No.3 更年期を前向きに—いまできる「セルフケア」を更新する
提供 大塚製薬株式会社
更年期症状には個人差がある
閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を更年期と言います。更年期の不調は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが急激に減少し、閉経後はほとんど分泌されなくなることに起因します。
エストロゲンには女性の骨や肌、髪などを健やかに保つ役割があり、また自律神経とも関係があることから、更年期には、のぼせ・ほてりや発汗(ホットフラッシュ)、皮膚の乾燥、疲れやすい、不安感、イライラなど、さまざまな不調が現れやすくなります。
その症状の種類や程度には個人差があり、中には日常生活に支障をきたすほど重い状態の「更年期障害」になる人がいる一方、気になる不調を感じないまま更年期を終える人もいます。
個人差が生まれる背景には、その人自身の性格(キャラクター)も少なからず影響しています。例えば「完璧にこなさなければ」という思いで自己犠牲を続けてきたような人は、更年期症状が重くなりがちです。
また、更年期は人生の折り返し地点に相当する年代でもあり、さまざまなライフイベントが重なる人もいるでしょう。子どもの独立や親の死別、パートナーとの関係性の変化などによる不安や孤独感の高まりが、更年期症状にも影響を及ぼすとも考えられます。
プライベートでの多種多様な変化に加え、仕事のうえでの責任やプレッシャー、忙しさも、不調を抱える原因になりやすいでしょう。
経済損失から見る職域支援の重要性
令和6年に経済産業省が女性特有の健康課題による経済損失の試算について、数値を公表しました。その中で、規模が大きく、経済損失が短期で発生するため職域での対応が期待される項目として、月経随伴症、更年期症状、婦人科がん、不妊治療の4つが抽出されています。
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出典:経済産業省・ヘルスケア産業課「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」より作成
[ https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/jyosei_keizaisonshitsu.pdf ](2025年11月現在)
それまで多くの企業は20代から40代前半の女性を念頭に、月経随伴症が最も経済損失を産む課題だと考えていたのですが、経産省の試算による年間の経済損失は、月経随伴症の約0.6兆円に対し、更年期症状が1.9兆円と圧倒的に多いものでした。その差を生んだのは、更年期症状に伴う離職の損失と、追加採用にかかる費用だけで1兆円を超えたためです。
専業主婦が大多数を占めていた時代であれば、更年期症状で体調が優れなければ家で休むことができたかもしれません。しかし現在は更年期の年代でも外で働く女性が増え、立場や責任のある仕事を任されている方も多いはずです。
“言いづらさ”を超えて支援を得る 本人の能動性が鍵に
自立して生きる女性としては、更年期症状にも自ら対処する姿勢が求められますが、同時に企業の側にも更年期の女性従業員をサポートする仕組みを準備してもらいたいと思います。一例として、更年期症状で通院できるよう、フレキシブルに働ける体制を整えている企業もあります。
同時に、家庭など、仕事以外の人間関係においても、周囲の理解とサポートが必要です。身近な人間関係になるほど「言いづらい」「察してほしい」ものだと思いますが、しっかり口に出して「具体的にこうしてほしい」と伝えた方が、うまくいく場合があります。
公私ともに、周囲からのサポートは必要です。自分から能動的に働きかけることは、周囲からのサポートをスムーズに得る一助となるはずです。
更年期症状の対策とセルフケア
更年期症状の治療法として、エストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)、向精神薬、漢方薬などがあります。HRTは更年期に「減少したエストロゲンを補う薬剤」で、更年期に起こる諸症状の緩和のみならず、更年期以降の疾病リスク(骨粗鬆症・動脈硬化、等)の予防が期待できます。経口剤、貼付剤、ジェル剤など剤形もさまざまで、個人の症状やライフスタイルに合わせて選択できますが、乳がん既往歴など、禁忌や慎重投与の人もいます。いずれにせよ、婦人科などの専門医と相談しながら、対処を決めていくことになります。
また、日常生活をどう過ごすかもポイントです。
セルフケアで重要なのは、バランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動など、まずは「生活習慣」の基本を整えることです。自分の健康を後回しにせず、できることから始めましょう。頑張り過ぎは逆効果になることもありますので、家電やアプリ、サプリメントなどを上手に活用することもひとつの手です。
栄養成分として、注目されているのが、エストロゲンに似た働きを持つエクオールです。エクオールは、大豆イソフラボンの一種である「ダイゼイン」から、特定の腸内細菌によって産生される成分で、さまざまな研究により大豆イソフラボンそのものよりも高い活性を示すことがわかっています。
例えば、エクオールを1日10mg摂取することでホットフラッシュの改善、骨密度の減少抑制が報告されています。
しかし、エクオールを作れる日本人女性は2人に1人とされており、作れる人でも大豆食品を食べないと作れません。また、エクオールは1~2日で体外に排出されてしまうため、腸内で作れない人も作れる人も直接エクオールをサプリメントなどで摂取することもおすすめです。
なお、エクオールに限らず大豆には特有の健康成分(サポニン・レシチン)や、タンパク質や食物繊維などの栄養が含まれます。日々の食生活に積極的に取り入れていただきたい食材です。
提供:大塚製薬株式会社
産業保健師だからこそできる支援
治療やセルフケアにより、更年期における症状が楽になるだけでなく、人生の折り返し地点ともいえる「更年期」に、改めて自身への健康アプローチを見直し実践することで、健康寿命の延伸にも大きく影響してきます。
しかし、現実問題として、更年期世代は仕事や用事に追われるため、どうしても自分のことを後回しにしがちです。だからこそ産業保健師が主導し、更年期症状改善の啓発に取り組む意義は大きいと考えます。
そこで大切なポイントになるのが、「自分の人生は自分で選ぶ」という意志を持ち、能動的に行動できるかということです。
更年期以降の女性は、加齢に伴う容姿の変化などで少しずつ、少しずつ自信が削られこともあるでしょう。だからこそ、自分でキレイになりたい、元気になりたい、と思って行動したことは、自信を回復する力につながります。例えば美容院で髪型や髪の色を変えることも、ヨガ・筋トレ・ウォーキングなどを始めてみることも、能動的なアクションです。その積み重ねが、更年期の女性にはとても大事なことです。
その意識づけやモチベーションの保ち方についても、ぜひ伝えていってほしいと思います。
「新・セルフケア」時代の更年期との向き合い方
実際のところ、更年期世代の従業員より若い産業保健師も多いのではないでしょうか。自身に経験がない分、更年期症状を訴える従業員の対応は難しいと感じられるのであれば、積極的に婦人科の受診勧奨をしていただいたらよいと思います。
これまでの「セルフケア」と言えば、健康に関する情報の収集や、バランスの取れた食事・適度な運動・充分な睡眠・サプリメントの利用、そして趣味や余暇でのリフレッシュといった、あくまで自分の知識習得や行動に基づくものでした。
しかしこれからは、「新・セルフケア」の時代です。定期的に健診・検診を受けることや、かかりつけ医を持ち普段から医療専門家による健康状態の把握やサポートを受けることも含めて「セルフケア」の一環であると考えるべきです。
会社の産業保健師もどんどん活用されるべきですし、地域の婦人科との連携も進めてほしいと思います。
「人生100年」と言われる時代、「20年後の自分を今の私が作っている」という感覚を多くの女性が持てるよう、産業保健師の皆さんからぜひ呼びかけてもらいたいと願っています。
一般的なセルフケア ✕ 医療機関の利用 = 活躍できる こころとからだ
特定の病気の早期発見と治療のための「婦人科検診(二次予防)」だけではなく、健康な時から、自身の健康状態を客観的・専門的に把握し、病気を予防することを目的とした「婦人科健診(一次予防)」が重要です。
「かかりつけ医」「婦人科健診/検診」は一般的にはセルフケアとは認識されていませんが、女性の健康を推進するために大きな役割を果たします。
大塚製薬では、従来の一般的なセルフケアと、能動的に医療機関を利用することで「活躍できる こころとからだ」を手に入れる「新・セルフケア」を提唱しています。
出典:大塚製薬・女性の健康推進プロジェクト「新・ヘルスケアとは」より作成
[ https://www.otsuka.co.jp/woman_healthcare_project/selfcare/new_selfcare.html ](2025年11月現在)
大塚製薬の「女性の健康推進プロジェクト」が運営する情報サイト
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