ニュース

人工妊娠中絶件数は前年に比べ減少 今後も望まない妊娠を減らす工夫が必要 「令和3年度 衛生行政報告」

 厚生労働省による令和3年度衛生行政報告例の概況がこのほど公表された。

 このうち母体保護関係については人工妊娠中絶件数を調べており、全体的に減少傾向にあるものの、引き続き望まない妊娠を減らす努力が求められている。

人口中絶件数は全体的に減少 今後も望まない妊娠を減らす工夫を

 衛生行政報告例は精神保健福祉、栄養、母体保護などの行政分野について毎年調査し、衛生行政運営の基礎資料を得ることを目的としている。公表結果は都道府県や指定都市、中核市からの報告をもとに集計。「健やか親子21」などに利用されている。

 このうち母体保護関係を見ると、令和3年度の人工妊娠中絶件数は126,174件の報告があった。前年度に比べて15,259件(10.8%)の減少。年齢階級別で多いのは20〜24歳の30,882件、25〜29歳の26,087件で、20代が全体の半数近くを占める。

 20歳未満は9,093件で、うち15歳未満は125件、15歳は246件、16歳は763件などとなっている。20歳未満の各年齢ではいずれも前年比では減少している。

 一方で40歳以上の人工妊娠中絶を見ると、40〜44歳が12,018件、45〜49歳が1,252件、50歳以上が19件だった。50歳以上は全年齢区分の中で唯一、前年比9人の増加。閉経が近い年代も避妊に対する意識向上が求められる。

 人工妊娠中絶の実施率は、全体で見ると5.1(人口千対)で前年比0.7減。最も多い20〜24歳は10.1で、25〜29歳の8.4が続く。20歳未満全体では3.3。全体的に減少傾向が続いているものの、引き続き望まない妊娠を減らす努力が求められる。

令和3年度衛生行政報告例の概況(厚生労働省/2023年1月19日)

[yoshioka]
side_メルマガバナー

「母子保健」に関するニュース

2023年08月17日
「女性活躍と男女共同参画の現状と課題」を整理 家族を取り巻く状況にも変化が 内閣府
2023年08月15日
スマホやゲーム機で遊ぶ時間が長いと睡眠障害に 子供の言語力や認知力の発達が低下 食習慣も大切
2023年08月10日
市販薬の適切使用とヘルスリテラシーの関連を明らかに〜筑波大の研究グループ
2023年08月01日
肥満やメタボになりやすい生活習慣は子供のうちに身についている 子供の頃から保健指導が必要
2023年07月31日
どんな女性が乳がん検診を受けていないかを調査 がん検診の受診率を高めるために何が必要?
2023年07月24日
「産後うつ」の病態を解明 妊娠中から予測し予防的な対策を 健やかな母子家庭環境を維持するために
2023年07月20日
妊婦健診の受診が少ない集団は低出生体重児の割合が多い ソーシャルサポートが大切 エコチル調査
2023年07月18日
子供が生まれて家事が増えると女性の幸福感は低下 夫は妻の半分しか家事をしていない 結婚・子育て世代1万世帯を調査
2023年07月18日
【新型コロナ】コロナ禍で5歳の子供に4ヵ月超の発達の遅れ 子供の健康な発達のために何が必要?
2023年07月03日
【新型コロナ】10~24歳の女児・女性の自殺が増加 他人との接触が減り精神的影響を受けている可能性
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶