オピニオン/保健指導あれこれ
保健指導サービスの質の管理

No.3 「保健指導サービスの質の管理」の仕組み

産業医科大学
森 晃爾
 「保健指導サービスの質の管理」システムの運用
 システムのマニュアル化ができれば、導入・運用フェーズに入ります。まず初年度の計画を策定します。一定期間でシステムが目指すものはすでに目標として設定されていますので、当然、計画は目標の内容を意識したものでなければなりません。計画の中身は、実施頻度によって、1~3ヵ月等の定期的に行う活動と、年度内に1~2回実施する活動に分けられます。また、保健指導サービスに直接関連するものと、質の管理を組織的に運用するためのものが含まれます。そして計画が決まれば、システムの運用を開始します。

定期的に行う活動例
 品質管理委員会等の開催
 保健指導実践者向けのスキルアップ継続研修(教育)
 保健指導実施例のケースカンファレンス
 保健指導使用施設および物品の状況確認

年度内に1-2回実施する活動例
 年度目標および年間計画の策定(組織全体および部門毎)
 年間計画の策定と進捗確認
 新入社員研修(教育)
 緊急・救急事態対応訓練
 内部監査(監査員の養成研修と実施)
 年間目標および実施計画の評価

 保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド
 厚生労働科学研究費補助金で開発した「保健指導サービス品質管理システム」導入支援ガイドが利用可能です。このガイドは、システムに盛り込むべき事項を並べたガイドラインと、それらを具体的にマニュアル化する際に利用できるテンプレート、年間目標や計画などの様式から構成されています。

 私たちは、いくつかの保健指導サービス機関において、このガイドを使った導入支援のモデル事業を行ってきました。その結果、最初はシステムに振り回されることも多かった組織が、3年目を迎えるころからシステムをうまく活用して、さまざまな改善が引き起こされることを確認しました。また、システム運用を通して、保健指導実践者が自らの仕事の意義を理解して、高いモチベーションで業務に臨むことができるようになったり、機関全体の中で保健指導サービスの担当部門の認識が高まるような副次的な成果も上がっています。

 保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイドは、前回の「保健指導の質の評価ガイド」同様、以下のホームページから入手することが可能です。
保健指導サービスの質の管理(産業医科大学)

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