オピニオン/保健指導あれこれ
ケアのちから

No.3 "地域まるごとケア"と「住民力」

ノンフィクション・ライター
中澤 まゆみ
 理由はいくつかあります。まず、納税者としての立場から考えると、医療保険では7割~9割、介護保険では9割が「国の負担」とされていますが、その財源はもとはと言えば私たちが支払う税金です。それに加えて「保険料」も支払い、窓口医療費も払っているわけですから、煎じつめれば、医療と介護の費用は国民・住民がすべて払っている、ということになります。

 ところが、私たちの多くは収めた税金や保険料の使い道に無頓着です。基本自治体の医療計画や福祉計画にも関心がなく、できあいの制度に乗った「おまかせ医療」「おまかせ介護」に甘んじています。それが「医療費・介護費」の増大に結びつき、その一方で、国や地方自治体の公共事業などでの大いなる無駄遣いを許し続けています。

 現在、介護を受けている高齢者は戦前・戦中派の80歳以上がほとんどですから、自分が払った税金で医療や介護を受ける当事者である、という意識をもつことはなかなかできません。しかし、今後のケアの予備軍である戦後生まれの団塊の世代は、その前の世代よりも「当事者意識」があります。「おまかせではいけない」とか、「元気なうちは地域に貢献したい」と感じている、そうした人の意識を刺激して、モノ言う地域の社会資源を増やしていけば、自治体が地域から変わっていきます。

【開催案内(2014/1/18)】
第7回区民の視点で考えるシンポジウム「高齢社会の未来は住民力で」

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