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肥満でなくても「高コレステロール」に注意 日本人を30年調査 滋賀医大

 この30年間に日本人では、総コレステロール値の高い人の割合は、肥満の人だけでなく、やせている人、標準体重の人でも増えており、体形による差がなくなったという調査結果を、滋賀医科大学が発表した。
 「体形に関わらず飽和脂肪酸の多い食事をとる人が増えている。体に悪い脂肪の摂り過ぎには注意が必要」としている。
日本人を1980~2010年に10年ごとに調査
 「NIPPON DATA」(ニッポンデータ)研究は、国が実施した全国調査である「循環器疾患基礎調査」(現在は国民健康・栄養調査に統合されている)の対象者を長期にわたり追跡している研究(コホート研究)。

 「NIPPON DATA」研究は現在、厚生労働省研究班(代表者:三浦克之・滋賀医科大学アジア疫学研究センター長)が実施している。

 対象者の日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)、死亡した場合の死因などを調査している。

 今回の研究では、1980~2010年に10年ごとに実施した調査に参加した全国の50歳以上の男女、それぞれ5,014人、4,673人、5,059人、2,105人を対象に解析した。

 BMI(体格指数)が25以上を「肥満」、18.5未満を「やせ」、18.5以上25未満を「適正体重」と判定した。

 また、総コレステロール値が220mg/dL以上を、高コレステロールと判定した。これは、悪玉のLDLコレステロールで、140mg/dL以上に相当するという。
日本人が変化 肥満でなくとも高コレステロールに
 1980~2010年の30年間に、肥満の人の割合は10年ごとに、男性では16.3%、21.6%、28.2%、34.1%と増えた。女性では26.2%、29.0%、27.1%、27.0%とほぼ横ばいだった。

 一方、高コレステロールの人の割合は、男性では14.3%、26.4%、24.7%、27.4%、女性では28.9%、47.2%、44.2%、42.3%となっている。それぞれ1990年まで増加し、その後はほぼ横ばいだった。

 解析した結果、肥満の人が、適正体重の人に比べ、高コレステロールにどれだけなりやすいかを調べたところ、男性では1980年(2.4倍)、1990年(2.0倍)、2000年(1.4倍)、2010年(0.9倍)となり、年を経るごとにオッズ比が低下したことが分かった。

 女性でも1980年(1.4倍)、1990年(1.3倍)、2000年(1.1倍)、2010年(1.1倍)となり、オッズ比は低下傾向にある。

 一方、女性ではやせの人でも、1980年(0.4倍)、1990年(0.7倍)、2000年(0.6倍)、2010年(1.0倍)となり、年を経るごとにやせていても高コレステロールになりやすい傾向が出てきた。
やせや適正体重の人にも保健指導が必要
 「総コレステロール値が上昇するのを防ぐ取り組みは、肥満の人だけでなく、やせや適正体重の人にとっても必要です」と、研究グループは指摘している。

 30年前は肥満になりやすい人は高脂肪の食事をとっている傾向があり、高コレステロールになりやすかった。

 「近年は体型に関わらず、飽和脂肪酸の多い食事をとる人が増え、高コレステロールになりやすくなっている可能性がある。高コレステロールと肥満ややせとの関連は弱くなっている」と、研究グループは指摘している。

 脂質異常症は、コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が異常な値になる病気だ。高コレステロール、とくにLDLコレステロールの上昇は動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす一因になる。

 総コレステロール値は、食事でとる飽和脂肪酸の量と密接な関係があるとされる。調査によると、2010年は1980年に比べ、摂取した総カロリーに占める飽和脂肪酸の割合は男女とも1.5~1.9ポイント増加した。

 「脂質異常症を予防するために、肥満に対策するだけでなく、適正体重ややせの人も、食事に含まれる脂肪にも注意した方が良い。飽和脂肪酸や食事性コレステロールの過剰摂取を防ぐ対策が必要」としている。

 今後は、特定保健指導などが高コレステロールの改善にどうつながるかを調べていくという。

 浜松医科大学健康社会医学講座の柴田陽介氏らによる論文は、医学誌「Journal of Epidemiology」電子版に掲載された。

NIPPON DATA(ニッポンデータ)
Associations of overweight, obesity, and underweight with high serum total cholesterol level over 30 years among the Japanese elderly: NIPPON DATA 80, 90, and 2010(Journal of Epidemiology 2018年7月21日)
[Terahata]

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