ニュース

地域保健・健康増進事業報告②~健康診査についてなど「健康増進事業」の概要

 厚生労働省はこのほど、平成29年度「地域保健・健康増進事業報告」をまとめ、公表した。同報告は、地域住民の健康の保持及び増進を目的とした保健施策がどのように展開されているのか、実施主体である保健所や市区町村ごとに把握するもの。
 報告は「地域保健事業」と「健康増進事業」に分けて実施されている。本記事では健康増進法第17条第1項及び第19条の2に関連する「健康増進事業」について概要を紹介する。
Fotolia_70299096_Subscription_Monthly_M.jpg
健康診査の受診者数は約12万人
 市区町村が実施している基本健康診査は、「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づいて保険者が実施する「特定健康診査」と、健康増進法に基づき市区町村が実施する「健康診査」に分かれている。

 地域保健・健康増進事業報告は、市区町村が実施した「健康診査」についての内容で、「訪問健康診査」や「介護家族訪問健康診査」も含めた平成29年度の受診者数は約12万人。最も多い年齢階級別は75歳以上で約4万人だった。
 全受診者数のうち、健康診査の結果、高血圧症の発症予防等のため指導が必要とされたのは約13,000人、高血圧症の重症化予防等のため個別健康教育による指導が有効であると医師が認めたのは約35,000人。

 一方、糖尿病の発症予防等のため指導が必要とされたのは約39,000人、糖尿病の重症化予防等のため個別健康教育による指導が有効であると医師が認めたのは約15,000人だった。
集団健康教育と健康相談
 市区町村が実施した集団健康教育は約14万回行われ、参加延べ人数は約261万人に上った。内容としては、生活習慣病の予防のための日常生活上の心得、健康増進の方法、食生活の在り方など健康に必要な事項について教育を行う「一般」のカテゴリーで開催回数も、参加延べ人数も最も多い。

 また市区町村が実施した健康相談の指導延べ人数は約124万人で、うち46万人が重点健康相談を受けていた。重点健康相談の中では、「高血圧」や「糖尿病」など以外の肥満や心臓病など病態別に、個人の食生活や生活習慣を勘案して行う相談指導が最も多く行われていた。
がん検診で受診率が最も高かったのは乳がん
 市区町村が実施したがん検診の受診率は「乳がん」が17.4%で最も高く、「子宮頸がん」の16.3%が続く。そのほか「胃がん」と「大腸がん」が8.4%、「肺がん」が7.4%だった。

 また市区町村が実施したがん検診で、「要精密検査」だった人のうち、その後、がんが分かった人の割合は、がん検診受診者数に対して「胃がん」が0.10%、「肺がん」が0.03%、「大腸がん」が0.17%、「子宮頸がん」が0.04%、「乳がん」が0.28%だった。

[yoshioka]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2023年08月09日
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より
2023年08月08日
若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
2023年07月28日
2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
2023年07月24日
標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
2023年07月11日
自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
2023年06月20日
肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
2023年06月12日
自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
2023年06月05日
要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
2023年05月19日
令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
2023年05月18日
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶