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産学官協働で「未病改善プラットフォーム」を開始 健康や生活のセンシング技術で病気になる前から対策

 東京工業大学未来型スポーツ・健康科学研究推進体は、静岡県掛川市で「未病」改善に向けた「未病改善のための健康増進プラットフォーム」の構築に向けた実証実験を2月から実施した。
自治体と連携し、未病改善に関する実証実験を実施
 「未病」とは、病気と健常との間の状態。病気になる前段階から対策を施すことで重症化を防げ、また医療機関に行く前に自身で病気を防げことができると考えられている。

 2025年には日本の人口の3割は65歳以上の高齢者になり、高齢者世帯が増加すると予測されている。超高齢化社会に対策するためのアプローチとして「未病」は注目されている。

 東工大未来型スポーツ・健康科学研究推進体は、機械工学、電子工学、IT技術などを融合し、健康増進支援システムなどを開発する研究を行っている。

 このほど、「AIプロテオミクス」を活用したヘルスケアプラットフォームを提供するaiwellや大崎電気工業と協力し、「地域健康増進プロジェクト」を開始した。

 「AIプロテオミクス」は、二次元電気泳動で網羅的に画像化された血中タンパク質のデータを人工知能(AI)で解析し、さまざまな病気になる一歩手前の状態を発見する研究だ。
高齢者の健康状態を「見える化」、生活データを収集
 研究グループは、静岡県掛川市の協力のもと、「未病改善のための健康増進プラットフォーム」の構築を目指したプロジェクトを開始。自治体も連携した未病改善に関する実証実験は、国内初の取り組みとなる。

 地域の高齢者を対象に、血液検査、スマートウォッチ、スマートメーターからのデータなど、さまざまな生活データを収集・活用し、個人の健康を支えるために公的サービス・民間サービスが連携する。

 高齢者の健康状態を「見える化」するため、個人の不調具合の内観と、微量採血による血液検査データを取得。加えて、スマートフォン、各種センサー、スマートメーターからのデータを使って生活データを収集、それらを統合して分析を行う。

 データにもとづき、専門家や、家族、行政が健康増進のためのアドバイスを高齢者に提供。そのアドバイスをもとに、個々人が日々の健康改善に取り組む。

 これにより介護状態になる前に分析データによる「気づき」を得ることが可能になり、行政や民間サービスによる生活改善にむけたアプローチが可能になる。
最新の医療や電子工学、IT技術を融合
 実証実験は、2019年2月から6週間をかけて実施され、掛川市内の18世帯から年齢68歳~79歳の高齢者19名が参加。

 福祉センターで月に2回実施されている健康増進のための体操の機会に、参加者の基本的な健康データ(体組成、体重、血圧)をチェックし、同時に微量採血を実施。

 また、参加者にはスマートウォッチを配布して、日常の運動量をモニターするとともに、各家庭に設置したスマートメーターや人体の動きを感知するセンサーにより家庭での生活データを取得した。

 30項目の精密検査が可能な微量採血検査キット「aiwell care(アイウェル・ケア)による血液検査結果をもとに専門医が診断。東工大のAIプロテオミクスによる画像分析、スマートウォッチなどによる日常の活動量データ、スマートメーター等を活用した電気、水道、ガス使用量の計測値データなどの解析も実施。

 大崎電気の提供する「ホームウォッチ」は、各種センサー設置により、家の中の活動量を測定し、高齢者の見守り・防災などにも活用できる技術だ。

 電力量計などの計測制御機器で収集したデータをもとに、IoTデバイスやアプリケーションと組み合わせて、スマートホームを実現する。

 また、オリジン・ワイヤレス・ジャパンによるWi-Fiセンサーを使った高精度な睡眠モニタリングも使用。

 この技術は、人の動き、呼吸、転倒、認証、屋内測位などの検知を行い、高齢者の見守り、ライフログの提供などさまざまなサービスへの応用が期待されている。
健康増進プラットフォームで超高齢化社会に対策
 研究は引き続き行われるが、今回の成果として、問題意識のある地域住民や、それを行政関係者に、「未病改善のための健康増進プラットフォーム」の考え方が伝わったことが挙げられるという。

 得られたデータの統合と解析により得られた成果をもとに、市民や行政との対話を継続するという。

 プロジェクトの狙いは、要介護状態になる前の早期診断・早期対応の実現により、個人や家族のQOL(生活の質)を向上させ、「健康で長寿」の実現につなげることだ。

 増加する高齢者世帯では、高齢者の生活機能の低下の発見や対処が遅れる可能性が高く、健康上のリスクが高い。介護難民、孤独死の予防などのさまざまな社会問題へのアプローチにも発展できる可能性がある。

東工大未来型スポーツ・健康科学研究推進体
[Terahata]

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