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肥満でなくてもカロリー制限は効果的 糖尿病や肥満の検査値が改善 まずは10%を減らしてみる

 「最近、少し太ってきた」「お腹のふくらみが気になるようになった」「若い頃に比べ体重が増えた」――「肥満」と判定されるほどではないが、体重が気になっている人は多い。
 肥満というほどではなくとも、食事のカロリーをコントロールし体重を減らすと、糖尿病や心臓病に関係する検査値が改善することが明らかになった。
糖尿病や心臓病に関係する検査値が改善
 カロリーコントロールは、食事で必要な栄養素を十分に摂りながら、カロリーを適正にコントロールしようという考え方。糖尿病の食事療法や、体重を減らす目的で行われることが多い。

 加齢にともない肥満や2型糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの危険性が増していくが、カロリーコントロールはそれを抑制するのに効果的と考えられている。

 体重が正常の範囲にある人は、その必要性を感じないかもしれない。

 しかし、肥満と判定されていない人も、カロリーコントロールにより多くの健康上のメリットを得られることが、米国のデューク大学医学部の研究で明らかになった。

 しかも、「過体重」や「軽度肥満」とされた人が、カロリーを適切にコントロールした結果、糖尿病や心臓病に関係する検査値が改善することが分かった。

 この研究は、NIHの国立老化研究所(NIA)や国立糖尿病消化器病研究所(NIDDK)の支援を受けて行われた。その成果は、医学誌「Lancet Diabetes & Endocrinology」オンライン版に発表された。

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1日のカロリーを300kcal減らすのに成功
 研究に参加したのは、21~50歳で体格指数(BMI)が22~27.9の男女218人。

 研究チームは、1日のエネルギー摂取量について、研究開始前から25%をカットすることを推奨するグループ(カロリーコントロール群)と、制限を設けないグループ(対照群)に無作為に割り付け、2年間追跡して調査した。

 その結果、カロリーコントロール群では、目標とした25%カットには届かなかったものの、平均で11.9%(およそ300kcal)のエネルギー摂取量が減少した。

 1日の総エネルギー摂取量の平均は、カロリーコントロール群で2,170kcal、対照群で2,467kcalだった。

 カロリーコントロール群では、体重が平均7.5kg、体脂肪は平均10%、それぞれ減少した。ウエスト周囲径と血圧値も大きく低下した。

 さらに、LDLコレステロール値、総コレステロールとHDL-コレステロールの比、中性脂肪値、血糖値が改善し、インスリン感受性を示すHOMA-IRも大幅に改善した。

 心臓病やがん、認知機能低下に関連するC反応性タンパク(CRP)の減少もみられた。

 一方、対照群ではエネルギー摂取量が平均で0.8%減少し、体重が0.1kg増加した。

 なお、食事のエネルギー摂取量を減らすことで、一時的に安静時の代謝率が低下したが、2年間の終わりごろにはその差は縮まった。
ちょっとした工夫でカロリーを減らせる
 「肥満でない人でも、適度なカロリーコントロールにより、2型糖尿病や心臓病のリスクが低下することが分かりました。摂取カロリーを少し減らすのは難しいことではありません。食べ方に少し気を付けて、夕食の後に間食しないなど、ちょっとした工夫で実現できます」と、デューク大学医学部のウィリアム クラウス教授は述べている。

 なお、300kcalはおよそ、ポテトチップス0.5袋(54g)、ごはん1.5杯(180g)、チーズバーガー1個、コーラ2杯(670mL)、缶ビール2杯(770mL)に相当する。

 300kcalのお菓子や間食に、食後につい手が伸びてしまうという人も多いのではないだろうか。体重60kgの人が300kcalを運動で消費するために、約90分のウオーキングが必要だ。

 カロリーコントロールがどのような利点をもたらすかを解明するために、さらなる研究が必要だ。研究チームはより長期に及ぶ研究も検討している。

 世界保健機関(WHO)は、国際的な基準として、BMI(体格指数)25以上を「過体重」、30以上を「肥満」と定めている。

 日本人ではBMIが25を超えると2型糖尿病や循環器疾患のリスクが高くなり、内臓脂肪が増えていく傾向がみられるので、日本肥満学会は日本人の肥満を「BMI 25以上」と決めている。

 ただし、日本人を含むアジア人では、BMI 25未満でも2型糖尿病や循環器疾患の発生リスクが高い場合があるので、注意が必要だ。

Calorie restriction may benefit healthy adults under 50(米国立衛生研究所 国立老化研究所 2019年7月26日)
2 years of calorie restriction and cardiometabolic risk (CALERIE): exploratory outcomes of a multicentre, phase 2, randomised controlled trial(Lancet Diabetes & Endocrinology 2019年7月11日)
[Terahata]

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