「母子健康手帳」11年ぶり見直し
―デジタル化や心のケア記載など項目充実へ
心のケアや「睡眠」「スマホ」など記録項目追加へ
個別の事項では、以下の方針などが盛り込まれた。
- 子育て世代包括支援センター等に相談するよう促す記載を追加する
- 産後ケア事業に関する記録欄を追加する
- 父親や家族が記載する欄を増やす
産後うつ病は、およそ10~15%の女性に発症するといわれ、気分の落ち込みや楽しみの喪失、自責感や自己評価の低下などを訴え、産後3か月以内に発症することが多い。
特に現在のコロナ禍の状況にあっては「コロナ禍で出産・育児を経験した女性の『産後うつ』の割合が倍増」という神奈川県立保健福祉大学の研究報告(2022年4月)もある。心のケアは重要な課題だ。
また、厚労省が9月15日の第4回検討会に提出した「主な様式改正のイメージ」では、成長発達の目安について「寝かせるときは、あお向けに寝かせていますか」「保護者ご自身の睡眠で困っていることはありますか」〔2週間頃〕、「自動車に乗るとき、チャイルドシートを使用していますか」、「お子さんの睡眠で困っていることはありますか」〔3~4か月頃〕、さらに「テレビやスマートフォンなどを長時間見せないようにしていますか」〔2歳の頃〕などの項目を追加する考えを示している。
厚労省は、検討会報告を受け、母子健康手帳の様式改正を進め、来年度以降、新様式の手帳を交付する方針だ。また「中間報告」としているのは、次回以降、母子健康情報の電子化およびデジタル化について議論することを想定しているためで、今後も検討会は継続して開かれる。
<参考資料>
母子健康手帳の見直し方針について(中間報告書)(厚生労働省)
母子健康手帳、母子保健情報等に関する検討会(厚生労働省)
【プレスリリース】コロナ禍で出産・育児を経験した女性の「産後うつ」の割合が急増(神奈川県立保健福祉大学)
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