オピニオン/保健指導あれこれ
保健指導サービスの質の管理 ~選ばれる健診機関であり続けるために~

No.2 保健指導実践者を育成する取り組み

聖隷福祉事業団 保健事業部 看護部長 看護師・産業カウンセラー
鳥羽山 睦子
図1 保健指導実践者を育成するための三要素

 質の高い保健指導サービスの提供は、現場力を磨くことであり、人材育成が最も重要です。優れた保健指導実践者を育成するためには、ナイチンゲールが提唱する看護の三要素である「知識・技術・態度」を取り入れた継続教育と高いモチベーションの維持が大切です。

 スタッフによるばらつきを少なく、一定の水準まで引き上げられた指導を提供できるように、キャリアや経験年数の違う保健指導実践者に対し階層別研修を行っています。階層別研修とは能力別に体系化した教育システムで、1. 実践能力、2. 組織的役割遂行能力、3. 自己教育研究能力に分かれています。

 今回は、実践能力に含まれている新人及び中途採用者を対象とする保健指導基礎教育研修と、保健指導実践者全員を対象とするいきいきスキルアップ研修など、資質向上を目指した取り組みについてご紹介します。

 保健指導基礎教育研修の展開

保健指導基礎研修の目的
(1) 厚生労働省保健指導プログラムの各疾患ガイドラインを学ぶ
(2) ロールプレイを実践し、やる気を引き出す保健指導の方法を学ぶ
(3) 受診者役を体験することで受診者の気持ちを理解する
(4) 事例検討を行い看護診断能力を磨く
(5) 個々のラダーレベルの到達目標を達成する
(6) 保健指導の知識を技術に反映できる

 中途採用者を含む新入職員への教育は、組織性を身につけることから始まります。

 組織の理念、方針、目標などを理解すると共に、保健指導実践者として自身の課題を明確にし、あるべき姿を明らかにします。

 その上でこの研修のねらいである

(1)組織人としてよりよい人間関係を築くことができる
(2)コミュニケーションスキルを学び、実践できる
(3)予防医学に関連する疾患のガイドラインと病態生理を学び、保健指導に活かすことができる
 ことを目指しています。

 基礎研修は年8回、各120分のプログラムで実施しています。

 毎年4月に約1ヶ月間の集合研修を終了し各職場に配属された新入職員にとって、同期全員と顔合わせができる機会であり、お互いの成長を確認しあったり、励ましあったりと様々な交流の場となっています。

 この研修では疾患別ガイドラインを中心に理論を学び、病気になっていくプロセスと共に、それを解りやすく説明する方法、説明に用いる教材ツールも紹介されます。また、生活習慣改善方法も学びます。講義は各職場長が推薦した職員が担当します。

 2回目以降は前回の講義内容をテストし、要点を再確認できるようにしています。また前回の講義、ロールプレイの学びを実際の指導場面に活かした実践報告もしています。この体験学習を通して、専門職として成長し続けることの大切さや面白さを実感して欲しいと思っています。

 研修の後半はロールプレイによる技術研修ですが、急に実践するのは難しいため、事前に先輩たちと事例の整理・分析をします。情報を整理することで身体の中で何が起こっているのかアセスメントし、支援内容を検討します。演習は指導者役、受診者役、観察者役を全て体験します。受診者役を体験することで、受診者の気持ちを理解することにつながっています。

 ロールプレイは、まず先輩が見本を見せることから始まります。

 保健指導は個室で実施され、先輩の指導を見て学ぶという機会に乏しいため、ロールプレイ研修により他のスタッフの指導を参考にすることができると好評です。

 評価シートは年間を通して使用され、各評価項目ごとに点数化し課題を明確にしています。また、ロールプレイを通じて学んだことを記録することで、個々の成長発達につなげています。

 ロールプレイのフィードバックは

●「良かったところ」を褒めること
●「~するともっと良くなるね」とプラスの視点で伝えること
 を大切に行っています。

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