オピニオン/保健指導あれこれ
改めて公衆衛生看護とは

No.1 保健師は公衆衛生の担い手

日本保健師活動研究会会長
平野 かよ子

 保健師は公衆衛生を看護の立場から担う者です。しかし、このことは多くの人に認識されているわけではありません。

 特に保健師の養成においては、平成8年の看護師等養成所指定規則の改定で、保健師養成のカリキュラムが「公衆衛生看護学」から「地域看護学」に変更され、保健師は地域看護の担い手であるとされた時期がありました。それが平成23年の改正で再度公衆衛生看護学となりました。

 私は保健師は公衆衛生の担い手以外であってはならないと思い、日本公衆衛生看護研究会を発足させ、公衆衛生看護の重要性を主張してきました。

 では、地域看護と公衆衛生看護はどのような点が異なるのかでしょうか。この違いを明確にするために、現在、地域看護学会と公衆衛生看護学会がその定義を論議しているところですので、定義については詳述しませんが、公衆衛生は何であるのかをいくつかの側面から整理してみたいと思います。

 公衆衛生の定義としては、アメリカのイェール大学の教授であったウィンズロー(Winslow,C,EA)が1920年に公衆衛生を「共同社会の組織的な努力を通じて、疾病を予防し、寿命を延長し、身体的・精神的健康と効率の増進を図る科学であり技術である」と定義しました。90年以上前のものですので、現在の社会情勢とは異なる点も多いと思いますが、この定義で重要なことは「共同社会の組織的な努力を通じて」ということだと思います。

 すなわち、「人々が暮らす社会の中で、人々や関係者が所属する集団・組織が共同し努力することにより作り上げるもの」と定義付けたことであり、このことは時代を超えた公衆衛生の本質であると思います。

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