オピニオン/保健指導あれこれ
中学生・高校生 2万人を対象にした思春期アンケート調査

No.3 親子の関係について

厚生労働省 子ども・子育て支援推進調査研究事業
永光 信一郎(久留米大学小児科学講座 准教授)研究班

あなたの家族は、家の中でよく会話をしますか?

 中学生では、高学年になると「いつも」会話されている家庭は少なくなる傾向が見られました。「たまに」と、「まったくない」の回答を合わせると1割近くが会話が少ないことがわかります。

 高校生では学年の差はなくなっています。このことから会話する家庭、会話をしない家庭が決まっていることも推測できます。今回の調査ではそこまで詳しくは実施していませんが、共働き、兄弟の数、親御さんの年齢、核家族など様々なことが関係している可能性があります。

 性別でみると女子のほうが、「いつも」会話すると答えている人が多いことがわかりました。

家の中での会話と、友だちの数の関係について


 よく会話する家族で過ごしているお子さんのほうが、友だちの数はたくさんいる傾向がありました。

 これは、家庭の中での家族の会話が、とても大切であることが改めてわかる興味深い結果です。

 中学生・高校生ともに同じような傾向が出ています。高校生では、友だちの数が「少ない・ほとんどいない・わからない」と答えている人が増えているのは、グループで過ごすよりも真の友だちとのつき合いが多くなるからかもしれません。

家の中での会話と、幸福感について


 家の中での家族の会話と、子どもの幸福感も同じように関係していました。

「幸せだと感じていますか?」だけではなく、「健康だと感じていますか?」、「ひとりぼっちだと感じていますか?」という質問でも、同じような結果でした。つまり、家庭の中での家族の会話が少ない子どもほど、ひとりぼっちを感じている子が多いことがわかります。

家の中での会話と、結婚の希望の関係について


 結婚観も家庭内の家族の会話量によって異なるようです。アンケート結果より、家の中で家族がいつも会話する家庭の子どもは、結婚をしたいと思う率が高く、会話が少ない家庭の子どもは、あまり結婚したいとは思っていないことがわかります。

 「あなたは、今の家族の中で育ったことを良かったと思いますか?」という質問の回答では、85%の子どもが、「とても良かった」、または「だいたい良かった」と回答。一方で、1割前後の子が、「あまり良かったとは思わない」、または「全く良かったと思わない」と回答していました。

 家族の中で会話がいつもある家庭の子どもほど、今の家族の中で育ったことを良かったと思う率が高く、会話が少ないほど、家族に対する良いイメージが持てていないようでした。

「家庭内での家族の会話」の重要さを見直そう
 会話を増やすためにはどうしたらいいのでしょうか?

 今回、「家庭内での家族の会話」という点から解析をした結果、家庭内での家族の会話が、様々な点に影響していることが明確にわかりました。

 家庭内での会話を増やすためにはどうしたらいいのでしょうか?

 インターネットやスマホが普及して、リビングルームに家族が集まるけど、皆がそれぞれスマホ操作をしていて家族の会話がなくなったり、子どもたちも友だちの家に遊びに行っても、それぞれがゲームをして遊ぶようなことがあります。子どもだけではなく大人も、便利なインターネットやスマホとのつき合い方を考えないといけないのだと思います。

 1日のうちの少しの時間でも、または1週間のうちの何曜日かに、家族で、または子どもと、お話しをするという小さな意識を持たせることで、大きな変化が期待できると思います。

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