ニュース
【新型コロナ】テレワークの増加と夫婦関係の変化などを調査 コロナ禍は夫婦関係にも影響した?
2022年06月20日

近畿大学の辻竜平教授らの調査で、コロナ禍でのテレワークが増加したことによる夫婦関係の変化や、ワクチン接種に対する不安や接種行動について、意外なことが明らかになった。
調査では、「感染対策の程度は都市と地方とでは変わらない」「コロナ禍でも夫婦関係の質や満足度は変わっていない」ことなどが示された。
コロナ禍の社会的影響について調査 夫婦関係や不安、接種行動などはどう変わった?
研究は、近畿大学総合社会学部総合社会学科社会・マスメディア専攻の辻竜平教授らによるもの。辻教授は、2020年度に引き続き、「新型コロナウイルスの社会的影響にかかわる調査 Part2」を実施し、成果をまとめた。 同調査は、新型コロナの拡大が生活に及ぼす影響について調査したもので、2021年11月~12月に実施。全国の15歳~74歳の男女666人が対象となった。 今回は、コロナ禍での夫婦間の関係の変化や、ワクチン接種に対する不安と接種行動との関係などを調査した。 その結果、主に次のことが明らかになった。感染対策の程度は都市と地方とでは変わらない
「新型コロナの感染者が多い都市部に住んでいる人ほど、感染対策を行っている」と思われがちだが、都市部と地方部では、除菌や行動制限、飛沫感染の予防などの対策に差はあまりみられないことが示された。新型コロナの感染対策の程度は、地域によって違うわけではないことが分かった。
コロナ禍でも夫婦関係の質や満足度は変わっていない
新型コロナが蔓延する前までは、夫婦の片方ないし両方が出勤するため、夫婦で過ごす時間は帰宅してからだけになることが多かった。しかし、テレワークの普及にともない、たとえば夫婦が一緒に食事をとる機会やコミュニケーションの量が増えることにより、結果的に夫婦の仲は良くなった可能性がある。
一方で、ステイホームにより家族が家にいる機会が増えたため、食事の準備をはじめとする家事が増加する。また、子供は家族と同居するケースが多い。そのため、子供の数が多ければ多いほど、家事などの負担が増大し、それによる疲労やストレスも増大すると考えられる。
しかし、調査ではコロナ禍にともなう夫婦関係の質や満足度にあまり変化を与えていないことが分かった。また、子供がいることで、夫婦関係の満足度などを悪化することもなかった。
一方で、ステイホームにより家族が家にいる機会が増えたため、食事の準備をはじめとする家事が増加する。また、子供は家族と同居するケースが多い。そのため、子供の数が多ければ多いほど、家事などの負担が増大し、それによる疲労やストレスも増大すると考えられる。
しかし、調査ではコロナ禍にともなう夫婦関係の質や満足度にあまり変化を与えていないことが分かった。また、子供がいることで、夫婦関係の満足度などを悪化することもなかった。
新型コロナの情報を多く入手している人ほど不安を感じやすい
人々は、新型コロナについての情報を日々入手しており、マスメディアが新聞やテレビなどを通して伝える情報、政府や官公庁が発信する情報、SNSやネットメディアで発信される情報など、さまざまな情報がある。
調査では、マスメディアから新型コロナに関わる情報を得る人ほど、感染することへの不安、感染すると避けられたりひどい扱いを受けるのではないかという不安、さらには社会経済に関わる不安を感じやすいことが分かった。
また、新型コロナの社会的不安や個人的不安を喚起する情報ほど、人はそれを他者に伝えたり、話題にしようとする傾向もみられる。
調査では、マスメディアから新型コロナに関わる情報を得る人ほど、感染することへの不安、感染すると避けられたりひどい扱いを受けるのではないかという不安、さらには社会経済に関わる不安を感じやすいことが分かった。
また、新型コロナの社会的不安や個人的不安を喚起する情報ほど、人はそれを他者に伝えたり、話題にしようとする傾向もみられる。
ワクチンの安全性と副反応に関する不安は接種の抑制に影響する
新型コロナワクチンについて、「自他の命と健康を守れる」「費用負担の容認」「安全性への信頼」という3つの因子は、接種の動機づけを高める。
一方で、発熱や痛みなどの副反応に対する不安や、ワクチンの品質管理に関わる不安もある。また、マスメディアやSNSがワクチンの危険性を流布することによって生じる不安もある。
事前には「副反応と安全性に関する不安が強いほど、ワクチンを接種しない」、さらに「その効果は、女性の方が大きい」と予想されたが、実際にワクチン接種に対して、そうした不安はワクチン接種の抑制に影響することが示された。しかし、性別による違いはみられなかった。
一方で、発熱や痛みなどの副反応に対する不安や、ワクチンの品質管理に関わる不安もある。また、マスメディアやSNSがワクチンの危険性を流布することによって生じる不安もある。
事前には「副反応と安全性に関する不安が強いほど、ワクチンを接種しない」、さらに「その効果は、女性の方が大きい」と予想されたが、実際にワクチン接種に対して、そうした不安はワクチン接種の抑制に影響することが示された。しかし、性別による違いはみられなかった。
コロナ禍での政権や専門家への評価
新型コロナウイルスの対策にあたった政権担当者と、感染症対策専門家会議座長、感染症対策分科会会長について、5段階評価してもらったところ、「どちらともいえない」以上の評価があったのは、菅政権下の河野太郎ワクチン接種推進担当大臣(3.17)と、感染症対策分科会の尾身茂会長(3.20)のみだった。
調査は、近畿大学総合社会学部総合社会学科社会・マスメディア専攻の辻竜平教授が、「社会調査実習B」の授業で、2020年度に引き続き実施したもの。詳細は、同大学のホームページに掲載されている。
近畿大学 総合社会学部・大学院 総合文化研究科
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「特定保健指導」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」