「間食指導」で考える生活習慣改善アセスメント

支援のポイント

 準備期まで来たら、実行期は目の前。ですが、本格的なスタート前には様々な不安が伴います。成功するかどうか自信を持てないことが不安につながり、スタートへの足枷になってしまうのです。そのような不安な気持ちが軽くなるようポジティブな方向性を一緒に探り、対象者のモチベーションを上げるスイッチを見つけ、ゆっくり押してあげることが大切です。強引に押そうとすると拒絶されてしまいますので、ゆっくり納得してもらいながら。そのためのポイントを下記にまとめてみました。

1)過去の行動変容の成功例から、対象者に即した具体的で実施可能な方法を思い出してもらう

  → 【遂行行動の達成】達成感を再経験することで継続への自信を高める。
  ※成功体験がない場合
   (1)【言語的説得・努力に対する自己評価】結果ではなく、
     行動変容しようとしたことや一部の変容でも肯定的に評価する。
   (2)【代理的経験・モデリング】周囲で行動変容に成功している人を探し、
     その人の行動に注意を促す。

2)成功例の内容をプラスに評価・賞賛し、"今回もできるかもしれない"という気持ちになってもらう

  →【言語的説得】指導者が積極的に正確な評価・激励・賞賛を行うことで自信を高める。

3)最初の一歩が踏み出しやすくなるように、自分で短期目標を決めてもらう

  →【目標設定】段階的にレベルアップしていくよう実行可能性の高いものを、
         具体的に期限を設定して決める。

4)低いハードルを1つずつクリアしていくイメージを持ってもらう

  →【セルフモニタリング】自己の気づきを高めるために記録を徐々につけてもらう。

5)うまく行った時に、自分へのご褒美や、家族・友人などの社会的サポートを得ることを勧めてみる

  →【自己強化】自分で自分を積極的に激励し、称賛するよう指導する。

まとめ

 準備期に来ている人は「もう一押し」すれば、実行期へと移行することができます。まずは健康(体重コントロール・中性脂肪の改善など)のために、自分の行動(間食の調整など)を変えていく決断をしたことを支持し励まします。短期的なゴールと長期的なゴールの両方を話し合い、相手に決めてもらうことがポイントです。

 次回は、ついに本格的にスタート!という「実行期」の人に対するアプローチを検証していきます。

2014年02月 公開

日本医療・健康情報研究所
間食指導の情報ファイル INDEX
ページのトップへ戻る トップページへ ▶