、2型糖尿病の発症リスクを抑えるためにも、禁煙から2~6年間は体重が増えないように気をつけた方がよいようだ。

 ハーバード大学公衆衛生大学院の研究チームの新たな研究で、禁煙後に体重が増えるほど短期的な2型糖尿病リスクが高まる可能性のあることが示された。

 ただし、禁煙による健康へのメリットは極めて大きく、体重増加の程度にかかわらず、長期的には禁煙によって心血管疾患の発症や早期死亡のリスクが大きく低下することも分かった。

 「たばこを吸う人が禁煙をすると、禁煙後の数年間は2型糖尿病や耐糖能異常のリスクが上昇することが知られています。このことが、喫煙者が禁煙をためらう原因のひとつになっています」と、ハーバード大学栄養学部のキ サン准教授は言う。

 「しかし、私たちの研究では、糖尿病リスクを高めるのは、禁煙後の体重の変化であることが分かりました。つまり、体重の増加を抑えられれば、糖尿病リスクは上昇せず、長期的には減量も可能なのです」。

関連情報
禁煙で糖尿病リスクが22%上昇
 禁煙後の数年間に2型糖尿病のリスクが上昇する可能性があることは、多くの研究で示されている。しかし、なぜ糖尿病の危険性が高まるのかは分かっていなかった。

 そこで研究チームは、「看護師健康調査」(Nurses' Health Study)、「看護師健康調査II」(Nurses' Health Study II)、「医療従事者フォローアップ調査」(Health Professionals Follow-Up Study)という3件に大規模研究に登録された17万1,150人の男女の平均19年間のデータを解析した。

 その結果、禁煙してから間もない人の2型糖尿病の発症リスクは、喫煙中の人に比べて平均22%以上高くなっていた。

 糖尿病リスクは禁煙してから5~7年が経った時点でピークを迎えるものの、その後は徐々に低下していった。

 また、体重の増え方が大きい人ほど2型糖尿病リスクはより高くなり、体重が増えなかった人はリスクが上昇しなかった。また、禁煙後30年経つとリスクはもともとの非喫煙者と同レベルにまで低下した。
それでも禁煙で得られるメリットは明白
 さらに、禁煙により得られる恩恵は、体重増加によるデメリットを上回ることも分かった。体重増が10kg以上だった人ですら、禁煙後は全死因による早死リスクが50%減少、心血管疾患による早死リスクは67%減少したことが明らかになった。

 「禁煙で得られるメリットは明白です。心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが大幅に減少するのです。たばこを吸う人は禁煙をためらうべきではありません。ただし、禁煙後の体重増加には気を付けた方が良いでしょう」と、ハーバード大学栄養学部のヤン フー氏は言う。

 禁煙で得られるメリットを最大限にするために、健康的な食事と運動不足の解消により、体重増を最小限に抑えることをフー氏は勧めている。

Weight gain after smoking cessation linked with increased short-term diabetes risk(ハーバード公衆衛生大学院 2018年8月15日)
Smoking Cessation, Weight Change, Type 2 Diabetes, and Mortality(New England Journal of Medicine 2018年8月16日)
[Terahata]

「保健指導リソースガイド」に関するニュース

2018年11月14日
11月14日は「世界糖尿病デー」 家族や大切な方が糖尿病と言われたら
2018年11月14日
世界糖尿病デー 「糖尿病の警告サイン」を5人に4人が知らない
2018年11月13日
がん患者の就労支援 働く患者の75%が「産業医」の存在を知らない
2018年11月13日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月13日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年11月13日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年11月06日
簡易に測定できる「フレイルチェック」を産官学協働で開始 九州大学など
2018年11月06日
新しい「発芽玄米」で脳内「BDNF」が増える 脳卒中や認知症などを予防
2018年11月06日
肥満やメタボの新たな治療 肝臓の「アクチビンE」が脂肪を燃焼
2018年11月06日
チョコレートが閉経後女性の高血糖、高血圧、高コレステロールを改善

最新ニュース

2018年11月16日
【健やか21】平成30年度「医療安全推進週間」
2018年11月15日
【参加募集中】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視~ありのままの現場を見られる産業保健師になる~」
2018年11月15日
【産保PC第6回(2018年度 第2回)レポート】テーマ:メンタルヘルス
2018年11月14日
11月14日は「世界糖尿病デー」 家族や大切な方が糖尿病と言われたら
2018年11月14日
世界糖尿病デー 「糖尿病の警告サイン」を5人に4人が知らない
2018年11月14日
厚労省がイクメン企業アワード受賞企業取組事例集などを発行
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年11月13日
がん患者の就労支援 働く患者の75%が「産業医」の存在を知らない
2018年11月13日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月13日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年11月13日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年11月12日
「糖尿病になったらいくらかかる?」を改訂 糖尿病の医療費
2018年11月09日
【健やか21】妊娠中・産後のママのための食事BOOK(ダウンロード無料)
2018年11月08日
適切な情報選択の一助に!「アレルギーポータル」を開設~日本アレルギー学会
2018年11月08日
「効果を上げる! 健康教育のツボ」へるすあっぷ21 11月号
2018年11月07日
【新連載】がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~
2018年11月06日
簡易に測定できる「フレイルチェック」を産官学協働で開始 九州大学など
2018年11月06日
新しい「発芽玄米」で脳内「BDNF」が増える 脳卒中や認知症などを予防
2018年11月06日
肥満やメタボの新たな治療 肝臓の「アクチビンE」が脂肪を燃焼
2018年11月06日
チョコレートが閉経後女性の高血糖、高血圧、高コレステロールを改善
2018年11月05日
生活改善の「三日坊主」を防止するアプリ チームで励まし治療を継続
2018年11月02日
【健やか21】児童虐待防止推進月間「愛の鞭ゼロ作戦」
2018年11月01日
ブレインフードレシピを提供します(くるみヘルスケアプロジェクト)
2018年10月31日
なぜ朝食は食べた方が良いのか? 肥満と脂質異常症を予防するのに有利
2018年10月31日
生涯でがんに罹患する確率は男性62%、女性47%~最新がん統計
2018年10月31日
歯周病を治療すると血糖値が改善 心血管疾患や腎臓病のリスクも低下
2018年10月31日
乳がんの原因遺伝子を解明 日本人1万8,000人のデータベースを構築
2018年10月31日
世界の長寿国ランキング 日本は2040年に2位に転落 社会格差が課題に
2018年10月31日
女性は50歳を越えると骨粗鬆症のリスクが上昇 「定期的に検査を」
2018年10月31日
非アルコール性脂肪性肝疾患の有無を判定するバイオマーカーを発見
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,558 人(2018年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶