「間食指導」で考える生活習慣改善アセスメント

支援のポイント

 このように、「無関心期」の人たちに対しては、まず関心をもってもらう必要があります。そのためには、相手の気持ちを確認し、相手の考え方や生活を否定せずに、問題点を理解してもらうよう会話の中で導いていきます。自分の間食習慣について意識したことや評価したことがないわけですから、改善が必要であることの重要性を理解していただくことができれば、「そっか、じゃあ、やってみる!」と納得して行動につながっていくわけです。

 支援のポイントを、以下にまとめてみました。

1)対象者の気持ちを確認する

 相談者の発する否定的な言葉に対抗し、いきなり説明や説得を始めてしまうと、相談者の気持ちは支援者への不信につながっていきます。変えたくない気持ち、変えられない理由があることを理解し、そのことを支援者は言葉で確認します。

2)方向性の選択を一緒に行う

 生活改善は、必ずしも"生活を180度変える"ことではなく、「減らす」「やめる」以外にも「楽しみ続ける」という選択肢があることを示します。さらに、一緒に話し合いながらその方向性を絞り込んでいきます。

3)対象者のニーズに沿ったわかりやすい情報提供を行う

 この指導がきっかけになればと、支援者が一方的に沢山の情報提供を行うと対象者の反発心は高まります。支援者が伝えたい情報を一度脇に置き、相談者の知りたいことや、ニーズに対応していくことが大切です。

まとめ

 「絶対に無理よ」と、相談者から否定的な言葉が発せられると、これから始めようとしている保健指導への抵抗と捉え、それに対応する面接スキルの自信のなさから「無関心期の支援は苦手!」という支援者は多いようです。このステージにある課題には、短い面接時間内で強引に実践行動に結びつけるより、行動変容を妨げている刺激や課題を絞り込み、漠然とした不安の有無や付き合い方の多様性を確認することを丁寧に行う支援の方が、結果的に成功率が高いのです。

 相談者を自分に置き換えてみれば明らかです。「あなたのためですよ」といくら言われても、意に反した提案は受け入れ難く、そう簡単に修正をかけることはできません。『無理強い』は禁物なのです。

 次回は、わかっちゃいるけど変えられない、もっとも厄介な「関心期」の人に対するアプローチを検証していきます。

2013年08月 公開

日本医療・健康情報研究所
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