ニュース

テレビの長時間視聴が子供の肥満の原因に 子供の脳の発達にも影響

 テレビの視聴は子供にさまざまな影響をもたらす。テレビの長時間視聴は子供の肥満の原因になるだけでなく、脳の発達にも影響するというという研究が発表された。生活習慣の基礎は子供のうちに身に付く。「子供のテレビ視聴に対し、いっそうの注意が必要です」と研究者は注意を促している。
子供のテレビ視聴時間は2時間超
 テレビやビデオゲームなどで遊ぶ時間が長い子供は、肥満や太り過ぎになりやすいという調査が米国で発表された。「テレビの前に座ったまま過ごす時間が長いと、子供は運動不足になり、食生活も乱れやすくなります」と、研究者は注意を促している。

 子供のいる親の多くは「子供のテレビの視聴時間を制限している」と思っているが、実際には、米国とカナダの子供のテレビの平均視聴時間は2時間を超えているという。

 「子供の多くはテレビを見るのが好きなのです。親に禁止されていても、"あと30分、1時間"とテレビの視聴時間を引き延ばそうとします」と、カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生大学院のジェニファー ファルブ氏は言う。

 子供の健全な発育を促すために、アメリカやカナダの運動ガイドラインでは、毎日1時間以上は屋外で運動をすることを勧めている。子供の意思にまかせて、自由に遊ばせてあげることが必要だ。「生活が豊かになり、物が溢れている現代社会では、それを阻むものがあります。最大の要因はテレビやコンピュータゲーム、インターネットの動画配信などです」と、ファルブ氏は強調する

テレビの視聴時間が長いと子供は肥満になりやすい
 研究チームは7,792人の子供を対象に、生活習慣と肥満の関連を調査した。研究開始時の子供の年齢は9~16歳だった。男児の24%、女児の17%が肥満や太り過ぎだった。

 2004年から2008年にかけて隔年で調査したところ、1日のテレビの視聴時間が30分増えるごとに、子供のBMI(体格指数)は平均して0.1ポイントずつ増えていくことが判明した。

 BMIは身長からみた体重の割合を示す体格指数で、肥満度の目安となる。成人ではBMIが25を超えると肥満と判定される(米国ではBMI30からが肥満)。

 肥満の子供ではこの傾向がとくに強くなる。テレビの視聴時間が1日に2時間を超えている子供では、テレビを見ない子供に比べ、1日のテレビの視聴時間が30分増えるごとに、男児ではBMIが0.16ポイント、女児では0.29ポイントずつ上昇していった。

 成人ではBMIが1ポイント増えると体重が0.5~1kg増える。子供の頃にBMIが0.1ポイント増えることは大きな意味をもつと、研究者は指摘している。

 「テレビの視聴時間が長い子供ほど、肥満傾向があることが分かりました。子供のうちに身についた不健康な生活習慣は、成長してからも引き継がれることにも注意が必要です。調査では、テレビの見過ぎる生活スタイルが定着している子供は、歳を重ねるこどに肥満傾向が強まることも判明しました」と、ファルブ氏は述べている。

テレビを見てばかりいるとジャンクフードを食べたくなる
 テレビの前ではソファーにおさまり、座りきりになることは、成長期の子供にとって好ましくない。引きこもった生活を助長することになるからだ。テレビの視聴時間の長い子供は、運動不足の傾向が強く、高カロリーで栄養価の低いジャンクフードを食べる頻度も高かった。

 「テレビの前に座りきりになることで、体を動かさない生活が定着します。テレビの放送番組にも注意が必要です。高カロリーの不健康な食品のコマーシャルが多く放送されています。それを見て、子供は冷蔵庫を空けて、クッキーなどのお菓子や清涼飲料を欲しがるようになります」(ファルブ氏)。

 テレビを見ているときは両手が空く。何か食べ物をつまみたくなる衝動にかられるのは、大人だけの話ではない。テレビ番組では、スナックやジャンクフードの広告が多く放送されており、それを見て子供も何か食べ物ををつまみたいという衝動にかられるようになるという。

 「コンピュータゲームでプレイすることは、受動的にテレビを見続けるのよりは、いくらか良いかもしれません。ゲームはテレビよりも、能動的でアクティブな要素が強くなります」と、研究者は指摘している。

子供の脳の発達や言語性知能にも悪影響
 長時間のテレビ視聴は、子供の脳の発達や言語性知能にも悪影響を及ぼすという研究も発表された。この研究は、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授らの研究チームによるものだ。

 研究チームは、宮城県の5~18歳の子供や若者を対象に、テレビの視聴時間や家庭環境を調べ、脳画像の解析や知能テストを実施した。そのうちの216人を追跡調査した。

 テレビ視聴時間などの生活習慣、知能テストを行い、子供たちのMRI画像を撮影。3年後に初回の調査に参加した216人に、知能テストとMRI画像の撮影を実施した。成長をとらえられるよう2回目を3年後に設定した。

 その結果、言葉を理解したり、口頭で表現する言語知能について、テレビを長時間視聴していた乳幼児や小児たちは、そうでなかった子供たちに比べて3年後に低下していることが判明した。

 研究チームは、脳の形態の変化を評価するために、健全な脳の発達によって減少する局所灰白質量に着目。テレビを長時間視聴していた子供では、局所灰白質量の減少が少ないことを突き止めた。

 川島教授は「発達期の子供の長時間のテレビ視聴には、よりいっそうの注意が必要です。子育て中の世代に、生活習慣を考え直すきっかけにしてほしい」と述べている。

Adiposity and Different Types of Screen Time(米国小児科学会 2013年11月25日)
長時間テレビ視聴が小児の高次認知脳領域の発達性変化や言語性知能に悪影響を与えることを発見(東北大学 2013年11月21日)

[Terahata]

「特定保健指導」に関するニュース

2018年10月18日
【参加募集中】第6回(2018年度 第2回)産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「メンタルヘルス」※定員に達したため、応募を締め切りました
2018年10月18日
帝京大学産業保健プログラム 受講生募集
2018年10月17日
日本肥満学会など23学会が「肥満症」の撲滅目指し「神戸宣言2018」
2018年10月17日
高齢者の体力が向上 女性の運動離れは深刻 【体力・運動能力調査】
2018年10月17日
母乳で育てた女性は脳卒中リスクが低下 8万人を12年以上調査
2018年10月17日
全身持久力を向上させ高血圧を予防 「身体活動基準2013」で検討
2018年10月17日
魚を食べると大動脈疾患リスクが低下 食べない人では死亡リスクが2倍に
2018年10月15日
パートナー企業とヘルスケア分野でオープンプラットフォーム構築―タニタヘルスリンク
2018年10月10日
「歩幅プラス10cmウォーキング」でロコモ・サルコペニアを防ぐ
2018年10月10日
たった一晩の「不眠」でメタボや糖尿病に 睡眠を改善するための7ヵ条

最新ニュース

2018年10月22日
現役保健指導スタッフと共同制作!「撃退!トリプルリスク」指導箋無料配付キャンペーンのお知らせ
2018年10月22日
【PR】病気を発見するAIや遺伝子検査予防法など最新技術が集結!無料の専門セミナーも多数開催【健康診断・健康管理EXPO】
2018年10月18日
【参加募集中】第6回(2018年度 第2回)産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「メンタルヘルス」※定員に達したため、応募を締め切りました
2018年10月18日
帝京大学産業保健プログラム 受講生募集
2018年10月18日
【健やか21】平成30年度「麻薬・覚醒剤乱用防止運動東京大会」(参加申し込み受付中)
2018年10月17日
日本肥満学会など23学会が「肥満症」の撲滅目指し「神戸宣言2018」
2018年10月17日
高齢者の体力が向上 女性の運動離れは深刻 【体力・運動能力調査】
2018年10月17日
母乳で育てた女性は脳卒中リスクが低下 8万人を12年以上調査
2018年10月17日
全身持久力を向上させ高血圧を予防 「身体活動基準2013」で検討
2018年10月17日
魚を食べると大動脈疾患リスクが低下 食べない人では死亡リスクが2倍に
2018年10月15日
パートナー企業とヘルスケア分野でオープンプラットフォーム構築―タニタヘルスリンク
2018年10月15日
厚労省専門委が5歳児虐待死亡事件の検証結果を公表
2018年10月12日
【健やか21】第 77 回日本公衆衛生学会総会 自由集会 ~知ろう・語ろう・取り組もう~
2018年10月10日
「歩幅プラス10cmウォーキング」でロコモ・サルコペニアを防ぐ
2018年10月10日
たった一晩の「不眠」でメタボや糖尿病に 睡眠を改善するための7ヵ条
2018年10月10日
「子宮頸がんワクチン」の効果は高い HPVウイルス感染を90%以上予防
2018年10月05日
乳がん検診に「人工知能(AI)」を導入 マンモグラフィの欠点を克服
2018年10月05日
肺の健康を守るには口の健康から 歯周病が進行すると呼吸機能が急速低下
2018年10月05日
「改正健康増進法成立! 受動喫煙対策を強化」へるすあっぷ21 10月号
2018年10月05日
厚労省が「働く女性の実情」を公表~女性活躍推進法に基づく取組状況を解説
2018年10月05日
「健康なまち・職場づくり宣言2020」2018年の達成状況を報告~日本健康会議
2018年10月04日
【講演会レポート】「10月8日は、糖をはかる日」講演会 「"これからの"血糖コントロール」
2018年10月04日
【回答期限延長(10/30 15:00まで)】「保健師の活動基盤に関する基礎調査」(日本看護協会)
2018年10月04日
【健やか21】若い世代に向けた妊娠・出産に関する普及啓発Webサイト(東京都)
2018年10月03日
【産保PC第5回(2018年度 第1回)レポート】テーマ:保健指導
2018年10月02日
心不全が急激に増えている 「心不全パンデミック」時代の3つの予防法
2018年10月02日
「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護
2018年10月02日
魚のオメガ3系脂肪酸が「不安症状」を軽減 魚を食事療法に活用
2018年10月02日
10月は「乳がん啓発月間」 定期的なマンモグラフィ検診は効果的
2018年10月01日
保健指導リソースガイド「よろず相談センター」が誕生
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,558 人(2018年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶