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「宿泊型健康指導プログラム」は効果的 特定保健指導の要支援者の体重・腹囲・コレステロールが改善

 京都大学は、サンスターグループ社員向け健康増進施設「サンスター心身健康道場」で提供された「宿泊型健康指導プログラム」の有効性を明らかにした。
 プログラム参加者では、非参加者に比べ、体重、腹囲、non-HDLコレステロールが有意に改善した。体重と腹囲に関しては2年後までその効果が維持された。
特定保健指導の「積極的支援」「動機付け支援」該当者が対象
 サンスターグループでは、1985年より社内福利厚生施設「サンスター心身健康道場」(大阪府高槻市)で、社員に宿泊型健康指導を開始。2007年からは定期健康診断で特定保健指導の「積極的支援」「動機付け支援」に該当した対象者に、独自の宿泊型健康指導プログラムを実施している。

 「サンスター心身健康道場」では、2泊3日以上の宿泊指導を実行。健康知識の習得、玄米菜食の食事、ウォーキングやアクアビクスなどの運動、冷温交代プログラムなどを組み合わせた、食事・身体・心の健康バランスを取り戻すための宿泊指導プログラムを提供するとともに、健康診断・歯科健診を実施している。その結果、医療費が抑えられ、2017年から実施されている「健康経営優良法人」(ホワイト500)に2年連続で認定された。

 今回の研究は、京都大学環境安全保健機構健康科学センターの川村孝教授、松崎慶一助教らの研究グループが、サンスター財団からの受託研究「宿泊型健康指導プログラムがもたらす行動変容と健康状態、医療費への影響」の中で実施したもの。詳細は「Preventive Medicine Reports」に掲載された。
体重・腹囲・non-HDLコレステロールが改善
 研究では、2007~2009年にサンスターグループに在籍し、定期健康診断の結果が特定保健指導の「積極的支援」か「動機付け支援」に該当した415名を抽出。心身健康道場における2泊3日の健康指導プログラムに参加した220名を参加者群、参加しなかった195名を非参加者群とし、プログラムの前と後(参加群)、もしくはそれに相当する時期(非参加群)の定期健康診断データを解析し、対象者における宿泊型健康指導プログラムの有効性と、その持続期間を検証した(過去起点コホート研究)。

 宿泊型健康指導プログラムは、行動科学の観点から、座学・体験学習を組み合わせて行い、気づき、体感し、自己で目標を設定するもの。

□ 座学:健康診断結果の振り返り、生活習慣病や健康的な食事の学習、生活習慣改善目標の設定
□ 食事:朝食は手作り青汁 1 杯、昼食・夕食は野菜が豊富な玄米菜食(1,200kcal/日)を摂取
□ 運動:ウォーキング、アクアビクス、エアロビクス等
□ 心・体の調整:冷温交代プログラム、木枕・平床体験

 傾向スコアマッチング法で、それぞれの群から抽出した背景因子が近似する各95名(計190名)について、当初の定期健康診断の結果および1、2、3年後の健康診断における測定項目の変化量を比較した。

 その結果、プログラム受講翌年の健康診断では参加群は非参加群と比較し、体重(-2.7kg vs.-1.0kg、P<0.01)、腹囲(-3.5cm vs.-1.5cm、P<0.01)で有意な改善が認められた。

 また、動脈硬化の総合的なリスク指標であるnon-HDLコレステロール(-8.8mg/dlvs.-1.8mg/dl、P=0.05)の改善も認められた。受講2年後の健康診断においても、体重(-2.8kg vs.-1.7kg、P=0.07)および腹囲(-3.8cm vs.-2.3cm、P=0.03)に対する効果が維持されていた。
半数以上が3%以上の体重減少を達成
 さらに、日本肥満学会が推奨する減量目標である3%以上の体重減少の達成者の割合は、参加者群では受講翌年において50%以上となり、非参加者群と比較して高い達成割合となった。

 また、2009年のプログラム参加者で測定した行動変容スコアは、77.8%が準備期以前だったが、1年後にはその割合は51.9%と有意な低下がみられ、宿泊型健康指導プログラムは参加者に健康的な生活習慣の獲得を促し、持続な行動変容をもたらすことが確認された。
宿泊型健康指導プログラムは効果がある
 サンスター心身健康道場の健康指導プログラムは、(1)座学と体験学習を組み合わせて自らの健康に関する気づきや体感を促すことで行動変容のステージを進めることと、(2)同じ境遇の参加者が2泊3日の各種プログラムを一緒に受講し、互いに健康における目標を宣言することでグループダイナミクスを生むこと――の2点を特徴としている。

 研究グループは、これらが相互に作用し合うことでプログラム参加者における健康的な生活習慣の定着につながったと考察。今後は、前向きコホート研究を展開し、どのような参加者に効果があるのか、行動変容をもたらす因子は何か、などに関する検証を行っていくという。

 また、対象者への宿泊型健康指導プログラムの有効性をさらに高めるため、効果が減弱する3年後を目処に社員への適切な追加講習ができるよう取り組むとしている。

サンスター心身健康道場
京都大学環境安全保健機構健康科学センター
Effectiveness of a healthcare retreat for male employees with cardiovascular risk factors(Preventive Medicine Reports 2019年1月2日)
[Terahata]

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