ニュース

「高カロリー飲料」の飲み過ぎでがんリスクが上昇 100ミリリットル増えると乳がんリスクは22%増加

 ジュースやコーラなど高カロリーの清涼飲料の飲み過ぎと、がんの発症リスクすることが、10万人以上を対象としたフランスの大規模調査で明らかになった。
 高カロリーの飲み物を制限することで、がんの発症数を減少できる可能性がある。
高カロリー飲料の消費は過去数十年で世界的に増加
 高カロリーの清涼飲料の飲み過ぎと、がんの発症リスクの上昇には関連があるという、10万人以上を対象とした調査結果を、フランスのパリ13大学などの研究チームが発表した。詳細は医学誌医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル(BMJ)」に発表された。

 研究チームは「調査結果について慎重な解釈が必要」としながらも、食事指導では高カロリー飲料の過剰な摂取を控えることを教えるとともに、そうした飲料に課税や販売制限を加えるなどの政策も必要となる可能性があると指摘している。

 「果糖」などを添加した清涼飲料や菓子類などは、カロリー摂取量を高めるだけでなく、肥満や2型糖尿病、心血管疾患の発症リスクも高めることは、これまでの研究でも報告されている。そうした高カロリー飲料の消費は過去数十年で世界的に増加している。

 そこでフランスの研究チームは今回の研究で、高カロリー飲料の摂取量の増加と、がん全がん、乳がん、前立腺がん、大腸(結腸直腸)がんなどの発症リスクとの関連を調査した。

 「ニュトリネット サンテ(NutriNet-Santé)」研究は、フランス政府が作成した食事スコアが個人の健康にどれだけ影響するかを測定する目的で、2009~2017年に実施された大規模研究。

 この研究の過去の解析では、ジャンクフードなどの「超加工食品」の摂取と、死亡リスクの上昇との関連も明らかになっている。超加工食品の摂取率が10%増加すると死亡率は14%増加するという。

関連情報
高カロリー飲料が1日に100mL増えるとがんリスクは18%上昇
乳がんリスクは22%上昇
 研究チームは今回の研究で、平均年齢42歳のフランス人10万1,257人(21%が男性、79%が女性)を対象に、5.1年(中央値)、最大で9年間、追跡して調査した。参加者に6ヵ月ごとにオンライン上で、24時間以内の食事について3種類のアンケートに回答してもらった。

 研究チームは3,300種類の食品の摂取量を測定し、高カロリー飲料の1日の消費量を算出した。フランスの健康保険の全国データベースを参照し、参加者の医療記録にあるがん発症件数と比較した。

 高カロリー飲料の1日の平均摂取量は、女性で74.6mL、男性で90.3mLだった。期間中にがんと診断されたのは2,193件(乳がん693件、前立腺がん291件、大腸がん166件)。がんの診断時の平均年齢は59歳だった。

 解析した結果、高カロリー飲料の摂取量が1日にわずか100mL増えただけで、全がんの発症リスクは18%上昇し、乳がんのリスクは22%上昇することが明らかになった。

 前立腺がんと大腸がんとの関連はみられなかったが、これらのがんは発症数が限定的であり、高カロリー飲料とがん発症との関連を否定するものではないという。
高カロリー飲料への課税や販売制限ががんリスクを下げる
 これに対し、低カロリー甘味料を使った飲料の摂取は、すべてのがんについてリスクを上昇させないことが示された。低カロリー甘味料についてはサンプル数が少なかったので、研究チームは「さらなる研究が必要」と指摘している。

 「高カロリーの清涼飲料の飲み過ぎと、がんの発症リスクの上昇には関連があることが明らかになりました。こうした飲料への課税や販売制限が、がんの発症率の低下につながる可能性があります」と、研究者は結論している。

 研究チームは「高カロリー飲料の飲み過ぎが、内臓や肝臓、膵臓などに蓄積した内臓脂肪、炎症マーカーなどに影響している可能性がある」と指摘。今回の研究は観察研究なので、がんの発症リスクの上昇との因果関係は解明されていないが、「10万人を超える大規模調査で解明された意義は大きい」としている。

Study suggests possible link between sugary drinks and cancer(ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2019年7月1日)
Sugary drink consumption and risk of cancer: results from NutriNet-Santé prospective cohort(ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2019年7月10日)
Nutrinet-Sante study
Association Between Ultraprocessed Food Consumption and Risk of Mortality Among Middle-aged Adults in France(JAMA Internal Medicine 2019年2月11)
[Terahata]

「記事の内容」に関するニュース

2019年08月20日
米を中心にした食事はメリットが多い 食べ過ぎると糖尿病リスクが上昇
2019年08月20日
「ワークライフバランス」の改善の効果 生活満足度は女性より男性で改善 34ヵ国を比較
2019年08月20日
高脂肪の肉が「乳がん」リスクを上昇 代わりに低脂肪の鶏肉を食べるとリスクは減少
2019年08月20日
金沢大学がAIを活用した糖尿病性腎症重症化予防の共同研究を開始 日本人に最適な予防法を開発
2019年08月20日
シロタ株を含む乳製品を摂取すると便秘リスクが低減 適度な運動が加わるとさらに効果的
2019年08月15日
働き方改革 「長時間労働」が脳卒中のリスクを上昇させる 産業医の7割が「改善を感じる」と回答
2019年08月14日
認知症を予防するための10の方法 健康的な生活スタイルを実行すれば脳の老化を抑えられる
2019年08月13日
たった12週間のウォーキングで自分は変えられる 運動は考えている以上に簡単
2019年08月09日
「乳がん」を早期発見 唾液をAIで高精度に検査 低コストな測定方法の開発へ
2019年08月07日
トマトのリコピンが肥満とメタボのリスクを低下 血管を健康にする抗酸化作用
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 8,441 人(2019年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶