オピニオン/保健指導あれこれ
禁煙指導のかんどころ

No.2 日常診療・健診・指導時にも使える短時間で行う効果的な禁煙支援方法

勤労者健康科学研究所
斎藤 照代
 禁煙意思のある場合
 5Aとは、禁煙支援の手順を示しています。

 まずすべての患者に必ず喫煙するかを尋ね(Ask)、すべての喫煙者に対して、禁煙の重要性を理解してもらうために「禁煙する必要が有る」ことを「強く」「はっきり」と促し(Advise)、すべての喫煙者に禁煙しようと思うかを尋ね(Assess)、禁煙する気がなければ5Rへ、禁煙する気があれば禁煙の方法や禁煙外来の紹介等の禁煙支援を行い(Assist)、再喫煙しないよう対策を立て支援を継続する(Arrange)という手順になります。

 禁煙意思がない場合
 5Rは、禁煙への関心を高め禁煙の動機を強化する方法です。

 まず禁煙の必要性を健診データや性・年齢といった喫煙者自身に直接関わる問題として関連づけ(Relevance)その人がナゼ禁煙する必要があるかを説明し、喫煙を続けた場合のリスク(Risks)、禁煙した場合のメリット(Rewards)を示し、禁煙を達成する際の障害となる問題(Roadblocks)を解決し、禁煙支援を繰り返し(Repetition)禁煙への動機を強化するという方法です。

 厚生労働省も、「標準的な健診・保健指導プログラム」の改訂案の中で健診等十分、禁煙支援の時間が確保できない際に短時間で行う禁煙支援の方法を示した「禁煙支援簡易マニュアル」を策定し、本年3月中にも新しいプログラムを関係者に通知する方針を示しています。

 日常診療や健康診断・保健指導の場面は、多くの喫煙者と出会う場でもあります。ぜひ、皆様が出会うすべての喫煙者に禁煙を促し情報提供し、一人でも多くの喫煙者を禁煙へと導いていただけたらと思います。

※図1 画像をクリックすると参考資料(厚生労働省 平成23年度「たばこ・アルコール対策担当者講習会」配布資料)にリンクします(PDF)

厚生労働省 平成23年度「たばこ・アルコール対策担当者講習会」

アルコールと保健指導
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