泣いている乳児は保護者があやしてくれることを期待している
泣いている乳児は、保護者があやしてくれることを期待しており、そうされない場合には驚くことを示唆する研究結果が報告された。米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のKexin Hu氏らの研究の結果であり、詳細は「Developmental Psychology」に6月25日付で掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「乳児は言葉を話せるようになる前から、良好な養育を受けることを期待している」と語っている。
この研究で研究者たちは、生後6カ月、9カ月、12カ月の乳児に、家事をしている女性が映っている2種類の動画を見せた。一つ目は、動画の中の乳児が泣きだすと女性が家事を中断してあやし始めるもので、もう一方は、女性が泣いている乳児を無視して家事を続けるというものだった。そして、乳児がこれらの動画を見つめる時間を測定した。研究者によると、乳児は目の前で予想に反する出来事や驚くような出来事が起きると、それをより長く見つめることが分かっているという。論文の上席著者である同大学のNancy McElwain氏は、「乳児が予期せぬ出来事をより長く観察するということは、何が起こっているのかを理解しようとしていることを示唆している」と解説している。
実験の結果、乳児が動画を見つめている時間は、泣いている乳児を無視する女性の動画を見せたときの方が長かった。McElwain氏によると、「彼らは期待が裏切られたことに驚いたのだ。乳児は、保護者が泣いている乳児を無視しないことを期待している」と分析している。
この研究では、乳児の母親の抑うつレベルの評価も行われ、乳児の動画視聴時間との関連が検討された。すると、母親の抑うつレベルが高いほど、乳児は保護者が泣いている乳児をあやしてくれるという期待を示しにくいことが分かった。これは、保護者があやしてくれるという期待が低いことを示唆する結果だという。
研究者らは、母親の抑うつ症状と乳児の期待の低さとの関連について、いくつかのメカニズムを考察している。「ほとんどの乳児はごく幼い頃から、泣き叫ぶと保護者があやしてくれるといった、肯定的な対人関係に期待を抱いている可能性が高い。しかし、時間の経過とともに、そのような期待が変化することがあるのではないか」とMcElwain氏は考察している。
ただし、抑うつ状態にある母親の子どもでは、実験室のような不慣れな環境において日常とは異なる行動を取った可能性があり、それが本研究の結果に影響を与えた可能性もあるという。研究者らは、「乳児の保護者への期待の形成において、母親の抑うつが及ぼし得る潜在的な影響をより詳しく探るために、今後の研究が必要である」と述べている。
[HealthDay News 2026年9月16日]
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