生活サイクルを修正し、対象者をより健康体に導くためには、だれもが毎日必ず行う"食"の改善が最も重要な課題となります。相手の食生活全体を把握・管理するには、基本3食だけでなく、おやつや夜食などの間食習慣の把握が必要ですが、意外とそこが見落とされたり、良い形で修正できないことが多いようです。
保健指導のアセスメントでは、目標に対する行動変容ステージをもとに指導を進めていくことが知られています。食事指導の際も、聞き取りの中からその方のステージを推測し、意識しながら会話を進めていくことが大切です。例えば、毎日のように残業している方が、夕方は菓子パンを食べて夕食までの空腹を充たしている習慣があるとわかったとき、その方の個性や生活状況はもちろん、ステージがどこにあるかで、説明のしかた、納得してもらえる言葉、行動変容へ導くアプローチ方法は変わってくるのです。
この連載では、「間食」に的を絞り、上手に習慣を是正していく方法を考えていきたいと思います。これまで私が実施してきた食事指導経験の中での成功・失敗パターンを例に、アセスメントのポイントやコツをご紹介いたします。「間食指導」は考えるほどに奥深く、侮るなかれと感じている今日この頃です。
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プロフィール
女子栄養大学栄養学部卒、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程修了。(独)京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室研究員/糖尿病センター栄養指導、(学)古屋学園 二葉栄養専門学校 管理栄養士科教授、(株)ニュートリート代表取締役を経て、2013年4月より現職。著書執筆多数、講演・研修会講師など、幅広く活動中。
著 書
編著「糖尿病医療スタッフのための実践!カーボカウント」(医歯薬出版)
共 著
「はじめてのカーボカウント第2版」(中外医学社)、「カーボカウントに役立つ食品成分表 ひと目でわかる! 糖質」(エクスナレッジ)、「糖尿病の食事療法 カーボカウントナビ2」(エクスナレッジ)、「エビデンスを活かす糖尿病療養指導」(中外医学社)、「説明力で差がつく保健指導」(中央法規出版)、「質問力でみがく保健指導」(中央法規出版)、「ヘルスケアプロフェッショナルのためのメタボリック・シンドロームQ&A」(医歯薬出版)、「医師と栄養士と患者のためのカーボカウンティング実践ガイド」(医薬ジャーナル社)ほか多数
2013年08月 公開