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母乳だけにこだわらない授乳の支援を―厚労省が「授乳・離乳の支援ガイド」を改定

 厚生労働省はこのほど、最新の知見や授乳・離乳を取り巻く社会環境などの変化を踏まえ、「授乳・離乳の支援ガイド」を改定した。「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会(座長:五十嵐隆 国立成育医療研究センター理事長)で検討、とりまとめが行われてきたもの。過去にはネット上で母乳の売買が行われていたことが発覚するなど、母親たちにとって「母乳神話」ともいえる完全母乳を目指すプレッシャーは根強くある。
 そのため改訂では、母乳にアレルギー疾患予防の効果はない、と明記されたほか、育児用ミルク(粉ミルク)を併用すると肥満になる、といった誤解を母親に与えない配慮も求めた。そのうえで母乳だけにこだわらず、必要に応じて育児用ミルクを使うなど、適切な支援を行うことが必要だと説いている。
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必要に応じて育児用ミルクを
 同ガイドによると「授乳に関する動向」として、2015年度(平成27年度)の調査で妊娠中に「ぜひ母乳で育てたいと思った」と回答した人は全体の43.0%。「母乳が出れば母乳で育てたいと思った」と回答した人は50.4%で、合計で9割を超えている。

 実際に2015年度(平成27年度)は生後1カ月で51.3%、生後3カ月で54.7%の人が「母乳栄養」で育てており、この割合は2005年度(平成17年度)の調査より増加。出産後1年未満に働いていた人のうち49.3%が生後3カ月で「母乳栄養」だったと回答しており、混合栄養の35.8%より多いという結果だった。

 このようなことから同ガイドでは「母乳で育てたいと思っている母親が無理せず自然に母乳育児に取り組めるよう支援することは重要である」と明記。一方で母乳がインターネット上で販売されている実態に懸念を示し、授乳の支援は「母乳だけにこだわらず、必要に応じて育児用ミルクを使う等、適切な支援を行うことが必要」と強調した。

 さらに母親が育児用ミルクを選択する場合は、「その決定を尊重するとともに母親の心の状態等に十分に配慮し、母親に安心感を与えるような支援が必要である」とも強調した。
母乳にアレルギー疾患発症予防の効果はなし
 同ガイドで母乳には、
 ①乳児に最適な成分組成で少ない代謝負担
 ②感染症の発症及び重症度の低下
 ③小児期の肥満やのちの2型糖尿病の発症リスクの低下
 などの報告がされていると解説。

 母乳を与えることによって、「産後の母体の回復の促進」、「母子関係の良好な形成」などの利点もあるとした。

 一方で、③については、完全母乳栄養児と混合栄養児との間に肥満発症に差があるとするエビデンスはなく、「育児用ミルクを少しでも与えると肥満になる」などの誤解を与えないように求めている。

 また、旧ガイドでは完全母乳によってアレルギーを予防する効果が認められたという研究結果を紹介していたが、今回は削除された。そのうえで「(生後)6カ月間の母乳栄養は、小児期のアレルギー疾患発症に対する予防効果はない」とする添え書きを追加している。

 同様に離乳については、「食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないことから、生後5~6カ月頃から離乳を始めるように情報提供を行う」旨を明記。

 ただし食物アレルギーが疑われる症状がみられた場合は自己判断せず、必ず医師の診断に基づいて離乳を進めるよう求めた。

[yoshioka]

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